園良太さんへの麹町署「呼出」への緊急抗議声明 ―基地・オスプレイ反対行動への
右翼妨害を利用した警察弾圧を許さない―
2013年4月15日 2.9竪川弾圧救援会 http://solfeb9.wordpress.com/
東京都江東区による竪川河川敷公園の野宿者強制排除に抗議し、不当逮捕・起訴・4ヶ月以上
勾留された「2.9竪川弾圧」。裁判は4月18日に判決日を迎えます。検察の「懲役1年」不当求刑
を絶対に許さず、無罪を勝ち取るべく活動していますが、4月6日、被告・園良太さんの自宅に
麹町警察署から、以下の「呼出状」なるものが届きました。
「園良太様 平成25年1月28日、衆議院第二議員会館前で発生した暴行事件について
事情聴取を行います。下記日時に麹町署までご足労願います。4月11日午前9時
(概ね2~3時間)。麹町署 警備課 担当木村 03-3234-0110(内線4752)」
そして4月15日朝には麹町署が「話を聞きたい」と自宅にまで直接来ました。しかし、
呼出状に書いてある「暴行事件」とは以下にある経緯です。
今年1月27日28日に、沖縄県全市町村長と国会議員、県議会議員約150人も「首相
官邸直訴団」が上京し、「オスプレイ配備撤回!普天間基地の閉鎖・撤去!県内移設断念!
NO OSPREY 東京集会」とデモ、首相官邸と議員会館での直訴行動が行われました。
沖縄は10万人県民集会を何度も開催して基地やオスプレイを<オール沖縄>で拒否し
続けてきました。関東から連帯する「オスプレイの沖縄配備に反対する首都圏ネットワーク」
は集会デモ、議員会館前での連帯集会を呼びかけ、園さんも参加しました。
27日:http://www.labornetjp.org/news/2013/0127shukai
28日:http://www.labornetjp.org/news/2013/0128shasin
しかし「頑張れ日本!全国行動委員会」「チャンネル桜」などの右翼勢力は27日の沖縄上京
団のデモ隊に路上から数百人で「中国から日本を守るためにオスプレイは必要!反日勢力は
日本から出ていけ!」などと罵声を浴びせ続けました。この間、沖縄全体の怒りに対し、無関心
な<本土>側との落差は広がる一方であり、安倍政権になった事で妨害勢力もさらに勢いづ
いたのです。そして28日も路上集会の両脇を両団体の街宣車が陣取って罵声を浴びせ続け
集会を妨害し続けました。さらに「チャンネル桜」の撮影者が集会内を通りながら
挑発を繰り返し、警察に被害届を出して参加者を告訴しようとしてきました。
<strong>そして集会内を一列集団で通ろうとした彼らは、抗議した園さんに一斉に押し寄せ、
園さんは押し倒され、全身や髪の毛を滅茶苦茶に引っ張られました。助ける仲間、間に入る
制服警察で全体がモミクチャになり、園さんは壁際へ路上へと押し倒され続けました。
上着のダウンは左半身をビリビリに引き裂かれてしまいました。
つまり、園さんは暴行の「被害者」です。
(映像:http://www.youtube.com/watch?v=mJtP7Zdy3LQ&feature=youtube_gdata
の開始から11分台。)
これは根も葉もない所か、園さんの方が「暴行」を受けており、判決を前にした警察からの
弾圧・心理的揺さぶりである事は明確です。園さんは裁判が続き判決を控えた「保釈中」
の身であり、それを弾圧できればより大きなダメージを本人・運動・家族や友人に与えら
れます。また無罪でも次の弾圧のプレッシャーを与えられ続けるし、もし有罪ならさらに
新たな罪状を被せて勾留を長引かせる事ができるからです。
このような、差別主義・排外主義者によるでっちあげの被害届けによって、事情聴取、
家宅捜査、逮捕・起訴をしようとする弾圧の動きは、今年に入って2件目になります。
昨年9月の元「慰安婦」被害者の証言を聞く集会で、在特会(在日特権を許さない市民の会)
による集会妨害を韓基大(ハン・キデ)さんらが止めた事に対し、それらの排外主義グループ
がありもしない「被害」届けを出しました。
警察はそれをそのまま受理し、11月に関西の反原発運動2件で不当逮捕・起訴・勾留
されていたハンさんはじめ4名に対し、今年2月、7ヶ所もの家宅捜索を強行しました。
ハンさんには勾留で弾圧しやすい状況を利用して、3件目の起訴を狙っているのです。
(詳細:「韓基大さんを守る会」http://savehan.tumblr.com/)
在特会をはじめとした、排外主義グループやネット右翼が、在日朝鮮人・中国人に対し、
街頭で、ネット上で、差別的暴力的発言をあびせ、暴力を繰り広げていることは周知の
とおりです。しかし、これらの行為に対して警察は黙認しているどころか、でっちあげの
「被害」届を受理し、エスカレートする差別・排外行為に加担しています。
この弾圧を、個人への弾圧だけと捉えるのではなく、沖縄への基地・オスプレイの押し
付けへの反対や、日本軍による侵略戦争と植民地支配・戦時性性暴力の被害者への
謝罪補償の問題にとりくむ市民運動への弾圧として、わたしたちは抗議します。
安倍政権は3月22日に沖縄県へ辺野古新基地建設の埋め立て申請を強行しました。
またサンフランシスコ講和条約発効の4月28日を「主権回復の日」と決めつけ天皇出席
の政府式典を行います。しかし日米安保条約の同時発効により沖縄で米国の軍事占領
が続き米軍基地が激増した日である事を無視した決定に、沖縄現地は激しく抗議して
います。それは日本の侵略戦争の賠償が被害当事者を無視して進められてい事の始
まりでもあったのです。
こうして安倍政権は沖縄に何が何でも基地を押しつけ、改憲と戦前日本の復活を推し
進めます。そのもとに嫌韓・嫌中を煽り、排外主義の強まり、歴史修正が容認されて
いく。そのためには右翼の暴力と警察の弾圧を全面活用していく。こうした問題にも
トータルに目を向けるべきです。
わたしたちは、日本政府による沖縄への基地押しつけという差別的政策、差別者・
排外主義者によるヘイトスピーチ、戦時性性暴力の被害者を貶め歴史修正の容認、
そして竪川弾圧の背景にある野宿者への差別と都市開発を利用した地域からの排除、
このようないくつもの「暴力」を黙認せず、わたしたち社会のひとりひとりが抗議の声を
あげることを呼びかけます。
★現在、救援会では<竪川河川敷公園の強制排除に反対し、東京地裁に「2.9竪川
弾圧」の無罪を求める声明>への賛同を募集しています。お名前(匿名可)、所属・地域、
公表の可/不可を明記の上、メールアドレスsolfeb9@gmail.com にご連絡下さい。
そしてこの新たな呼び出し攻撃への抗議声明にも賛同して頂ける方は、その旨をメッセ
ージとして明記し、上記メールにお送りください。ぜひともよろしくお願い致します。