荒木武司著(大阪教育大学名誉教授)『マルクス社会主義論の批判的研究』(文理閣、平成30年・2018年)を読んだ。 本書は二部から構成される。第一部「マルクス社会主義論の批判的再考」。第二部 補論。補論Ⅰ「中国社会主義につ
本文を読む千葉大学名誉教授の執筆一覧
御位譲給ふ新年に
著者: 岩田昌征大君の千代田の宮ゆ 去り給ふ日の定まりて 宮城を守る水面に 住ひする水鳥の子等 南辺へたび立ちぬれば 御堀道夕日を浴びつ 大和児は胸に思ほゆ あらたしき日継ぎの御子の 御代名こそ戦さ来ぬ世を 指しまほ
本文を読むマルクス生誕200周年記念 慶應大学におけるコンファレンス――中国、労働搾取、技術――
著者: 岩田昌征2018年(平成30年)9月6日、「マルクス生誕200周年記念コンファレンス マルクス――過去と現在」が慶應義塾大学三田校舎で開かれた。 聴講して、若干の論点に印象付けられたので、私=岩田の感想・所感を記しておきたい
本文を読む体制の正統性、その「腐蝕」と「涸渇」の種差
著者: 岩田昌征森本あんり著『異端の時代―正統のかたちを求めて』(岩波新書)によれば、現代は「正統の腐蝕」と「なんちゃって異端」の時代である。「現代には、非正統はあるが異端はない。」(p.239) かつて、現代資本主義体制に対抗する
本文を読むチャーチルは何に苦悩したか――映画「チャーチル ノルマンディーの決断」を観て――
著者: 岩田昌征8月下旬に新宿は武蔵野館で映画「チャーチル ノルマンディーの決断」を観た。1944年6月6日連合軍ノルマンディー上陸作戦決行前の4日間、その作戦に猛反対して、連合軍最高司令官アイゼンハワーや英国王ジョージ6世に訴え続け
本文を読む人間の自然との交渉と科学技術・再考――宮沢賢治への一つの接近――(6・終)
著者: 野沢敏治https://chikyuza.net/archives/81672 (1) https://chikyuza.net/archives/82030 (2) https://chikyuza.net/archi
本文を読む紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』を読んで――ユーゴスラヴィア社会主義の経験――
著者: 岩田昌征紅林氏から『民主制の下での社会主義的変革』(ロゴス、2017年・平成29年)を贈られた。紅旗を林立させて前進するイメージを喚起させる筆名である。 「社会主義」なる4文字が社会批判運動の諸潮流から姿を消して久しい。そん
本文を読む人間の自然との交渉と科学技術・再考――宮沢賢治への一つの接近――(5)
著者: 野沢敏治5 賢治の方向転換――田と畑のなかに入る 1)羅須地人協会――農民が科学と芸術を自分のものにする 賢治は1926年(大正15年)に花巻で羅須地人協会(別称・農民芸術学校)を立ちあげました。彼はそこで自分で農作業をし
本文を読む故西部邁『保守の遺言』への二、三の批評――辞世の不在とフラテルニテ(博愛)――
著者: 岩田昌征三月のある日、黄泉の国の著者から『保守の遺言』(平凡社新書、平成30年・2018年2月27日)が送付されて来た。それからしばらくして、3月29日(木)、都内某所、故西部邁氏と半世紀以上昔には思想・行動をともにしたことの
本文を読む人間の自然との交渉と科学技術・再考――宮沢賢治への一つの接近――(4)
著者: 野沢敏治4 地球という「我家の歴史」を知って生活し生産する 1)「造化の秘密」を語る石ころ、花崗岩の役立ち 賢治の先生の関は生徒に地学を教え、それを実地に応用させていました。賢治たちは関の指導で夏季実習として盛岡市とその付
本文を読む人間の自然との交渉と科学技術・再考――宮沢賢治への一つの接近――(3)
著者: 野沢敏治3 関豊太郎から地学と農学を学ぶ 海温が米の収穫を左右する 宮沢賢治は盛岡高等農林学校で自然科学系の教育を受け、自分でも地質の調査をしています。明治以来の国家政策は商工業優先であって農業は後回しにされ、その
本文を読む所有権者の人権こそ人権か――ワルシャワの住宅所有権問題
著者: 岩田昌征イヴォナ・シパラ/マウゴジャタ・ズビク著『神聖な権利 再私有化における住民と賃貸アパートの歴史』(Iwona Szpala、Małgorzata Zubik、Święte Prawo Historie Ludzi i K
