みなさま
韓国の情勢がさらに緊迫化しています。NPAの皆さんにも連帯を呼びかけます。日本のメディアや政府にも声を上げてほしいですし、市民社会でも韓国の友人に連帯のメッセージを送ってほしいです。私のこの文書も、多くの方々に転送していただければ幸いです。
恵泉女学園大学教員・NPAコーディネーター代表の李泳采です。
いつもご協力いただきありがとうございます。
4日の未明に出した「NPA-TV緊急速報【韓国情勢】尹錫悦大統領の戒厳令その後」(https://www.youtube.com/watch?v=rUqwCsiZCR4&t=14s)への反響、どうもありがとうございました。尹大統領による「内乱」「親衛クーデター」は3日目(6日)になって少しずつ全貌が明らかになってきています。特殊軍隊を国会に280名、選挙管理委員会に270名などを派遣し、李在明民主党代表、韓東勲与党代表、ウウォンシキ国会議長など80名の政治家や社会著名人の逮捕者名簿、彼らの収用刑務所まで決まっていたことが明らかになりました。国会に派遣されていた、707特殊部隊は、北朝鮮首脳部を斬首することを特別目的とする韓国軍隊最高精鋭部隊でした。戒厳司令官も知らない布告文1号は、政治家、市民運動、メディア、労働運動などすべてを、親共、反乱勢力と断定し、逮捕、「処断」すると書いてありました。何より、自分の国民を「処断」の対象として見ている、一国の大統領が考え得るものとは到底信じられない内容でした。言論社の『JTBC』『MBC』、150万のサポーター持つYOUTUBE『ニュース工場』、その市民世論調査機関「花」、そしてその代表である金オジュンなどメディアへの逮捕組が事務所にまで駆け付けました。緻密に作られていたこの親衛クーデターの企画は、思った以上に早く、またより多くの市民が国会に集まったこと、議員たちがたまたまソウル市内の近くでイベントがあり早期に集まれたこと、などにより「奇跡的」にクーデターを短時間のうちに失敗に追い込むことができました。しかし、首謀者尹大統領をふくめて、軍、警察、検察、政府の内乱首謀者たちがそのまま席に留まりながら、証拠隠滅と、明日の弾劾投票の前に今晩「第2のクーデター」を企画しているという噂まで広がっています。クーデターは終わったのでなく、始まりにすぎなかったことがこの二日間で明らかになりました。国会が戒厳軍に占領されていたら、ただちに政治犯らの逮捕、そして流血騒ぎになることは予想されていました。負傷者たちを運んで隠ぺいするための軍の病院施設も用意されていました。クーデター失敗の4日、6野党は国会で「尹大統領退陣」を求める集会を開き、翌日の5日夜、「尹大統領弾劾案」を上程しました。7日の夜7時にその議決投票が行われます。その投票を阻止すべく、もう一回総力戦で戒厳令を実施するという大統領側の内部告発などの情報が、今民主党に伝わっています。今晩(6日の夜)韓国は国会を守ること、明日(7日、土)は、全国民がキャンドルデモで「弾劾投票」の死守、「尹大統領の緊急逮捕」を求めて全国から集まることとなっています。アメリカの国務省はすぐに声明を出し、尹大統領に「戒厳令」解除への圧力をかけました。無謀で間違っているという指摘でした。ヨーロッパでも、台湾でも連帯する議員などの声明発表がありました。日本政府はそれほど親しい尹大統領であれば、もっと何かを言える立場だと思いますが、沈黙を維持しているのは「クーデター」を支持している、という意味でしょうか。日本の国会議員が尹大統領へ圧力をかける声明を出すことを期待するのは無理なのでしょうか。3日間、一睡もせず、ニュースを検索し、海外学者の署名を呼び掛けて、情報分析をしていました。私だけでなく、国内外の多くの人々が、眠れない毎日を祈りながら過ごしています。40年間闘い、今日に至るまで多くの若者や民衆が犠牲になってきた韓国。80年5月光州虐殺、87年6月民主化大抗争を経て、創り上げてきた民主主義の遺産、21世紀経済第10位の大国、文化強国、IT先進国のこの国で、ここまで築いてきた国のあり方や民主主主義を、一握りにもならない権力を持った一人が、またもや40年前のように軍隊を出して権力を維持しようとしていること、この国のすべてを壊そうとしているこの姿は信じられません。悲しい現実を悲しいと感じる暇もなく、次々と明らかになってくるクーデターの全貌に唖然としているだけです。昨夜ソウル大学で、70年戒厳令の時代のように、何十年ぶりかで1万名の学生集会がありました。全国で1カ月間1万名以上の教授や研修者たちが尹大統領退陣の声明を出しました。海外での学者や同胞たちの連帯運動も広がっています。国民がこの寒さでもキャンドルを持ち上げて「大統領弾劾可決」を訴える全国規模の集会が予定されています。しかし、残念ながらいま、その可決の見込みはまだ不透明な状況です。危機感に包まれている与党議員たちは、自分たちの国会が武装軍人に踏みつぶされて逮捕される直前であったのにも関わらず、いまだに尹大統領を守ろうとしています。それは権力交代が起こると、自分たちの議員権力も危うくなるという恐れ、自身の保身を図りたいという気持ちの表れでしょう。クーデターの共犯勢力です。弾劾案は、議員の2/3賛成で200票が必要ですが、野党だけでは8票が足りません。韓国社会の力だけでは、今のこの事態を止めるのは無理なようにも見えます。正気を失った子どもが銃を持って何をするかわからない「尹大統領」の現状は「殺人武器」でしかありません。韓国の今回のクーデターは、法制度のなかで、緊急条項という権力者の特殊権限を利用して、議会と言論を止めるクーデターです。アメリカのトランプ政権でも、日本など世界のどの民主主義国家でも活用できる新しいタイプのクーデターです。このタイプを許してしまうと、どの国でもその悲劇か起き得ます。韓国でこれを認めるわけにはいかない、という責任感もあります。
韓国が「反日国へ回帰」
左翼による国会制圧に対する尹大統領の対応としての戒厳令
日本も緊急条項を検討すべき
韓野党の左翼政権になると親北となり、日米韓の安保に亀裂
日本の安全保障はまたも危険
といった日本のメディアの論調をみていると、絶望感が先になりますが、韓国市民社会へ連帯する日本市民の皆さんの声は、大きな力と日本政府への圧力にもなると思います。メディア報道への抗議と、尹政権への批判は力にもなり、日本を“大好きな”韓国「国民の力」保守議員たちへの圧力にもなると思います。どの国でも独裁者や、民主主義を破壊し権力を維持しようとする人に対し、民主主義を標榜している日本国としては、反対を表明すべきだと思います。政治政党は権力を獲得するための活動ですが、それは憲法や民主主義ルールの上で自由競争をすることを意味しています。そのルールを破壊しながら権力を維持していく人を、いくら日韓友好関係を作った親しい友人だと言っても認めることはできないでしょう。それは自分の民主主義への理解、品格を見せるものではないでしょうか。NPAの皆さんにも、連帯を呼びかけます。宣伝に協力してください。あすは、「歴史的な日」になると思います。
いつもいたその場にいることが出来ない自分が悔しいですが、今自分がいる立場でできることを頑張ります。思いのまま書きつづりましたが、いつもの「ヨン様」の心情で声をあげさせていただきました。引き続きよろしくお願いします。
新時代アジアピースアカデミー(NPA)
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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