HOWS後期短編講座のご案内です。
世界の短編小説を読む(全4回)
講師=立野正裕(明治大学元教員)
カフカがある手紙に書いている。「書物とはわが内なる海の凍結した氷をたたき割る斧でなければならない。」
斧を手にし氷原をたたき割る。それが作品を読むという行為である。ものの考え方が枠にはまり、停滞しがちと痛感するとき、自らを自らの手で焼き直しているのかと不安になるとき、その停滞とマンネリズムを打開するには、頭がぶったたかれるような作品に出逢うことだ。今期、世界文学の短編小説から最高傑作の名に恥じない四編を選ぶ。これを斧として力いっぱい振るい、 氷結したおのれの海にきっぱりと水路をうがとう。
1 クライスト作『ミヒャエル・コールハースの運命』(岩波文庫)
正義を尊ぶ男はいかにして盗賊へと変貌を遂げざるを得なかったか。
日時= 2023年11月15日(水)18時30分~21時
(終了済)
2 エドガー‐アラン‐ポー作『メエルシュトレエムに呑まれて』(『ポオ小説全集3』〔創元推理文庫〕に収録)
異常な想像力と徹底した観察力を綯い合わせたポーの最高傑作。のみならず現代文学の目指すべき極北。
日時= 2023年12月13日(水)18時30分~21時
3 ウナムーノ作『殉教者、聖マヌエル・ブエノ』(『ウナムーノ著作集5』〔法政大学出版局〕に収録)
聖職者でありながら心のうちで神が信じられぬという「荒び」を心にいだいたまま、人はいかにして善き生を生ききることができるのか。 ※本作は入手困難が予想されます。HOWS事務局でコピーを用意しますのでお問い合わせください。
日時= 2024年1月17日(水)18時30分~21時
4 ガルシア‐マルケス作『予告された殺人の記録』(新潮文庫)
衆人環視のもとで行なわれた殺人は予告されていた。では、偶然はどのように人間の運命となり惨劇として決行されてゆくのか。
日時= 2024年2月14日(水)18時30分~21時
受講料=1回 1500 円(学生 1000 円)
会場 本郷文化フォーラム(HOWS)ホール
〒113?0033 東京都文京区本郷3の29の10飯島ビル1F
最寄り駅は地下鉄丸の内線・大江戸線「本郷三丁目」駅
問い合わせ 要事前予約
? 080-9816-3450