Simone Chun: A Pivotal Moment for U.S. Foreign Policy — Why South Korea’s Democratic Uprising Demands a Rethink (Japanese Translation) 미국 외교정책의 중대한 기로: 왜 한국의 민주항쟁은 외교적 재고를 요구하는가(일본어 번역)
南北関係および米国の対朝鮮半島外交政策を専門とする研究者・活動家であるシモーン・チュン氏が、韓国の大統領選を控えて出している分析の中から、5月12日の投稿を許可を得て日本語訳しました。(翻訳は韓国語版からの日本語訳です)
A Pivotal Moment for U.S. Foreign Policy: Why South Korea’s Democratic Uprising Demands a Rethink
미국 외교정책의 중대한 기로: 왜 한국의 민주항쟁은 외교적 재고를 요구하는가
アメリカ外交政策の重大な岐路:なぜ韓国の民主抗争は外交的再考を求めるのか
歴史的にアメリカは、韓国において軍事クーデターで政権を握った政権を含む権威主義的な政権と同盟を結んできた。伝統的な観点からは、保守政権がアメリカの戦略的利益にかなうと見なされてきたが、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領の執政期はその逆を示した。彼の無謀な国政運営は、韓国の安定を損なうだけでなく、東北アジアの平和や韓国に駐留する2万8500人の米軍の安全までも脅かした。この危機の核心には、ワシントンの安保既得権層に過度に依存し、韓国民衆とは断絶しているアメリカ外交政策の根本的な欠陥がある。今、東アジアの政治地図を再編している極右勢力の台頭も、この文脈の中で理解されるべきである。
韓国の「光の革命」:民主主義の転換点
2024年12月3日から2025年4月4日まで、数百万の韓国市民が「光の革命」と呼ばれる歴史的な民主抗争に参加した。わずか124日間で、1000万人を超える市民が平和的に都市部を行進し、1000回以上の演説を行い、145kmを歩き、220回以上の公演を組織した。124日のうち67日間、市民は憎悪と排除に反対し、非暴力・平等・包摂を訴え続けた。彼らは権威主義的大統領制から民主主義を守るという明確な目標を掲げていた。
その努力は、4月4日に憲法裁判所が国会の尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案を認めることで結実した。尹錫悦の罷免は、韓国民主主義の回復力を示すだけでなく、アメリカ外交政策にとっても重要な分岐点となった。
尹錫悦:バイデン政権が支持した独裁者
尹錫悦大統領は権威主義的傾向をあからさまに示していたにもかかわらず、バイデン政権は彼を東アジアの核心的同盟国として全面的に支持した。このような外交的後押しを受けて、尹錫悦は検察出身の側近たちで政権を固め、司法機関を動員して政治的反対者を弾圧した。彼の政権は、腐敗・司法スキャンダル・権力乱用にまみれていた。
外交政策においても、尹錫悦は不安定さをもたらした。12月3日に戒厳令を宣言しようとしたことは、韓国民主主義の歴史上前例のないことであり、北朝鮮を刺激するドローン偵察や実弾射撃訓練など、挑発的な軍事行動によって緊張を高めた。ワシントンがこの事実を認識していたかは明確でないが、その危険性は明白である。
元軍情報司令官ノ・サンウォンによる流出文書には、さらに衝撃的な内容が含まれていた。尹錫悦はDPRKの仕業に見せかけた自作自演で在韓米軍基地を攻撃し、野党指導者を拉致する計画まで立てていたことが明らかになった。これは、反民主的で不安定な同盟を無条件に支持した際に起こりうる危険を如実に示している。
尹大統領は日本の極右勢力とも密接な関係を築き、歴史的対立を悪化させる外交政策を推進した。彼の外交安保ラインは韓国の核武装の必要性を公然と主張し、これは非核化の原則に反するばかりか、東北アジアの軍拡競争を引き起こしかねない危険な発言であった。
超国家的極右勢力:韓国民主主義への脅威
尹錫悦政権の興亡は、韓国国内だけの問題にとどまらない。その背後には、アメリカ極右ネットワークの組織的支援があった。トランプ前政権の関係者を含むアメリカ極右の人物たちは、韓国の民主抗争を「反米陰謀」と歪曲し、アメリカの介入を要求した。
元米国務省の国際刑事司法担当大使モース・タン(Morse Tan)は、尹錫悦の弾劾を「左翼の陰謀」と決めつけ、アメリカの介入を求めた。彼は憲法的手続きに則った正当な弾劾を、民主主義への脅威として偽装する欺瞞的言説を広めた。
CPAC(保守政治活動協議会)理事でフォックスニュースのコメンテーターでもあるゴードン・チャン(Gordon Chang)は、野党の李在明(イ・ジェミョン)代表を「反米人物」と断じ、韓国が「敵対勢力」に乗っ取られる可能性があると主張した。極右運動の中心人物スティーブ・バノン(Steve Bannon)は、自身の番組「War Room」で尹錫悦弾劾反対デモを支援し、韓国の民主抗争を「中国が背後にいるクーデター」と断定した。
元空軍将校タラ・オー(Tara O)や韓国CPAC の創設者アニー・チャン(Annie Chan)もまた、尹錫悦政権を国際的に支持することに積極的だった。彼らはハドソン研究所など保守系シンクタンクの支援を受け、軍事主義的ナショナリズムを煽り、金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人を擁護し、「朝鮮半島平和法案」(H.R.1841)に反対する活動を展開した。
アメリカ下院インド・太平洋小委員会委員長のヨン・キム議員でさえ、こうした歪曲された極右の言説を繰り返した。彼は尹錫悦の弾劾を「金正恩の勝利であり、韓米同盟の敗北」と規定し、憲政秩序に従って進められた韓国の民主的手続きを不当なものとして歪めた。
アメリカ外交政策の転換点
アメリカは今、重大な選択の前に立っている。安全保障を名目に権威主義的同盟を引き続き支持するのか、それとも民主的価値と韓国民衆の意思に沿った外交政策へと転換するのか。
「光の革命」は、平和的な市民の抵抗の力を示す強力な事例であり、民主主義的な願いを無視した対外政策がいかにして逆風を受けるかを警告するメッセージである。
韓国の国民は、民主主義の真の守護者であることを証明した。彼らは主権と正義を守るために、永続的かつ平和的な市民組織を生み出した。6月3日に予定されている大統領選挙は、韓国が民主主義を完成させるための重要な機会となるだろう。現在、野党の李在明候補が世論調査でリードしている。
アメリカが韓国民衆とその民主的願望を支持すれば、外交上の過ちを正せるだけでなく、韓米の市民同盟も強化できる。韓国の主権と民主的自律性を尊重する原則に基づいた外交政策こそが、東北アジアの平和と安定の基盤となるだろう。
(翻訳以上)
The original text in English and Korean is here.
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シモーヌ・チュン氏 |
シモーヌ・チュン(truthoutの紹介欄から翻訳)
初出:「ピース・フィロソフィー」2025.5.13より許可を得て転載
http://peacephilosophy.blogspot.com/2025/05/simone-chun-pivotal-moment-for-us.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14225: 250515〕