5月19日(金)(場所:協同センター・東京 変革のアソシエ東京事務所)から、「変革のアソシエ」にて、2年計画で『資本論』を読みとおす講座を開催します。
第1回は、「序文と『資本論』の方法」というタイトルで、第一部序文をテーマにお話ししたいと思います。
■『資本論』を読む
吉村信之
(全10回・第3金曜日、19時~21時)[5月19日開講]
マルクスの『資本論』は、巨大な古典です。19世紀の1867年にその第一部初版が刊行されて以来、この書物に盛られた内容は、幾千万の人々に大きな影響を与えてきました。ロシア革命をはじめとする20世紀前半以降のさまざまな社会主義革命の動き、あるいはこれに側圧を受けながら形成されてきたケインズ型福祉国家に見られる資本主義経済の変容は、それらへの反動として11980年代以降世界経済を覆ってきた新自由主義の傾向をも含めて、すべて『資本論』の出現から生み出されたといっても過言ではありません。たった一つの書物が、多くの人々を励ましあるいは恐れさせることを通じて、文字通りその後の世界史を創り上げてきたという例は、聖書やコーランといった宗教的・集団的著作を除けば、『資本論』を除いてほかに存在しないといっていいいでしょう。
この講座では、この『資本論』から、今日の資本主義経済を分析する際の基礎となる原理原則的な経済のメカニズムを学んでいきたいと思います。これまで講座を担当されてきた伊藤誠氏・小幡道昭氏にくらべて、今回の講師はズッと年下となりますが、その分だけ初学者の方にも分かりやすく質問しやすい講座にしていくつもりです。今年度の計画として、まずは、昨年度までの内容(『資本論』第1部第4篇「相対的剰余価値の生産」の第13章「機械と大工業」まで)のおさらいから始め、その後第1部から第2部・第3部の内容へと本格的に入っていくことを予定しています。今年度から、または途中からの参加も歓迎します。一緒に考えることを通じて、資本主義とは何か、現代社会はどのような構造となっているのかという疑問に、自分なりの解答が得られることを目指します。
【テキスト】カール・マルクス『資本論』岡崎次郎訳、国民文庫版、第1~8分冊。
その他邦訳は、新日本出版社(新書)・岩波文庫などにもあります。どれでも構いません。
【参考文献】伊藤誠『「資本論」を読む』(講談社学術文庫、2006年)
小幡道昭氏のWeb サイト:http://gken.sakura.ne.jp/gken/『資本論』第1巻を読む/
その他、講座のときにご紹介します。
(2017年)
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◎講師◎
吉村信之(よしむらのぶゆき)
(信州大学准教授)
専攻:理論経済学
共著・論文:守健二編『恐慌論の論点と分析』(論文「信用論・信用恐慌論の研究潮流」収録、創風社、2014年)、「転形問題における単一体系解釈」(『信州大学経済学論集』第62巻、2011年)、「貨幣取扱業務の再検討―信用と恐慌をめぐって」(『季刊経済理論』第41巻第4号、2005年)、SGCIME篇『金融システムの変容と危機』(論文「世界貨幣と国際通貨――『ドル本位制』の歴史的位相」収録、御茶の水書、2004)、小幡道昭編『貨幣・信用論の新展開』、論文「為替と恐慌」収録、社会評論社、1999年)
場所 協同センター・東京 [変革のアソシエ東京事務所]
〒164-0001 東京都中野区中野2-23-1 ニューグリ-ンビル301号
TEL:03-5342-1395 FAX:03-6382-6538