Global Head Lines:犯罪者としての枢機卿 ヘングスバハの虐待に対する訴え

著者: 荒井敏生 あらいとしお : 研究者(哲学・文学)
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taz(tageszeitung)によると19日(火)エッセン州司教フランツ・ヨゼフ・オバベックは、ルール司教区創設者、ドイツで最初の枢機卿故フランツ・ヘングスバハ(1922-1991)が1950年代から70年代ににかけて兄のパウルとともに多くの未成年に対し虐待を行ったと訴えた。

 

「今までなされた告発を目にして、さらに多くいるであろう該当者が自ら告発することが重要である。 あなた自身がヘングスバハ枢機卿による性的虐待に苦しんでいるならばエッセン州司教区告発委託担当者まで連絡してほしい。」と訴えた。

 

フランツ・ヘングスバハ1922年に生まれ、アビトゥーア取得後パーダーボルンの大司教区神学校に入学し哲学と神学を学んだ。フライブルク大学を経て1944年ミュンスター大学で博士号を取得した。1946年パーターボルンの司祭1953年補助司教を経て、1957年新しく設立されたエッセン司教区の司教に任命された。多くの鉱山閉鎖の際にはエッセン・ルールの鉱山労働者の側に立ち活動し、調停・和解へと導いた。1988年ドイツ教会と世界の教会のためのヘングスバハの功績により教皇ヨハネ・パウロⅡ世は彼を枢機卿に引き立てた。1991年までヘニングスバハは33年間教区を率いた。この間の功績によりエッセン、グラートベック、ボトロップには彼の名を冠した通りや広場がある。

 

今回オバベック司教が公開したように、すでに2011年ヘングスバハの枢機卿に対して告発が行われている。しかしバチカンまで送られたこの告発は2014年退けられた。昨年秋新たな告発がなされ、それが今回の公示となった。

 

「最近やっと知った新たな告発を目にして、調査委員と再協議検討した結果、フランツ・ヘングスバハに対する告発を公開することを決心した。現在活用しうる地検を徹底的に考慮したこの決定は、多くのひとによって解決をもたらすものであることを確信している。この措置に加え、カトリック教会のにおける性的虐待の解明により尽力することを約束する。」とオバベックは述べた。

 

ヘングスバハの性的虐待に対する告発は、20日テレビニュースTagesschau,,Heuteも伝えた。

den 22 September 2023

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13253:230922〕