岩田昌征の執筆一覧

〈平和に対する罪〉こそ最大限公平に――ゼマン・チェコ大統領から学ぶ――

著者: 岩田昌征

 ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2023年1月30日)の第一面と第四面にチェコ大統領ミロシュ・ゼマンが29日、ベオグラードの二コラ・テスラ空港に到着した事を報じていた。出迎えるヴゥチチ大統領。親密な二人の様子が第一

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露烏のあらごと/やまとのみやび――など三悪たたかふか?――

著者: 岩田昌征

 正月18日、NHKテレビに宮中歌会始と高校生百人一首競技かるたを観る。歌会始令和4年題は「友」、令和5年題は「和」なりと言う。百人一首競技の実写に男女完全平等を知る。露烏いくさ不孝の最中なれど、日本の不戦喜ぶを禁じ難く

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ウクライナ左翼のオリガルヒ(財閥)独裁批判

著者: 岩田昌征

 露烏戦争下のウクライナ野党の状況に関して、ウクライナ左翼諸勢力同盟議長マクシム・ゴリャダルがベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2022年12月22日、p.18)に論説「オリガルヒ独裁がウクライナに樹立されつつある」を

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近代社会思想史における頭皮剥ぎ(狩り)の謎――インディアン起源か、市民社会起源か

著者: 岩田昌征

 NHKBS2の午後1時プレミアムシネマで時々アメリカ西部劇を観る。殆ど必ず先住民、所謂インディアンが登場する。理由もなく、白人の町や旅人を襲撃し、殺す。頭皮を剝がされた白人の死体を目撃して、新任の若きアメリカ騎兵隊士官

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NATO同盟国で反プーチン派ロシア・テレビ禁止――ラトヴィアの一事件に見る戦争極限心理――

著者: 岩田昌征

 ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2022年12月10日、p.2)、ビリャナ・ミトリノヴィチ・ラシェヴィチ署名の記事「ラトヴィアはロシア反対派テレビ放送さえ禁止した」は考えこまさせる。意訳・紹介する。  プーチン政権

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オデーサ(オデッサ)市長 交渉を語る――戦争終結に向けて――

著者: 岩田昌征

 露烏戦争に関してウクライナ国内の、交渉による終戦を説く意見を読んだ。ここに紹介する。ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2022年12月7日、p.2)記事「オデッサ市長包囲縮まる」である。  オデッサ市長ゲンナディ・ト

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ブレジンスキー昇天直前の大変身(心)――嫌露反露から米中露欧大々連立構想へ――

著者: 岩田昌征

 ある研究会で面識を得たK.W氏からブレジンスキーの思想的大変身を教えられた。K.W氏は、国際政治情勢の専門家成澤宗男がISF独立言論フォーラム電子面で7月13日に発表した論文で知る事を得たと言う。  私=岩田は、成澤宗

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白居易(白楽天)、与謝野晶子、明治天皇――ロシア(露)・ウクライナ(烏)戦争に思ふ――

著者: 岩田昌征

 11月5日の「評論・紹介・意見」欄に露烏間の捕虜交換について小文を発表した。https://chikyuza.net/archives/123111  白居易(白楽天)『新楽府』にチベット人俘囚の悲劇を詠んだ長詩があっ

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ウクライナ人捕虜215人とロシア人捕虜55人の交換――人道、国益、巨大私益の交叉点――

著者: 岩田昌征

 今日の『朝日新聞』朝刊(11月2日)の記事「ウクライナ侵攻の現場から 7」に「9月には、ロシア、ウクライナ間の捕虜交換でウクライナ側の215人が解放された。アゾフスターリで投降した内務省の部隊『アゾフ連隊』の108人も

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「核兵器使用は戦争犯罪である。」の表象・観念の未確立――碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませんから」の論理的帰結

著者: 岩田昌征

 露烏戦争は、露国の性格付けによれば、戦争ではなく「特別軍事作戦」である。大東亜戦争の前半期、大日本帝国が対中国戦争を「満州事変」、「支那事変」と呼称していたのに似ている。  最近、その「特別軍事作戦」における露国の劣勢

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白居易(白楽天)戦乱の家族流散を詠む――露烏戦争の人文に今昔なし――

著者: 岩田昌征

 「白居易(白楽天)露烏戦争を諫める」(「ちきゅう座」10月3日発表)で私の旧文の一節を引用した。論文「ユーゴスラヴィアの多民族戦争」(『ユーゴスラヴィア 衝突する歴史と抗争する文明』(NTT出版、1994年、第1章 p

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白居易(白楽天)露烏戦争を諫める――プーチン露国の動員態勢の乱れに寄せて――

著者: 岩田昌征

 『朝日新聞』(9月30日)「天声人語」に「反戦歌を口ずさむことが増えた。ロシアによるウクライナ侵攻のニュースに日々接するうちに。」とある。その反戦歌は、米国のフォーク歌手ピート・シーガーの曲「腰まで泥まみれ」だ。<僕ら

