2017年新年のご挨拶(読者、投稿者、会員の皆様へ)

謹んで新年のご挨拶を申し上げます

読者の皆様、また投稿者の皆様、会員の皆様、旧年中は大変お世話になりました。心から御礼申し上げます。

<世界を覆う幾多の困難に、ともに立ち向かう同盟、明日をひらく「希望の同盟」だ>

トランプ、プーチンとさしで会談した安倍晋三が、12月28日ハワイ真珠湾のアリゾナ記念館をオバマとともに訪れた後の演説で、日米同盟について上記のように表現しています。この「希望の同盟」が沖縄のひとびとに何をもたらしているのでしょうか。

各県から大勢の機動隊を動員して、高江地区にヘリパットを暴力的に建設。取材する記者を排除・拘束したり、反対運動のリーダーを不当逮捕し、長期拘留している。さらに12月27日には最高裁で全く審議しないままに、辺野古工事の再開を強行し、オバマへの手土産としています。沖縄では三権分立は絵に描いた餅です。「琉球新報」は「政府と最高裁が結託して新基地建設を推し進めているような態度は、まさしく法治国家の瓦解を自ら表明するものだ」と強く抗議しています。

これが「希望の同盟」の実態です。「戦争の惨禍は、二度と繰り返してはならない。私たちはそう誓いました。そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを貫いてまいりました。」この安倍の演説ほど欺瞞にみちた言説を聞いたことがありません。

昨年、刑事訴訟法の改訂というかたちで、国家による盗聴対象の拡大が可能になりました。そして現在テロ防止法案という名称で共謀罪法案の成立がまた画策されています。特定秘密保護法、盗聴法と三位一体となって、言論、表現、思想を管理・統制する戦前の治安維持法の制定を安倍政権はもくろんでいます。

ヤルタ・ポツダム体制といわれた戦後世界体制が解体し、新自由主義を標榜する世界体制が形成され四半世紀続きました。そして貧困と格差社会が一層ひどくなり、国家財政は破綻状態、金融商品世界の膨張と危機、世界各地における民族・宗教戦争の勃発、新自由主義は再び世界的動乱の時代を生み出しています。

このような状況のなかで、ちきゅう座は創立から12年目に入ります。日本の大手メディアが軒並みに体制側にすり寄る中、世界はどのように変わるのか、そして私たちは世界をどのように変えたいのか。そうした課題を自由に表現できる対抗メディアとして、さまざまな独立メデアと協同してそのネットワークを拡大したいと考えています。そのために本年年頭に当たり、まず共謀罪法案阻止を強くアピールしたいと思います。