テント日誌9月12日…雨にたたられずに集会は無事に終った

経産省前テントひろば1098日 商業用原発359日

雨にたたられずに集会は無事に終った

 天気予報は雨。最近の予報はよく当たるし、前々日は結構強い雨が降っていたからヤキモキしていた。当日も午前中は雨だった。集会つぶすに…強雨があればいいなんてことにならないことを祈った。午後からは晴れてよかった。9月11日はテント三周年の集会だった。三年もよく持ってきたね、というのが偽らざる感想だが、この三年間にテントの周辺で多くに人に知りあった。彼(彼女)らと会い、語らうのを何よりも楽しみにしていた。運よくというか、雨はこの時間を避け、集会は無事に終った。当初は参加者もちょっと少ないね、と心配したが、仕事の終る時間帯のころには結構な数になっていてホットした。800人で経産省を包囲することもできた。(三上治)

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集会は多くの発言で彩られた
朝から雨でどうなる事かとテントに向かいました。泊まり開けの人たち、木曜日に何時も来てくださるOさんと心配しながら傘をさして座っていると、一寸小降りになった時ジャーナリストのTさんが来て4時からは土砂降りとの予報だから早めに写真を撮りに来たと言う。困ったなあ!と思っていたらスタッフの集合時間には陽がさしてきてほっとした。皆の日頃の行いが良かったのかな(?)。

4時からの抗議行動、5時からの記者会見に受付の机を出して備える。記者会見には朝日、東京、毎日、共同通信他の方達が来て下さり力強い思いです。
弁護団長の河合弁護士、大口弁護士、たんぽぽ舎の山崎隆さん、福島から武藤類子さん、黒田節子さん、落合恵子さん、鎌田慧さんなどが来て下さり、それぞれの思いを語った。テントからは渕上、正清さんが参加した。河合弁護士がテントの存在の意義を話し、大口弁護士は裁判の経過などを話した。落合さんは2人のお子さんを持つ小渕優子大臣へのメッセージ、そして私たちは諦めません、ずっと闘っていきますとの決意を述べられたのが頼もしかった。
9月23日に予定されていた代々木での反原発集会がデング熱のため亀戸公園に変更された事も告知した。

7時からの経産省前抗議集会では制服向上委員会のメンバーも歌ってくれて盛り上がった。7時30分からの経産省包囲のヒューマンチエーン約800名で完成しました。また、福島の方達のご協力でかなりのカンパも集まり本当に助かりました。三歳の誕生日だから美味しいケ―キをと思ったが、代わりに美しいプリンを差し入れてくれた人もいました。
詳しくは以下のサイトでご覧下さい。
三輪さん何時もありがとうございます。(I・K)

http://www.youtube.com/watch?v=axyjsMvO1Ew&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQ

http://www.youtube.com/watch?v=AwBKQq8vaM8&list=UUhjEbWVGnGHhghoHLfaQOtA

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三年目は時間的経過点であり、やはりこれからが勝負時だ

 脱原発―反原発の闘いは長い時間のなかでの持久的な闘いとしてある。その意味では時間のことで僕らに焦りはない。政府は再稼動を政治的プログラムに乗せてきたが、やはり、それには首をかしげざるをえない。福島第一原発事故から三年経つのに、事故は収束せず、汚染水の垂れ流しは続き、その処置は深刻化を増すばかりである。こうした状況の中で再稼動を進める神経は誰が見てもおかしなことなのだ。外国の科学者たちが日本政府に対する厳しい批判を展開しているのを見かけたが、日本政府は裸の王様である。裸の王様の演じる行為は危かしい。これが世界の目であり、世界的な常識である。

 これと違うと言いたいのなら、彼らは最低限二つのことをやらねばならないはずだ。一つは原発再稼動の社会的な理由を示すことである。これは普遍的な理由あるいは根拠といってもいい。もう一つは国民的合意を得ることだ。国民の意志を獲得することだ。彼らはこの最低限の事もやり得ていない。ある本を読んでいたら、政府は官僚も含めて国民の公僕という言葉が入ってきたのは戦後だとあって驚いた。僕はてっきり戦前からあるものと思っていた。戦前は「お上」とか、「官尊民卑」とか言葉がふさわしい状況だったと想像するが、公僕という言葉もあったのだと思っていたのだった。安倍の「戦後体制からの脱却」には自分たちを公僕と規定する考えから脱却も含まれているのか。自分たちが事を進めるにあたって何をやることが課されているかも考えられないのか、あるいはそれは無視せんとするのか、そこには公僕という自覚はないのだろう。

