柴垣和夫(東大名誉教授)氏の現代資本主義論を現代史研(合澤清氏主宰)第292回研究集会ではじめて拝聴した。 私にとって着目に値する二論点がある。第一は、日本的経営・生産システム(会社主義)に関する氏の評価である。第二は、
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
「アベノミクス」経済学者の平和歌曲集
著者: 岩田昌征1月7日(木)夕刻、銀座山野楽器本店で伊藤誠(東大名誉教授)氏にばったり出会った。氏は端唄を趣味とすると聞いていたので、おもわず「端唄のCDでもさがしに?」と話しかけて、「23日 五味先生の研究会、先生の報告を楽しみにし
本文を読むポーランド『連帯』と「連帯なきポーランド資本主義」
著者: 岩田昌征2冊のポーランド語の書物を入手した。 第1冊は、『同志から資本家へ』(ヤン・チェンスキ著、2014年、ワルシャワ)で、「如何にして企業家達はポーランドをヨーロッパの最もダイナミックな経済に変えて行ったか」なる副題が付いて
本文を読むポルトガル外交官のボスニア・ヘルツェゴヴィナ多民族戦争回避努力
著者: 岩田昌征セルビアの日刊紙『ポリティカ』(2015年12月12日)に私にとって見過ごせない記事がのっていた。ポルトガルの外交官ジョゼ・クティリェロが旧ユーゴスラヴィア戦争犯罪ハーグ国際法廷でラトコ・ムラディチ裁判において最近行った
本文を読むNHKウィーンフィル・ニューイャーコンサートの隠喩
著者: 岩田昌征「ウィーンフィル・ニューイャーコンサート」は、例年NHK Eテレ目玉番組であろう。今年も解説者や司会アナウンサーが満面笑みをたたえて、ウィーンの音楽文明が如何に素晴らしいかを語り、コンサート放映を盛り立てる。私も素直に画
本文を読む朗報・自殺者減はアベノミクスの効果か?
著者: 岩田昌征私が近現代の経済社会を考えたり、観察したりする時、近代以前の経済社会的統合作用系である交換、再分配、互酬から出発する。それぞれが近代文明開化の理念である自由、平等、友愛によって牽引されて、市場メカニズム、計画システム、協
本文を読む「空爆vs.夢想」続――戦場のサッカー
著者: 岩田昌征「空爆vs.夢想」の続きを書きたい。そこで私が提案した夢想は単なる空想ではない。1999年3月下旬から連日3ヶ月続いたNATOによる対セルビア大空爆期に起こった「実」話に、ヒントを得ている。その「実」話は、私の著書『社会
本文を読む空爆 vs.夢想
著者: 岩田昌征シリア内戦とイスラム国伸長に対するヨーロッパ諸国の介入を見ていると、1840年阿片戦争以降、イギリス、フランス、ロシア、ドイツと言った欧州諸列強が老大国清国に次々と威力介入して行った様子が縮小されたスケールで再現されてい
本文を読む空爆と二重心性
著者: 岩田昌征空爆の連鎖反応である。A国が、B国が、C国が、R国が、E国が(イギリスの議会討論を見ていると、ああ、アヘン戦争の時もこういう民主的議論を経て大艦隊を送り込んだのだな)、……と言う具合に、同じ地域の、殆ど同じ敵を空爆する。
本文を読む映画『ワルシャワ蜂起』とルーズヴェルト主義
著者: 岩田昌征ポーランド映画『ワルシャワ蜂起』を二度観た。去年7月ワルシャワで、今年新宿の映画館で開催された「ポーランド映画祭2015」で。 1944年8月1日、ロンドン亡命政府のポーランド国内軍は、ソ連軍の手によってではなく、自分達
本文を読むパリにおける不幸:民衆による民衆殺し
著者: 岩田昌征無差別テロが「流行」している。不謹慎な言い方だが、そう感じる。世の識者は、自称イスラム国と関連付けて論じる。イスラム国もそう公言している。 私の実感では、あくまできちんとした分析をふまえた判断ではないが、無差別テロの「流
本文を読む「安倍談話の正負」補文
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」の「評論・紹介・意見」面に「安倍談話の正負」を書いた。日本国首相が「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」と内外に向けて語った事、私はそれを正と見た。同時にそ
本文を読むブント参謀本部に感謝
著者: 岩田昌征「青木昌彦・姫岡玲治を偲ぶ会」に出席した。所は明治大学自由塔1階、時は平成27年9月14日。昭和35年(1960年)安保闘争の55年後、平成安保闘争たけなわの頃であった。私も会の話者であった。 会の主催者は、元社学同委員
本文を読むシリア人等難民問題――生命から生活へ――
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」で現在進行中のシリア人等難民大量移動事件について何人かが書いている。いずれもスペイン在住、ハンガリー在住、ドイツ旅行中の人だ。日本国内の新聞やテレビ報道だけでは、何かを述べる材料としては不十分なのかも知れな
本文を読むテント裁判と国家の品格
著者: 岩田昌征私は、経産省前テント広場裁判を地裁で2回、高裁で3回傍聴することが出来た。3回目が9月18日結審であった。くじ運が良かったらしい。 私の率直な印象は、「日本国家から品格が消えた。」である。もともと国家に品格があろうか、と
本文を読む「土と汗」か「お金」か――シリア難民に思う
