[1] 関係態に飲み込まれる個人 [恋は憑きもの] あるとき、喫茶店で本を読んでいると、近くの広い席で、大人たちが話し込んでいる。その中のひとりが「なんでこうなってしまったのかねぇ」と嘆息をもらす。別のひとが、「とくかく
本文を読む専修大学名誉教授の執筆一覧
演出される現実-1851年ロンドン万博から2025年大阪万博へ-
著者: 内田 弘[東京五輪から大阪万博へ] 2回目の大阪万博が2025年に夢洲(ゆめしま)で開催されることが正式に決定された。このイベントは主催関係者が事前から周到に準備し根回しをして組織したものである。まもなく2020年に開催される2
本文を読む藤田玉砕画は戦争協力画か追悼画か-藤田嗣治と仁科芳雄の戦中と戦後-
著者: 内田 弘[はじめに] このネット「ちきゅう座」に、熊王信之氏の文章「藤田嗣治は、戦争協力画家ではないのか」(2018年11月6日)が掲載された。その掲載以前に、本稿筆者はこのネットで藤田嗣治論を戦争犯罪人として安易に規定すること
本文を読む《ポピュラライザーの含羞と任務》-社会的分業に現われる人間能力の普遍性-
著者: 内田 弘[同窓会での恩師の思い出話] 最近、故郷の高校が創立140周年を迎え、その機会に同学年の同窓会がその日の午後にあった。その懇親会で恩師のことが話題になった。同じ英語の恩師でも、(1)明快な授業をする恩師と、(2)なぜか恥
本文を読む《藤田嗣治像のコペルニクス的旋回》-富田芳和著『なぜ日本はフジタを捨てたのか』の衝撃-
著者: 内田 弘[不可解なスキャンダル] 藤田嗣治(フジタ・ツグハル:1886-1968)の回顧展が最近終わった。 不可解なことに、回顧展のたびに、藤田嗣治(以下、フジタを記す)はつぎのようなスキャンダルがつきまとう。 《なるほど、フ
本文を読む映画「ゲッベルスと私(A German Life)」を観て―「悪の凡庸さ」とは何かー
著者: 内田 弘この映画は、ナチス宣伝相ゲッベルスの秘書であったブルンヒルデ・ボムゼル(1911-2017年)が103歳の時におこなった証言の記録映画である。彼女への問いはナチズムへの荷担について、いまどのように考えているかである。た
本文を読む比較近現代史からみた『資本論』
著者: 内田弘以下の論文は、本年9月16日(土)、武蔵大学(江古田キャンパス)で行われた「『資本論』初版刊行150周年記念シンポジウム」で筆者(内田弘)が行った報告の要旨(フルペーパー)である。Webページ「21世紀におけるマルクス
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