 何故、原発を再稼動し、保持せねばならないのか、彼らは国民に示し得ないし、語ることはできてない。原発を保持して行く理由をたかが燃料費の高騰とか、電力会社の経営ということでしか語れてはいない。こんなものは理由にならない。科学技術の維持のため、また、原発はどうしても避けられない不可欠のエネルギ―である、こうしたレベルの出張すらできない。これについて言えば、あの福井地裁の判決に対抗しえるものは何一つ提起出来ていないのである。判決文に対抗できるだけの主張をやれていない。国民の意志という点で言えば、国民の6割が再稼動に反対である。彼らはこの声をなるべく避けて裏工作での準備をしているのだ。彼らは結局のところ強権で持って事を処理してしまい、国民の異議があれば、強権で封じることを構想していると思える。これは国家目的やルールがどのようにあろうと、最終的にはそれらは権力者の判断に従属するものとして扱われるという日本の非民主的な強権政治の展開を考えているのだ。戦後の政治家の中でその地金をあらわしたのは安倍の祖父の岸信介だが、安倍は誰よりもその血を受け継いでいるように思う。

 三周年と言ったところで僕らにとっては時間的な経過点にすぎず、昨日の変わらぬように闘いは続く。そしてテントも存続する。夜のテントは寒くて、毛布を外していた風邪を引きそうになったが、さすがに日中はいい季節である。短い期間しかないのかもしれないが、秋らしい日がいく日かは続くのだろうと思う。この三年間、僕らは原発の存在について自問を重ねてきた。何故、原発は撤退すべきなのか、存続を構想する連中は何を考えているのか。この問いは現在も続けられているのであり、ずぅーと続けられて行くものだろう。科学技術のこと、その社会化のこと、高度成長社会とその後の事等であるが、僕にひっかかっているのは死の直前の吉本隆明の言葉だった。原発(核の生成と解放)は科学技術の達成であってそこからの撤退は人類の退歩だというものだ。彼には科学に対する信頼があるのだが、僕はシモーヌ・ウェーユの科学や科学主義批判の方が納得できる。科学技術をめぐる考えの違いがどうしてもあるが、それは現代の思想の問題であり、僕は彼とそこは違うことを確認してきた。ただ、彼がこだわったことには、原発撤去と科学主義批判に戦中体験が色濃くあったことを想像できることだ。彼の中には戦前の日本思想への回帰と近代主義批判とこれが重なるところがあったのだと思う。僕が科学や科学主義に懐疑を持ち、自然の評価を高める時、戦前の思想的動向とは違うものだと思っている。そこはつながらないし、歴史的文脈として違う場所から出てきてと考えている。ここのところで、僕は日本の戦争期のことを考えているが、まだ、十二分に納得の行くところまではいたってはいない。吉本が現代の超克と言っていたように、僕も現代の超克を考えている。彼が現代の超克を考えていた時には戦中に提起された「近代の超克」の批判的克服が含まれていて、「科学主義と自然の評価」への懐疑があった。それは近代西欧批判を展開した「近代の超克」との違いを意識してのことだったと思う。僕が現代の超克という時には原発問題は課題としてある。最大のものだと言っていい。この立場は戦前の近代の超克というところに戻ってはいないし、「科学主義批判と自然の評価」は戦前―戦中で展開されたものとは違う。この問いは原発なき後の社会を構想しイメージすることに連なるが、今後も続けられるものとしてある。ただ、僕らはここのところの問いかけを深めて行くことが大事だし、脱原発の運動がビジョンを豊かにして行けることと思う。その意味でこの自問は続けられていることである。

 この集会に参加したかったが、緒事情で来られないという方から差し入れ等を頂いた。横浜のMさん古酒ありがとうございました。集会後に皆さんと一緒にいただきました。(三上治)

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テントからのお知らせ

◆9月23日(火・祝)さよなら原発全国大集会&大行進 亀戸公園ステージ周辺 12時30分大集会・トークライブ 14時:30分大行進[デモ]

◆9月28日(日)『ストップ川内原発再稼動!9・28全国集会』天文館公園 集会:13時~14時30分 デモ:14時30分~16時30分 「9月27日(土)14時鹿児島空港1階ロビー集合 9月28日現地行動」の企画あり。(連絡先テント070-6473-1947)

◆9月30日(火)福島事故の責任を問う 9・30院内集会東京地検包囲 12時~13時30分:院内集会(参院会館講堂) 14時~14時40分:東京地検包囲行動 主催:福島原発告訴団

◆10月1日(水) 第13回東電本店合同抗議 19時~20時 東電前

10月14日(火)10時30分 テント裁判第8回口頭弁論 東京地裁大法廷(103号) 午前9時30分地裁前抗議集会 午後1時裁判報告集会

経産省前テントひろば
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