著者: 岩田昌征かって四半世紀前湾岸戦争があった。1991年1月クウェートを武力征服したサダム・フセインからクウェートの主権を回復するべく、国連決議の下にアメリカ軍主導の多国籍軍がイラクを攻撃した。日本は、出兵せずに、130億ドルを戦費
本文を読む安倍談話の正負
著者: 岩田昌征安倍談話は、冒頭に19世紀における西洋諸国による圧倒的植民地支配の現実を想起する。日本もまた植民地化されるかも知れないと言う危機感の中で、「独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリ
本文を読む安倍談話における「歴史」
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(8月15日)第6面の「戦後70年の安倍談話(全文)」を読んだ。 20年前の村山談話、10年前の小泉談話とくらべて何倍も長い。近代史・現代史担当大学教授による通年講義の初回序章としてみれば、中々
本文を読む平成安保新体制を見て、高尾の山陵に詣でる
著者: 岩田昌征平成27年(2015年)安保新体制は、明治維新以来の我国軍事態勢の「革命」的大転換ではないか、と思う。 旧日本軍は、外征防衛の軍であった。時運のおもむく所、やがて外征侵略の軍に変質してしまった。しかしながら、それでも日本
本文を読む昭和維新、原発、三木清
著者: 岩田昌征私が参加する万葉集勉強会のある会員から御尊父の三著書をいただいた。 ①中村武彦著『維新は幻か わが残夢猶迷録』(いれぶん出版、平成6年) ② 〃 『私の昭和史 戦争と国家革新運動の回想』(展転社、平成1
本文を読む6.15国会前樺さん追悼式に献花して
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(6月16日、朝刊、34面)に「樺さん追悼国会前で献花」の記事がある。花を持つ参列者の写真の中に私の後姿もあった。 私は、55年前の国会南通用門内外における衝突の当事者rank-and-fileの一人でありな
本文を読むマルクス経済学に一言
著者: 岩田昌征ある研究会でマルクス経済学の宇野シューレ系列の理論家の講演を聞くチャンスがあった。 講師小幡道昭のレジュメに言う。「歴史理論としての戦後のマルクス経済学は、経済史と経済理論に挟撃され、いまや絶滅の危機に瀕している。」 自
本文を読む国立大学と「君が代」
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(5月6日 第9面)に、国立大学における国旗掲揚・国歌斉唱が政府によって要請されると言う事件に関する読者による賛否の投稿が載せられている。 一読して、私は15年前のある経験をまざまざと想い出した。国旗国歌法が
本文を読む擬辞世
著者: 岩田昌征擬辞世 ますらをと思へど我を腹底に 耐え難てにこそ痛み覚ゆれ 年を経て病ひ痛みに臥しぬれば 逝きにし吾妹かんばせ偲ばゆ 「ヤパンカになるの!」と言ひて来し吾妹 なでしこもどき代田に咲けり 秀吉も芭蕉も共につひの夢
本文を読むホッブス、自然法、孔子――水田洋教授の見落としと経産省前テント
著者: 岩田昌征ある必要があって、ホッブズの『リヴァイアサン』(1.水田洋訳 岩波文庫)を読んでいて、思いがけない事実を発見した。一つの社会思想史的事実である。 周知のように、ホッブスは、人間の始源的状態を無制約的自由の状態、結局は、各
本文を読む原発と陶淵明
著者: 岩田昌征3月は悲哀の月になってしまった。昭和20年・1945年3月10日と平成23年・2011年3月11日。10日も11日も俳句の季語になっているかも知れない。3月10日は、民衆の大量焼殺の日であった。それでも東京下町の復活は可
本文を読む「斬首非難」の欧米的恣意性
著者: 岩田昌征イスラム国登場以来、捕虜斬首の残虐性が強調される。私の記憶が正しければ、西欧・北米・日本の市民社会によって支持されて行われた大NATOによる小セルビア空爆の時、セルビア人やコソヴォ・アルバニア人の一般民衆も亦殺害されたが
本文を読む「テントひろば」内藤意見書への感想
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」で、内藤光博教授(専修大学法学部)による「いわゆる『経産省前テントひろば』に関する憲法学的意見書――表現の自由と『エンキャンプメントの自由』――」を一読した。 それによると、日本国民は、「公開空地」や「公開
本文を読む必見『日本と原発』
著者: 岩田昌征今年の1月21日、明大自由塔裏手の研究棟会議室で映画『日本と原発』の監督による講演「原子力ムラの復活にどう立ち向かうのか」を聴講した。 数日後、シネマート六本木で『日本と原発』を観て、はからずも監督のトークを拝聴出来た。
本文を読むアウシュヴィツ強制収容所解放70周年式典の謎
著者: 岩田昌征東京新聞夕刊(平成27年1月28日)に「アウシュビッツ70年式典」が報じられ、「ポーランドのコモロフスキ大統領、ドイツのガウク大統領、イスラエルの閣僚ら欧州を中心とする関係国が出席。日本政府からの出席者はなく、ロシアのプ
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