つくろい通信 第34号

著者: : つくろい東京ファンド
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▼今号の目次▼

★1.排外主義の煽動に反対する共同声明に1159団体が賛同
★2.「生活保護基準引下げは違法」 謝罪と違法状態の早期解消を求めています
★3.スタッフ執筆記事&インタビュー

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★1.
排外主義の煽動に反対する共同声明に1159団体が賛同
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今年7月に行われた参議院選挙は、極右政党や保守政党が差別・排外主義を競い合うという異様な選挙戦になりました。
候補者の中には、「外国人が優遇されている」「(生活保護は)外国人ばっかり」等のデマを繰り返し流す者も少なくありませんでした。日本社会に排外主義が急速に拡大した結果、外国人や外国にルーツを持つ人々が日常生活の中でも脅威を感じざるをえない状況が生まれてしまいました。

7月8日、外国人の人権や生活困窮者の支援に取り組む団体が中心となり、「参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明」を発表しました。声明発表の記者会見には、つくろい東京ファンド事務局長の大澤優真も参加し、「外国人優遇」デマの問題について語りました。

声明を発表した記者会見は多くのメディアで報道され、「共同声明」には最終的に1159団体が賛同しました。

【1159団体賛同】参議院選挙にあたり排外主義の煽動に反対するNGO緊急共同声明https://migrants.jp/news/voice/20250708.html

【7月9日】市民社会が警鐘「デマが民主主義を壊す」――参院選と排外主義 | Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)
https://d4p.world/32311

【7月12日】「選挙運動の名のもとに露骨なヘイトスピーチが」参議院選挙 急浮上の争点“外国人政策”に高まる不安の声【報道特集】 | TBS NEWS DIG

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2042279

選挙戦の後半では、多くのメディアがデマを検証するファクトチェックを行いましたが、2012年の「生活保護バッシング」と同様、一度、広まってしまったネガティブなイメージは払拭に時間がかかるため、ターゲットになった人々は長年にわたって、巻き散らかされたデマや偏見に苦しめられることが懸念されます。

私たちは選挙が終わった後も、国籍で線引きをしない生活困窮者の支援を進めながら、「政治家によるデマや差別は許されない」という声をあげていきます。
引き続き、私たちの活動へのご注目をよろしくお願いします。

【物品寄付のお願い】国籍を問わない困窮者支援活動にご協力ください。

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★2.
「生活保護基準引下げは違法」
謝罪と違法状態の早期解消を求めています
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第二次安倍政権下における過去最大の生活保護基準引下げを生活保護法違反とした最高裁判決が出てから1か月半が経過しました。
原告・弁護団は厚生労働省と断続的に交渉をおこなっていますが、未だ政府から謝罪の言葉はなく、被害回復の道筋も立っていません。

報道によると、厚生労働省は減額を取り消した最高裁判決を「手続き的な問題を指摘されただけ」と矮小化しようとしています。厚労省は判決を踏まえた対応を検討するとして、専門家による審議会を設置。8月13日に第1回の審議会が開かれました。
「いのちのとりで裁判全国アクション」と全国弁護団は、8月12日、審議会の強行開催に抗議する声明を発表しました。

「最高裁判決への対応に関する専門委員会」設置強行に抗議し、改めて真摯な謝罪と基本合意書の締結に向けた誠実な協議を求める声明

https://chng.it/MMP9gjz8tL

政府に対し、すみやかな謝罪と被害回復を求めるネット署名は、賛同が2万4千人を超えました。引き続き、拡散にご協力いただけるとありがたいです。

【ネット署名】生活保護基準引下げは違法!厚生労働大臣は最高裁判決を受け入れて謝罪し、一刻も早く違法状態を是正してください

https://www.change.org/inochinotoride

よろしくお願いします。

「いのちのとりで裁判」については、月刊誌「地平」が2025年9月号で特集を組んでくれました。

月刊『地平』9月号(8月5日発売)
特集1 生きる砦を築く――生活保護から生活保障へ

稲葉が寄稿した記事は地平社のウェブサイトにもアップされています。
下記リンク先で全文が読めますので、ぜひご一読ください。

生活保護バッシングを「完全な失敗」として終わらせるために(稲葉剛)

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★3.スタッフ執筆記事&インタビュー
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この間、つくろい東京ファンドの各スタッフが執筆をした記事や取材協力をした報道を紹介します(全文を読むには登録が必要な記事もあります)。

【7月18日】古いiPhoneで「タイミー」使えず「ホームレスになるしか」 支援団体訴え、背景にスマホ&スキマバイトの「インフラ化」 JCASTニュース

https://www.j-cast.com/2025/07/18506091.html

【7月28日】人気取りで「外国人バッシング」あおる政治家 | | 大澤優真 | 毎日新聞「政治プレミア」

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20250725/pol/00m/010/004000c

【7月30日】「伝えていくことが生きているものの使命」 映画『黒川の女たち』から渡されたバトン(小林美穂子)

【8月1日】特集ワイド:最高裁勝訴でも続くネット上の「バッシング」 「生活保護の実態わかってない」 | 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20250801/dde/012/040/018000c

【8月4日】生活保護バッシング 低年金は政治の責任 高齢者の生活保護 | | 大澤優真 | 毎日新聞「政治プレミア」

https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20250801/pol/00m/010/004000c

最後に毎度毎度のお願いで恐縮ですが、私たちの生活困窮者支援活動へのご支援、ご注目をお願い申し上げます。

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https://donation.yahoo.co.jp/detail/5320001

「セーフティネットのほころびを修繕する」私たちの取り組みにご参加いただけるとありがたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【発行元】
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