本文を読む人間の自然との交渉と科学技術・再考――宮沢賢治への一つの接近――(2)
著者: 野沢敏治Ⅰ 賢治が学んだ自然科学と農業技術 賢治はその短い一生を広大な領域にわたって多彩に燃焼しましたが、一貫していたものがあります。それが科学を自然に応用する活動です。以下、4回にわけて考えてみます。 1 求められた「
本文を読む人間の自然との交渉と近代科学技術・再考――宮沢賢治への1つの接近――(1)
著者: 野沢敏治はじめに 科学的研究と予測・判断とは別のこと (今回) 「住民ハ理論ニ信頼セス」――桜島火山爆発の教訓 震災と原発事故から垣間見えた宮沢賢治――2つの言葉
本文を読む故西部邁氏追悼擬新体詩――革消保亡――
著者: 岩田昌征西部邁自死後一ヶ月、彼の旧同志K.S氏と共に現場を訪ねて、黙祷した。やや古くなった花束が二つ。その近くの水辺に私は花束を、K.S氏はカンビールを置いて来た。 二首心に浮んだ。 かの人の荒(あら)和(にぎ)御霊(
本文を読む住居(すまゐ)をめぐる階級闘争――ブルガーコフ『犬の心臓』解説者に問ふ――
著者: 岩田昌征去年の11月20日と11月21日に「評論・紹介・意見」欄で論じたテーマをここであらためて再論したい。 ミハイル・ブルガーコフ著『犬の心臓』の訳書が手元に二種類ある。一冊は新潮文庫の増本浩子他訳、平成27年・2015年。も
本文を読むポーランドにおける再私有化の嵐――旧社会の復讐、一方的階級闘争――
著者: 岩田昌征ポーランドにおける住宅をめぐる階級闘争の実態を具体的に、生々しく描き出す書物を入手した。ベアタ・シェミェナャコ著『ポーランドを再私有化しつつ 大なる歪曲の歴史』(ポーランド語、政治批判出版、ワルシャワ、2017年)がそれ
本文を読む故西部邁を思ふ――コムニストたらんとせし者 ファシスタたらんとした者に誄(しのびごと)申すーー
著者: 岩田昌征西部邁氏が覚悟して、多摩川に入水した。さむらいの入水といえば平氏を想い起こさせる。かりに若くして覚悟していたとしても、三島・森田の両氏の作法(武士社会が源氏の下に統合されて以来の)にならうことはなかっただろう、と報に接
本文を読むゴーリキー「どん底」(1902年)と古儀式派――下斗米伸夫著『神と革命』に触発されて――
著者: 岩田昌征東京の文化センターとなった駿河台の明治大学において11月25日(土)に現代史研究会、そして12月2日(土)に村岡到氏主催の研究会において、法政大学教授下斗米伸夫氏がロシア2月革命・10月革命とロシア古儀式派=分離教徒信
本文を読む『資本論の世界』を改めて読む(第4回・終)
著者: 野沢敏治内田マルクスの歴史理論 日本は幕末以降に欧米の列強と交わり、前代の徳川封建制から近代資本主義へ、そしてそれを乗り越える社会主義へという歴史意識を生んだ。それが20世紀も末になって、ソ連を中心とする社会主義陣営の崩壊と
本文を読む『資本論の世界』を改めて読む(第3回)
著者: 野沢敏治なぜ「人間」を問題にするか( その2 ) 昔から人間とは何か、他の生物とどう違うかが問われ、いろいろに答えられてきた。人間は政治的な動物であるとか、人間だけが言葉や宗教をもつ、あるいは人間は道具を作る動物だとか。その
本文を読む住宅再私有化をめぐる階級闘争――2010年代ワルシャワ、ヨランタ焼殺事件――
著者: 岩田昌征11月2日(木)、ワルシャワに着いた翌日であるが、有力新聞ガゼータ・ヴィボルチャ(選挙新聞)に興味深いテーマの記事「ナビエルスカ通りの再私有化は私達に何を示したか」に目が止った。マグダ・ブジェスカなる中年女性がワルシャワ
本文を読む平成の終わらんとするに思ふ
著者: 岩田昌征平成31年3月31日に平成が幕を閉じると昨日報道された。 そこで想い出した。平成3年(1991年)7月5日ではなかったかなと記憶するが、中央大学商学部でユーゴスラヴィア自主管理社会主義に関して講演を頼まれたことがある。そ
本文を読むNHKウィーンフィル・ニューイャーコンサートの隠喩
著者: 岩田昌征「ウィーンフィル・ニューイャーコンサート」は、例年NHK Eテレ目玉番組であろう。今年も解説者や司会アナウンサーが満面笑みをたたえて、ウィーンの音楽文明が如何に素晴らしいかを語り、コンサート放映を盛り立てる。私も素直に画
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