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露烏戦争の一面――自民党政権は北方領土を放棄したのか――

著者: 岩田昌征

 2月7日は、北方領土の日である。国境画定問題に関してかかる国定記念日を創設した事が賢明であったか否かは論じない。ともかく、そんな日が2月に存在する。その2月24日に北方の交渉相手の露国がその西方国境を侵犯して、隣国烏克

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マルクスの〈強められた労働〉と新古典派マクロ経済学の〈効率労働〉

著者: 岩田昌征

 矢沢国光主催「世界資本主義フォーラム」ズーム研究会(7月23日・土)の伊藤誠教授講義「新自由主義と新古典派経済学」にて私=岩田が行った舌足らずの質問の趣旨をここで再現したい。  マクロ経済学がマクロ生産関数を論ずる時、

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インタビュー「上空から攻撃する視点」(『朝日新聞』/8月26日)を読んで――黙殺された国の事例――

著者: 岩田昌征

 『朝日新聞』(8月26日、金、朝刊)に吉見俊哉東大大学院情報学環教授への会見記「上空から攻撃する視点」が載っていた。そこには、東京大空襲、ベトナム戦争、湾岸戦争、アフガン戦争、そしてロシアのウクライナ侵攻が空爆関連で言

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原朗編著『学問と裁判――裁判所・都立大・早稲田大の倫理を問う』(同時代社)を読む――創作と盗作の境界――

著者: 岩田昌征

 原朗氏から編著『学問と裁判――裁判所・都立大・早稲田大の倫理を問う』(同時代社、2022年8月1日)を贈られた。前著『創作か盗作』か――「大東亜共栄圏」論をめぐって』(同時代社、2020年2月20日)の続編である。  

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死せる孔明生ける仲達を走らす――ブレジンスキー対プーチン――

著者: 岩田昌征

 今日、全世界が眼前に目撃する露宇戦争、すなわちプーチン侵略は、社会主義ソ連と社会主義ユーゴスラヴィアの解体、それに続く資本主義移行期のロシア連邦と新ユーゴスラヴィア(セルビアとモンテネグロからなる連邦国家)が北米西欧の

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ウクライナの対ロシア大戦事前戦略――ウクライナ大統領側近の2019年テレビ・インタビュ――

著者: 岩田昌征

 セルビアの親露容中系週刊誌『ペチャト』Печат(2022年4月22日、p.28)に「戦争を通してEUとNATOへ加盟:キーウの計画」と題する半ページの小文が載っていた。そこで、現在ウクライナ大統領室長顧問オレクシイ(

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高松城水攻めと「アゾフスターリ」包囲戦――領民や市民を人間の盾としない戦(いくさ)の掟――

著者: 岩田昌征

 ロシア軍がマリウポリを掌握したと報じられている。  しかしながら、マリウポリの巨大製鉄所「アゾフスターリ」内にウクライナ軍の一部約1000人が立てこもり、その地下空間に負傷兵や一般市民約二千人が避難していると言う。  

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ベオグラード「ヘルシンキ人権委員会」の米陸軍セルビア占領要請――プーチン/ラブロフ侵略を実見して、クリントン/オルブライト侵略を再考する――

著者: 岩田昌征

 1999年・平成11年3月24日、NATO19ヶ国が新ユーゴスラヴィア(セルビアとモンテネグロ共和国から成る連邦国家、コソヴォはセルビアの北部)を空爆した時、アメリカ国務長官マドリン・オルブライト女史は、新ユーゴスラヴ

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露宇戦争を悲しみて三悪を詠む――血河に溺るる、あるは血河を泳ぎ切るらむスラヴ常民に代りて――

著者: 岩田昌征

 露宇戦争非啓蒙絶対擬君主の妄執に出でたるが如し。全スラヴ文明圏の痛みなり。極東列島国にていささかスラヴ世界にかかはりし常民吾やまと歌三十一文字四首に思を述ぶのみ。    プーチンよあな禍々したらちねの         

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プーチンのウクライナ侵略とクリントンのセルビア侵略――西高東低気圧配置下皇帝廟算誤テリ――

著者: 岩田昌征

 2月24日、プーチン大統領の露軍がウクライナに侵攻した。  私=岩田は、1999年3月24日、クリントン米国大統領のNATO軍が新ユーゴスラヴィア(セルビアとモンテネグロから成る連邦国家)に大空爆を敢行した事件を即座に

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ユーゴスラヴィア内戦の真相――多民族戦争と階級形成闘争 マスコミが伝えない真実に迫る

著者: 岩田昌征

まえがき  去年の暮12月26日に社会主義理論学会の研究集会がZoomで開かれた。集会の終了間際になって、日本共産党の理論家聽濤弘氏(元参議院議員)――主報告者であった――から一般会員として参加していた私=岩田に鋭い問が

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