フクシマ現場における放射能汚染水漏洩問題と、それに伴って放射線量が激烈に上昇したことに関して、IPPNWドイツ支部のアレックス・ローゼン博士が論評をIPPNWドイツ支部サイトに寄稿されていらっしゃいますので、それを和訳したものをご紹介させて戴きます。
アレックス・ローゼン博士は深い憂慮をもって、いかにフクシマにおける放射能汚染水問題と、それに伴う高レベルの放射線量が非常に深刻な問題を提起しているかを私たちに伝えています。そして、東電にも日本当局にも、フクシマ原子力大災害に対応する能力がないことが歴然としているのであるから、残された唯一のオプションは、海外の専門家たちに助言を求めていくことである、と結論しています。まさに単刀直入な明快な結論だと思います。
原文へのリンクです。
IPPNWドイツ支部: フクシマ大災害インフォメーション
これまでのフクシマ原発現場における放射線測定は不適切
筆者: アレックス・ローゼン(Alex Rosen)医学博士
( 日本語訳:グローガー理恵)
[2013年9月11日] 毎日、東電は損壊されたフクシマ原子炉炉心( 複数)を冷却するために、何百トンもの水を原発廃墟に注入している。そこで、多量の放射能汚染された廃水が蓄積されていく。目下のところ、これらの放射能汚染水は原子力発電所の近くにある収容コンテナ(複数- 貯水タンク)に貯蔵されている。これは現在の時点で、300,000トン以上の放射性液体に関わる問題である。-(汚染水蓄積量が上昇する)趨勢は増していく。
何年間もしくは何十年間の間、放射性廃棄物がタンクに貯蔵されなければならないのか全く明らかではない。しかも、いくつかの配管やタンクのシール/ガスケット自体が、きちんと密封されていなく漏洩があることが判明し、そのため、何ヶ月間も前から、放射能汚染水が地下に浸み込んで地下水へと浸入していっている。この事が、環境や人間の健康にとって、どれぐらい危険なのか、それは重大にも、放射能汚染の度合い/レベルに係っていくことになる。これまでのところ東電は絶えず、漏洩個所付近の放射線量は【100ミリシーベルト/時】だけであると主張してきた。ーこれは、結局のところ、通常の年間放射線被爆量の50倍である。
そして、いまやこの東電の断言したことが虚言であることが判明したのである。先週、ジャーナリストたちが、東電が今まで、最高の放射線量100ミリシーベルトまでしか表示することができない放射線測定器を使っていたことを発見したためである。そこで、新しい測定器が使われることになり、それによって、実際の放射線量の値が(100mSv/hの)20倍以上の放射線量であることが明かになった。; 測定値【2,200mSv】である。
単回被爆量【1,000mSv】以上を浴びた大人には急性放射線病の症状が起こり、【5,000mSv】の放射線被爆量を受けた被爆者のおよそ50%が多量出血および骨髄機能不全のために死亡する。単回被爆量【 10,000mSv】を受けた人間が生き延びることはない。この事は、貯水タンクの漏れ口付近に何時間にも亘り居ることだけで既に、死に至るかもしれない可能性があるということを意味している。
これらの新たな情報は、放射能汚染水の漏出によって地帯における環境や人々の健康に及ぼされる結果に関して、深刻な問題(複数)を提起している。
今こそ、海外からの専門家たちの助言が求められるべきである。何故なら、東京電力や日本当局にとって、フクシマの原子力大災害は荷が重すぎることが歴然としているからである。
以上
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ソース:
http://in.reuters.com/article/2013/09/01/japan-fukushima-idINDEE98002O20130901
http://www.theguardian.com/environment/2013/sep/04/fukushima-radiation-deadly-new-high
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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