パレスチナ自治政府揺さぶりへ イスラエルがハマスに大幅譲歩 イランは苦渋の沈黙

 パレスチナ自治政府の国際連合加盟申請をめぐり、パレスチナ自治政府内でのファタハ(主流派)対ハマスのさや当てが強まっている。

 注 ハマスはガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織と紹介される。世俗主義、社会主義的傾向の強いファタハと対立する。

 ファタハ対ハマスのさや当てに、パレスチナ自治政府の国連加盟に否定的なイスラエルが、アッバス議長を揺さぶることを目的にハマス側に大幅な譲歩をした。

 10月12日 イスラエルの中道左派の有力紙であるハアレツ紙が、イスラエルとハマスの捕虜交換に合意したことを報道した。注目されるのは、イスラエル下士官ひとりとハマス受刑者1000人という異例の交換比率である。イスラエルがハマスに大幅に譲歩した合意である。

ハアレツ紙英語版から
http://www.haaretz.com/news/diplomacy-defense/hamas-delegation-arrives-in-egypt-to-finalize-prisoner-swap-with-israel-1.389653

朝日新聞は電子版アサヒ・コムで、下記のように突っ込んだ解説をしている。

イスラエルとハマス、アッバス氏揺さぶりか 異例の合意 アサヒ・コム
http://www.asahi.com/international/update/1012/TKY201110120566.html

 さらに、ハマスを支持するイランが、パレスチナ自治政府の国連加盟に沈黙を守るという複雑な立場をとっている。

中東・エネルギー・フォーラムから 「イランの沈黙」
http://www.energyjl.com/2011_folder/October/11new1012_2.html

 一方で、イランは米国から駐米サウジアラビア大使の殺害計画を非難されている。筆者は事情を知らないが、イランが駐米サウジアラビア大使の暗殺を企てたという非難には、現実的な根拠があまりないと思う。イランの利益にならない企てだからだ。
 しかし、米国がこうした非難をすることにきな臭さを感じる。

 米国、イランが駐米サウジアラビア大使の殺害を計画と非難
http://www.haaretz.com/news/middle-east/u-s-says-iran-backed-plot-to-kill-saudi-envoy-1.389532#article_comments

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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