忘れないうちに書いておこう。昨日、令和元年・2019年6月8日(土)、神田の専修大学で開かれた現代史研究会「ゾルゲ事件・太田耐造関係文書」における私=岩田のコメンテーター孫崎享氏に対する質問のことである。 孫崎氏は、
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
ワレサとツィブラ神父の謎――稚児愛とスパイ――
著者: 岩田昌征ポーランド最有力日刊紙『選挙新聞』(Gazeta Wyborcza、2019年5月13日)に まことに意味深の署名記事が出た。「ワレサの聴罪司祭ツィブラはSB(公安)の協力者だ」がそれである。 日本でもそれなりに報道され
本文を読むワルシャワ検察労組・裁判所労組のテント小町について一言し、次いで故正清太一氏をしのぶ
著者: 岩田昌征ちきゅう座の「交流の広場」、5月30日付「経産省テントひろば1807日後」に5月27日(月)の話題として「ポーランドでは司法省職員がテントを張って闘争中の報告」が「毎月第一月曜日に来られる東欧研究の元教授さん」の話として
本文を読む「一方的爆撃・破壊」と「岩盤規制に穴をあける」について
著者: 岩田昌征令和元年・2019年5月25日(土)に「ちきゅう座」の総会が開かれた。私=岩田も会員の一人として出席して、「ちきゅう座」電網交通を無報酬運営して下さっている一団の人々に感謝の念を表して来た。そこで、若干の所感を述べてみ
本文を読む令和出典・万葉集の英訳について
著者: 岩田昌征令和元年・2019年5月1日の『朝日新聞』23面に「ピーター・マクミランの詩歌翻遊」が眼にとまった。 ピーター・マクミランは書く。 ――何年か前、万葉集の研究における第一人者にお会いする機会があった。その方は「万葉
本文を読むNATOのセルビア侵略20周年(3月24日)――市民主義の功罪を思う――
著者: 岩田昌征去年の11月、ある地方都市でセルビア左翼党 Levica srbije のリーダーが覆面の暴漢数人に殴打され、傷を負った。彼のシャツが血に染まった。数日後の11月末に彼を支持する町の民衆が「血染めのシャツ、止めろ」と言
本文を読むテンニースのマルクス・エンゲルス像
著者: 岩田昌征3月30日(土)、ある研究会にて片桐幸雄氏による同氏訳のF・テンニース『社会学者の見たマルクス』(社会評論社、2019年)に関する研究報告を拝聴した。 片桐氏は、その報告要旨で「テンニースはマルクスとエンゲルスの違い
本文を読む令和に感ずること
著者: 岩田昌征卯月一日(月)午后4時頃、経産省前道路脇の反原発座り込みに30分程参加。常連の90歳余嫗が開げた夕刊か号外に新年号の「令和」を見た。帰路に夕刊を求めて、「令和」の出典が万葉集巻五である事を知った。三つの感想が湧き起った。
本文を読む三月廿三日 合澤現代史研「トロツキー・ヘゲモニー論」の幕間に淵上太郎氏の逝くを聞きて詠める腰折れ六首
著者: 岩田昌征ななとせを禍(まが)ウラン火にあらがひし 凄(すさ)淵上の建(たける)逝くてふ あらくまし禍津火の神くだけよと をたけびたけるおきな去るてふ ウラン火のをろちをろちに相向かふ 今須佐之
本文を読む神仏習合、廃仏毀釈、そして再習合へ
著者: 岩田昌征明治維新150周年が盛んに言われたこともあって、おそまきながら、2冊の関連新書を一読した。古川順弘著『神と仏の明治維新』(洋泉社、平成30年)と鵜飼秀徳著『仏教抹殺』(文芸春秋、平成30年)である。 明治維新最初期の
本文を読む平成30年(2018年)も自殺者減少が続く――アベノミックスの功か否か――
著者: 岩田昌征私のトリアーデ体系論は、近現代史が実証した作動可能な経済システムに三類型あると主張する。自由→私有→市場→の系列であるMシステム、平等→国有→計画→の系列であるPシステム、友愛→社会有→協議→の系列であるCシステム。そ
本文を読む「正統派」的マルクス社会主義論者の誠実な自己検討――荒木武司著『マルクス社会主義論の批判的研究』を読む――
