5月9日 DIE ZEITのONLINE版より
ルペンは選挙に敗れた、しかしポピュリストは打ち砕かれてはいない。マクロン自身もポピュリストである。彼に期待することはかなり危険だ。「これでよくなるだろう」という楽観主義がまん延しているが、情況は全く以前と変わっていない。マクロンは旧い伝統的党派の残骸の上に乗っかって選挙戦を戦っている。そして、マクロンの「前進」運動から何が生み出されるかを皆はじっと注視している。いろんな助言はあるにせよ、当分彼は小サークルの中のトップにすぎない(お山の大将)。マクロンは、ナポレオン・ボナパルト以来最も若いフランスの国家元首になったということは確かだ。またボナパルティズムがポピュリズムのフランス的な変種であるということに何ら誤解の余地はない。
紹介者注:さすがにドイツの報道(DIE ZEITのONLINE版からの要約)というべきか、マクロンの大統領当選のすぐ後にこれだけの辛辣な「警鐘」を鳴らしている。日本のメディア(特にNHKなど)は見習ってほしいものだと思う。前にも書いたが、マクロン当選によっても事態は少しも変わっていないのである。今後のマクロン政権への世論の失望の方がよほど怖い。マクロンが、またメルケルの率いるドイツやEUが、自己の根本的な変革(改造)をやれるかどうか。すべてはここにかかっている。日本は言うまでもない。
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