本シリーズタイトルのきっかけコリン・コバヤシ著「国際原子力ロビーの犯罪~チェルノブイリから福島へ」(以文社、2013年7月)を紹介する。1970年に渡仏しパリ首都圏に在住するコリン・コバヤシさんが原子力ムラの「核」フランスから世界の原子力マフィアたちの実態に迫った大切な書である。
あなたはチェルノブイリ事故の死者50人(IAEA)と98万人(ヤブロコフ他やニューヨークアカデミー)のどちらを信用しますか?
そう、国際原子力ロビーは死者50人と主張したのです。
同書は、「第1章国際原子力ロビーとはなにか」、「第2章エートス・プロジェクトの実相から」、「第3章内部被曝問題をめぐるいくつかの証言から」と6つの資料で構成されている。
ここでは第1章から引用紹介する。
○IAEAとWHOの合意書(1959年)
1959年5月28日にIAEAとWHOとの間で締結された合意書WHO12-40は、核に関する双方の合意のない研究や調査を禁止している。IAEAは国連安全保障理事会直属、WHOは経済社会委員会に属する専門機関で、WHOはIAEAより強い立場を取ることができない。
○「国際原子力ロビー」は、相互に人事異動を行ない、あるいは二重に職務を担当し、疑似科学を使って、事実を改竄し、何百万という市民をモルモットのように扱い、犠牲者を結果的に棄民している。
○IAEA-WHO-ICRP-UNSCEARによる支配体制
○IAEAは、2005年9月にWHOなど国連関係8団体でチェルノブイリ・フォーラムを組織し600ページにおよぶ報告書を出している。犠牲者は、たった50人の事故処理作業員、9人の甲状腺がんで亡くなった子ども、甲状腺がんを発病した子どもたち4000人を数えるだけ。…事故後30年間のガンによる推定死亡者数は9000人とWHOは2006年に発表した。WHO職員は、5000人の犠牲者を、政治的判断でわざと外したと告白している。
○ニューヨークアカデミーが採用したヤブロコフやネステレンコ他共著の「チェルノブイリ:大惨事の人と環境に与える影響」報告では、ほぼ98万5千人の犠牲者数を算出。
○原発推進側の人間がわざわざ日本にやって来て、それについての一切の責任を自らに問うこともなく、福島で「エートス・プロジェクト」を展開し、長期に渡り住民に、それがまるで自己責任であるかのごとく、防護対策を教育する。
「エートス・プロジェクト」による福島の被曝隠しに騙されてはいけない。
「国際原子力ロビー」略称一覧、日本の原子力ロビー、個人名にも注目。
以上
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