2023年11月4日、イスラエルによる新たなガザ侵攻の始まった現状に対してイスラエルを批判し、世界に連帯を訴えるインターネット集会
“A WARNING TO HUMANITY”: A Twenty Nations-Solidarity Rally Against Israel’s Genocide in Gaza “A WARNING TO HUMANITY”: A Twenty Nations-Solidarity Rally Against Israel’s Genocide in Gaza – YouTube
が5時間にわたり行われ、50名を超える人々が短いスピーチ、詩の朗読、歌、演奏等の形で参加した。これはFORSEA( Forces of Renewal Southeast Asia)とFree Rohingya Coalitionの呼びかけによるもので、参加者の中には最長8分のスピーチをした97才の元マレーシア首相マハティールもいる。過去の発言の映像としてネルソン・マンデラやジョー・バイデン等も登場する。マハティールは植民地主義の結果としてのイスラエルを明確に批判し、マンデラはイスラエルの存在は認めつつそのパレスチナ占領を非難し、議員時代のバイデンは、<イスラエルがもし無かったら、我々がイスラエルを作らなければならぬ>とイスラエルへの溺愛を明言している。パレスチナから参加した人々や、バングラデシュのロヒンギャ避難民キャンプから参加した人々もいるし、フィリピン、インド、南北アメリカ、欧州など、世界各地から、活動家や研究者ら老若男女が呼びかけた。今注目されていることはイスラエルによるガザ侵攻であるが、同様のパターンの民族抑圧は世界各地で今起こっているという認識に参加者は立つ。イスラエルのナクバ以前からの関係者の種々の偽善と犯罪を知っている参加者たちの要求は、馬脚を再び現したイスラエルの拡大主義をどう止めるか、という問題意識を含めた即時停戦である。
小生のスピーチの翻訳は下記である。
<イスラエルの不純な報復 >
迫害の中で懐胎され、テロと戦争の中で生まれ、勝利により拡大し、アメリカの拒否権により維持されたという悲劇的な歴史がイスラエルにはある。その経験は、生存への他者からの脅威を自らの他者への攻撃に変える方法をこの国に教えた。 このアメリカの被保護者は1967年に自分の領土としては認められていない空間の占領を開始し、オスロ合意の目標達成には進まなかった。支配下の地域に壁を築き、新たな入植者を呼び込んでいる。
ユダヤ人は世界の知性の歴史をリードする多くの賢人を輩出してきたが、イスラエルという国家を率いるのは、防衛の名のもとに自らの侵略を正当化し、パレスチナのテロこそが問題の始まりであるというプロパガンダをオウム返しに聞かせる平凡な政治家たちである。イスラエルの現状に批判的なユダヤ人たちは、抑圧された人々に対する同情心を誇らしげに欠いているこんなイスラエルを見るために、ホロコースト後シオニズムを支持したのではない、と世界の他の人々共に、イスラエルに言うべきである。
10月7日にハマスの大攻撃があったのは間違いない。 だが現在ガザに対して行われているイスラエルの軍事活動については、次のような疑問を提起することが重要である。
(1) それが報復であるなら、いつ十分になるのか? 何が十分かを誰が決めるのか?報復が適切な限度を超えた場合、イスラエルはどうなるべきか?
(ア) 報復であるなら、それは攻撃者であるハマスに対するものでなければならない。だがハマスはパレスチナ人に囲まれ、イスラエルは一般のパレスチナ人を殺すことをためらわない。
(イ)パレスチナ人を攻撃しておきながら、パレスチナ人の死傷者は二次的被害であるにすぎぬ、とイスラエルが言うのは簡単である。 だが例えばガザ地区の病院への爆弾投下は、イスラエルがパレスチナ人を殺し、苦痛を与える気であることを証明している。
(ウ) 現在、世界はイスラエルの過剰な武力行使を止められず、何が十分かの判断をイスラエルに任せている。
(エ) この状況は、「保護する責任」(Responsibility to Protect)の概念が適用できるケースである。パレスチナの犠牲者たちが一部のユダヤ人を含む世界の人々から得ている世界の同情の高まりは、過去に世界が初期のひ弱なイスラエルに捧げていたものと同じであることを、イスラエルは認識しなければならない。
(2) どのような報復が十分かという問題に加えて、それが本物かという問題もある この戦争では、イスラエルはパレスチナ人をイスラエルの空爆から守るという名目で、パレスチナ人をガザ北部からガザ南部に移動させようとしている。イスラエルはイスラエル人保護の名目でガザ地区内に緩衝地帯を作ろうとしている。 これらの行動は恐らく、イスラエルによるガザでの民族浄化の取り組みが既に始まっていることを示しているだろう。イスラエルの目的は人々をガザからエジプトに追い出すことであると想像できる このプロセスは、基本的物資が削減されているこのパレスチナ人コミュニティの根本的な破壊を引き起こす可能性が高いという意味で、ジェノサイドと見なしうる。
防衛としての侵略を説明するイスラエルの伝統的な戦略は、それがミャンマーによって学習され、再現されているという事実によっても見透かされる。 人心を操ることに長けた人権侵害国であるイスラエルとミャンマーは互いに接近し、後者はロヒンギャを異質なものとして排斥するミャンマーマの政策に、パレスチナ人を人と見なさないというイスラエルの政策を適用してきた。ヨルダン川西岸と同様に、ミャンマーはラカイン州のイスラム教徒コミュニティに仏教徒コミュニティを植え付け、ロヒンギャ間のコミュニケーションを制限した。 ミャンマー軍は2017年、反テロ作戦という都合のよい名目で偽旗作戦を実施し、70万人のロヒンギャを追放した。イスラエルの武器の顧客であるミャンマーにイスラエルのやり方を適用することに、イスラエルが不満を抱いた形跡はない。
こうしてイスラエルはアメリカを保護者とし、ミャンマー軍をその弟子とし、支配地域の浄化のため、防衛を攻撃に変える術を磨いている。 この意味で、そしてこの意味でのみ、イスラエルには仲間がいる。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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