岩田昌征の執筆一覧

『六四と一九八九』(石井知章・及川淳子編著)を論ず―天安門流血語るべし忘るべからず―

著者: 岩田昌征

石井知章・及川淳子編著『六四と一九八九 習近平帝国とどう向き合うのか』(2020年、白水社)を一読した。令和元年・2019年6月1日に明治大学現代中国研究所が主催した国際シンポジウム「六四・天安門事件を考える」の報告集成

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本郷文化フォーラムワーカーズスクール講座 党社会主義体制崩壊の意味 ── ポーランド・ユーゴスラヴィアの具体例に即して

著者: 逢坂秀人

HOWS講座のご案内 党社会主義体制崩壊の意味 ── ポーランド・ユーゴスラヴィアの具体例に即して 講師 岩田昌征(北海道大学教授/千葉大学教授・名誉教授/東京国際大学教授) 日時:2月19日(水)開始18:45 終了2

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真実を含む自主管理社会主義郷愁――「絵に描いた餅」だったら誰もノスタルジーをいだかない――

著者: 岩田昌征

 去年のことだった。社会主義理論学会の研究会であるマルクス(主義)哲学者から「ユーゴスラヴィアの自主管理社会主義、労働者自主管理は、絵に描いた餅にすぎなかった。」と断定された。  30年前、ソ連型社会主義と同時に、それと

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霜月15日、ポーランド国の首都ワルシャワの映画館にて米中協力米国映画「ミッドウェイ」を観る。

著者: 岩田昌征

 真珠湾大奇襲。ドゥリットル東京空襲、中国大陸に不時着した米航空兵は、日本軍双発陸上攻撃機が軍事目標不在の中国人村落民を機銃掃射するのを目撃する。ミッドウェイ海戦にて日本航空母艦を沈めた米軍飛行士が数人海上に漂流し、日本

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令和即位礼に思ふ――『古事記』「中つ巻神武天皇」にあり――

著者: 岩田昌征

 ――伊須気余理比売の許(もと)に幸行(い)でまして、一宿御寝(ひとよみね)しましき。後にその伊須気余理比売、宮の内に参入(まゐ)りし時、天皇歌よみしたまひけらく、   葦原の しけしけ小屋(をや)に 菅畳(すがたたみ)

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中国憲政自由主義者は自由を如何に使うのだろうか――張博樹『新全体主義の思想史』と劉暁波『08憲章』の盲点――

著者: 岩田昌征

外国大使館の旧所有者への返還・再私有化 ある研究会で何十年もチェコ史を研究している人の話を聞いた。体制転換後、国有化された私有財産の旧所有者への返還が断行された際の一つのエピソードである。プラハの日本大使公邸が元所有者に

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ポーランド「連帯」政治の語られざる実相――労働者階級の人権は守られたか――

著者: 岩田昌征

日本における「連帯」論  まことに興味深い資料をポーランド文化研究家から戴いた。2010年11月20日東京のポーランド大使館で開催された「フォーラム・ポーランド2010年度会議『連帯』運動とその遺産」で配布された報告要旨

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北京天安門8964とワルシャワ8964――明治大学における亡命中国知識人と矢吹晋の議論を論ず――

著者: 岩田昌征

天安門事件30周年  令和元年・2019年6月4日は、北京天安門事件30周年である。  その悲劇の歴史的意味を考える研究会が、駿河台の明治大学で二つ催された。明治大学現代中国研究所主催の「六四・天安門事件を考える」がその

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ゾルゲ事件尾崎秀実逮捕即日自供の歴史的含蓄――10月14日は12月8日に直通するか――

著者: 岩田昌征

 忘れないうちに書いておこう。昨日、令和元年・2019年6月8日(土)、神田の専修大学で開かれた現代史研究会「ゾルゲ事件・太田耐造関係文書」における私=岩田のコメンテーター孫崎享氏に対する質問のことである。  孫崎氏は、

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ワルシャワ検察労組・裁判所労組のテント小町について一言し、次いで故正清太一氏をしのぶ

著者: 岩田昌征

ちきゅう座の「交流の広場」、5月30日付「経産省テントひろば1807日後」に5月27日(月)の話題として「ポーランドでは司法省職員がテントを張って闘争中の報告」が「毎月第一月曜日に来られる東欧研究の元教授さん」の話として

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「一方的爆撃・破壊」と「岩盤規制に穴をあける」について

著者: 岩田昌征

 令和元年・2019年5月25日(土)に「ちきゅう座」の総会が開かれた。私=岩田も会員の一人として出席して、「ちきゅう座」電網交通を無報酬運営して下さっている一団の人々に感謝の念を表して来た。そこで、若干の所感を述べてみ

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NATOのセルビア侵略20周年(3月24日)――市民主義の功罪を思う――

著者: 岩田昌征

 去年の11月、ある地方都市でセルビア左翼党 Levica srbije のリーダーが覆面の暴漢数人に殴打され、傷を負った。彼のシャツが血に染まった。数日後の11月末に彼を支持する町の民衆が「血染めのシャツ、止めろ」と言

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三月廿三日 合澤現代史研「トロツキー・ヘゲモニー論」の幕間に淵上太郎氏の逝くを聞きて詠める腰折れ六首

著者: 岩田昌征

  ななとせを禍(まが)ウラン火にあらがひし     凄(すさ)淵上の建(たける)逝くてふ   あらくまし禍津火の神くだけよと     をたけびたけるおきな去るてふ   ウラン火のをろちをろちに相向かふ     今須佐之

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平成30年(2018年)も自殺者減少が続く――アベノミックスの功か否か――

著者: 岩田昌征

 私のトリアーデ体系論は、近現代史が実証した作動可能な経済システムに三類型あると主張する。自由→私有→市場→の系列であるMシステム、平等→国有→計画→の系列であるPシステム、友愛→社会有→協議→の系列であるCシステム。そ

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「正統派」的マルクス社会主義論者の誠実な自己検討――荒木武司著『マルクス社会主義論の批判的研究』を読む――

著者: 岩田昌征

荒木武司著(大阪教育大学名誉教授)『マルクス社会主義論の批判的研究』(文理閣、平成30年・2018年)を読んだ。 本書は二部から構成される。第一部「マルクス社会主義論の批判的再考」。第二部 補論。補論Ⅰ「中国社会主義につ

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工場労働者大統領ワレサの初仕事――総評事務局長のネクタイを切り落としてみせたのは誰か――

著者: 岩田昌征

今は昔。前世紀の1980年、当時の共産党(=統一労働者党)体制のポーランド重化学工業労働者階級が公然と共産党独裁体制に反旗を翻して、工場占拠の大ストライキを打った。ポーランド統一労働者党は、妥協の道を選択し、ここにソ連東

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セルビアにおける「リベラリズム」=大使館政治――アメリカ大使の自省的述懐――

著者: 岩田昌征

 最後の駐ユーゴスラヴィア大使W.モンゴメリー著『民主的移行闘争』(2010年、ベオグラード)は、紹介に値する注目すべき内容を有する。去年の10月末日にベオグラードの書店見本市でその英語版を入手出来たので、セルビア語版と

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ベオグラードで『どん底』を観る――社会主義化と資本主義化への幻滅――

著者: 岩田昌征

 去年の11月29日(水)に東京でゴーリキーの『どん底』を観た。今年の10月29日(月)、丁度一年に一ヶ月足りない日に、ベオグラードの国民劇場で『どん底』を観るチャンスがあった。かなり立派なパンフレットに旧ソ連東欧諸国に

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