25/12に米国「国家安全保障戦略(NSS)」が発表されましたが、引き継いで「中国の軍事力」が発表されました。
現在のトランプ政権の対中国・アジア政策を把握する上で、2つとも必読と思います。
編集者注
この文書は、米国戦争省の「中国の軍事および安全保障の発展に関する2025年の年次報告書」(CMPR)であり、アメリカ合衆国議会に毎年提出が義務付けられているものである。
この報告書は、中国の軍事力の発展、戦略的意図、技術革新、および地域における行動を包括的に分析する、毎年の重要な軍事情報である。
問題は、この戦争省の報告書(25/12/23)とトランプ政権の「国家安全保障戦略(NSS)」25/12/5)の一体性は、どのようになっているのかだ。
CMPRは「序文」で、「トランプ大統領の指導のもと、米国と中国の関係は長年にわたり最も強固なものとなっており、国防総省はこの進展を基盤とした取り組みを支援する。その一環として、戦略的安定性、ならびに紛争回避とエスカレーション防止に焦点を当て、中国人民解放軍との間でより広範な軍間対話を開始」と明記しており、NSSがいうトランプ政権の「対中国政策」を踏襲するように見える。
だがしかし、このCMPRは、「同時に、統合軍が常に準備を整え、インド太平洋地域におけるわが国の国益を防衛できる態勢を維持することを保証する」「トランプ大統領は中国との安定した平和、公正な貿易、相互尊重に基づく関係を模索し、戦争省は軍事的優位性からこれらの目標を達成できるよう支援」としているが、「中国は、2027年末までに台湾戦争を戦い勝利できる能力を獲得するすることを想定」と記述し、中国との対抗戦略をも主張する。
そして、「強調すべきは、米国のインド太平洋における国益は基本的であると同時に、範囲が限定され合理的なものである」として、「攻撃がそもそも考えられないほど強大であり、それゆえ平和が望まれ維持される状態を意味する。したがって国防総省は、対立ではなく強さを通じてインド太平洋地域における抑止力の強化を優先する」という。
この「攻撃が強大であり、平和が望まれる」という文脈の意味は重要だ。つまり、中国との本格的戦争(局地戦ー核戦争)は避けるべきだが、通常戦力による対峙は必要だと主張している。
現実に、日米による対中国戦争態勢である、南西シフトによる琉球列島ー第1列島線ーフィリピン(バシー海峡への米軍ミサイル配備)へのミサイル配備は、この2025年には以前にも増して進んでおり、とりわけ、政府・自衛隊による「敵基地攻撃能力」をもつ長射程ミサイル配備態勢は、一挙に進み始めている。
そして、25/9から開始された日米の「レゾリュート・ドラゴン25」は、過去最大の演習として行われ、岩国基地への長距離巡航ミサイル・トマホークを搭載する発射システム「タイフォン」の配備訓練など、中国を狙った各種ミサイル演習が行われている。
結論からいうと、トランプのいう「G2体制」は、単に「中国との融和」ではなく、「新たな冷戦体制」づくりであるということだ。
この過渡期の米中体制については、情勢の進行をみた分析が必要だが、単に、「米国・米軍がアジアから引く」というように認識してはならないと思う。現実に、琉球列島では、対中国戦争態勢=「台湾海峡有事への武力介入」づくりが、自衛隊・米軍の長射程ミサイルの配備をはじめ、着々と進行しているのだ。
https://note.com/makoto03/n/nd9b5e24dccdd?app_launch=false
●参考資料「2025年米国国家安全保障戦略(全文)
https://note.com/makoto03/n/n2b302ece5794
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14626:260116〕











