二手先が読めない侏儒の集団、防衛省

2011年12月4日 連帯・共同ニュース第197号

<9条改憲阻止の会>

■  田中聡前沖縄防衛局長が放った暴言が29日に琉球新報で報道されるや、防衛省は中江公人事務次官を沖縄へ急派し、仲井真沖縄県知事に謝罪をさせた。仲井間氏はこの早急に幕引きをしたい事務次官派遣に不快の気持ちを表現し、僅か6分で席を立った。読谷県民集会の参加に最後まで躊躇をしていた政治家とは思えぬ腹の決めようであった。かなりの成長が伺える。呂蒙に比すべき「士別れて三日なれば、刮目して見るべし」の現代版か。あるいはそれだけずる賢くなったのか。それはおくとして……。事務次官では効を奏しなかったと見るや防衛省は田中聡を更迭し、一川防衛相を送ることを決定した。防衛省は功を焦るあまり、一手先しか読まないヘボ将棋を指してしまった。政治家なら理解できるが高級官僚が二手先を読まなかったのは笑止に過ぎる。

■ 侮蔑と構造的な差別に満ちた発言に県民が沈黙しているはずがない。「県民会議」事務局長の山城博治は急遽抗議集会を計画し、那覇防衛局前に当日午後3時開始の報を打つ。雨のなか、突然の招集にも拘わらず200名が集まり、「田中聡の罷免」と「一川防衛相の更迭」を要求した。防衛相からの「一川大臣の沖縄訪問」に難色を示した仲井間知事も、防衛省の「アセス評価書の件には触れない云々」の条件に不承不承承知した。一川防衛大臣は2日夕刻に那覇へ着き、7時からの会議となった。それに先立ち、山城は高江から長足沖縄へ飛んで平和センターの各組織に県庁前における一川防衛相更迭を訴える集会を指示した。自らは、那覇への道筋でマイクロフォンを持ちながらの演説道中となった。熱い山城の長くて暑い一日であったようだ。

■ 会議は合計6分の間一川の弁解と謝罪が続き、「又、大きな荷物を背負った」と愚痴った。仲井真は田中前沖縄防衛局長の暴言と一川防衛相の不見識に言及し、2分後に自ら席を立った。琉球新報や沖縄タイムスの写真を見ると一川が腰を90度におり社座する姿を仲井真が椅子に座ったままで受けると言う構図である。このときの彼我の立場が鮮明にされた写真である。気になるのは真部前沖縄防衛局長が一川の横で椅子に深々と腰を下ろし、いつもながらの能面みたいな表情が不気味である。この一件、田中罷免、一川更迭以下では収まらないであろう。野田の身分にも言及される事となるかも知れない。筆者は内閣解散が妥当だと思う。 (文責: 冨久亮輔)

■  緊迫の続く沖縄からの報告です。経産省前テントは年末に向かって静かな歩みを進めていますが、来週の12月11日には三度目の経産省包囲行動が予定されています。参加を。(M)