<HOWS講座>へのお誘い
1月30日㈯ 13時~16時30分
中国の社会主義を考える
解説=村田忠禧(横浜国立大学名誉教授
『天雲山物語』日本語版字幕作成)
映画『天雲山物語』(1980 年・謝晋監督・125分) を観て考える
会 場:本郷文化フォーラムホール
●お問合せはHOWS事務局まで ☎03-5804-1656
FAX.03-5804-1609
E-mail : hows@dream.ocn.ne.jp
参加費:1500円(学生1000円)
昨年9月、戦争法を強行採決した安倍政権が、今後も中国・朝鮮「脅威論」を梃子に排外的なナショナリズムを喧伝し、解釈改憲から明文改憲へとその志向を鮮明にしてゆくのは周知の事実であります。
今回は政治的・経済的に台頭著しい中国にいかに向き合うかその根幹にある革命後の中国の社会主義を考える素材のひとつとして中国現代史の専門家でもある村田忠禧氏に上映するに相応しい中国映画の紹介と解説をお願いしました。
今回上映する映画が対象とする時期は、「改革・開放前」の歴史的段階に当たりますが、村田氏からは以下の紹介文を寄せて頂いています。みなさまのご参加をよろしくお願いいたします。
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『天雲山物語』中国語原題:『天雲山伝奇』
(上海映画製作所1980年作品・監督:謝晋)
中国映画界の巨匠・謝晋の反思三部作(天雲山物語80年、牧馬人82年、芙蓉鎮87年)のトップを飾る「天雲山物語」は恋愛映画の形をとった中国現代史の総括という鋭い内容を示している。
1956年2月のソ連共産党大会でのフルシチョフの秘密報告(スターリン批判)の衝撃波は中国にも押し寄
せた。映画は56年から78年までの二十年余りの歳月に中国の知識人がたどった苦難の道程を四人の男女
(羅群、宋薇、馮晴嵐、呉遥)の生き様を通して見事に描いている。56年の反右派、59年の大躍進、66年から76年まで続く文化大革命という荒波は毛沢東の死と「四人組」の逮捕によって幕を閉じた。しかしかつて右派、反革命分子とのレッテルを貼られた人々の名誉回復は遅々として進まない。「文革」については「四人組」のせいにすれば済んだが、それ以前の党の過ちについてはどう理解すべきか、この映画が制作された1980年時点では結論は出ていなかった。
「天雲山物語」は建国以来の歴史決議(81年6月)以前に、中国共産党の犯した過ちを鋭く具現化している。ポーランドの巨匠・ワイダの作品「大理石の男」(1977年)と比較してみると、東欧と中国の共通点と相違点がよく見えてくる。(村田忠禧)
【解説者紹介】
村田忠禧(むらた・ただよし)1946年神奈川県生まれ。東京大学文学部中国文学科卒、同大学院博士課程中国哲学専攻単位取得満期退学。東京大学教養学部助手、横浜国立大学助教授、教授を経て、現在は横浜国立大学名誉教授。神奈川県日中友好協会副会長
専門:中国現代史、現代中国論、
日中関係論