著者: 岩田昌征荒木武司著(大阪教育大学名誉教授)『マルクス社会主義論の批判的研究』(文理閣、平成30年・2018年)を読んだ。 本書は二部から構成される。第一部「マルクス社会主義論の批判的再考」。第二部 補論。補論Ⅰ「中国社会主義につ
本文を読む『今上天皇の祈りに学ぶ』と「民君」表現
著者: 岩田昌征たけもとのぶひろ著『今上天皇の祈りに学ぶ』(明月堂書店、2018年11月10日、第1刷発行)を一読した。 新聞記者の吉田文人氏が巻頭に解説「たけもとのぶひろの思考、その『非転向』について」を書いている。 ――本書は
本文を読む工場労働者大統領ワレサの初仕事――総評事務局長のネクタイを切り落としてみせたのは誰か――
著者: 岩田昌征今は昔。前世紀の1980年、当時の共産党(=統一労働者党)体制のポーランド重化学工業労働者階級が公然と共産党独裁体制に反旗を翻して、工場占拠の大ストライキを打った。ポーランド統一労働者党は、妥協の道を選択し、ここにソ連東
本文を読む御位譲給ふ新年に
著者: 岩田昌征大君の千代田の宮ゆ 去り給ふ日の定まりて 宮城を守る水面に 住ひする水鳥の子等 南辺へたび立ちぬれば 御堀道夕日を浴びつ 大和児は胸に思ほゆ あらたしき日継ぎの御子の 御代名こそ戦さ来ぬ世を 指しまほ
本文を読むセルビアにおける「リベラリズム」=大使館政治――アメリカ大使の自省的述懐――
著者: 岩田昌征最後の駐ユーゴスラヴィア大使W.モンゴメリー著『民主的移行闘争』(2010年、ベオグラード)は、紹介に値する注目すべき内容を有する。去年の10月末日にベオグラードの書店見本市でその英語版を入手出来たので、セルビア語版と
本文を読むユーゴスラヴィア社会主義崩壊の外因
著者: 岩田昌征一. 1978年8月社会学第9回世界大会 労働者自主管理経済と武装非同盟政策を根底に据えたユーゴスラヴィア社会主義は、その内部的諸困難だけが原因で崩壊したわけではない。内部的諸要因を利用し増幅させる外的諸工作を無
本文を読む新疆ウイグル人の話を聞く
著者: 岩田昌征平成30年11月23日、明治大学自由塔にて「アムネスティ・インターナショナル日本支部」と明治大学現代中国研究所が主催する中国新疆ウイグル自治区における強制収容所、中国名「職業訓練所」の実態にかんする報告講演を拝聴した。
本文を読むベオグラードで『どん底』を観る――社会主義化と資本主義化への幻滅――
著者: 岩田昌征去年の11月29日(水)に東京でゴーリキーの『どん底』を観た。今年の10月29日(月)、丁度一年に一ヶ月足りない日に、ベオグラードの国民劇場で『どん底』を観るチャンスがあった。かなり立派なパンフレットに旧ソ連東欧諸国に
本文を読む増補改訂:M・ゴーリキー『どん底』(1902)と古儀式派――下斗米伸夫著『神と革命 ロシア革命の知られざる真実』に触発されて――
著者: 岩田昌征2017年・平成29年は、ロシア革命百周年であった。ソ連東欧の社会主義体制が自崩してすでに四半世紀の時間が流れていた。日本社会の関心は完全に薄れていたが、それでも旧「新左翼」系のいくつかの研究会は、ロシア革命を主題に議
本文を読むマルクス生誕200周年記念 慶應大学におけるコンファレンス――中国、労働搾取、技術――
著者: 岩田昌征2018年(平成30年)9月6日、「マルクス生誕200周年記念コンファレンス マルクス――過去と現在」が慶應義塾大学三田校舎で開かれた。 聴講して、若干の論点に印象付けられたので、私=岩田の感想・所感を記しておきたい
本文を読む体制の正統性、その「腐蝕」と「涸渇」の種差
著者: 岩田昌征森本あんり著『異端の時代―正統のかたちを求めて』(岩波新書)によれば、現代は「正統の腐蝕」と「なんちゃって異端」の時代である。「現代には、非正統はあるが異端はない。」(p.239) かつて、現代資本主義体制に対抗する
本文を読むチャーチルは何に苦悩したか――映画「チャーチル ノルマンディーの決断」を観て――
著者: 岩田昌征8月下旬に新宿は武蔵野館で映画「チャーチル ノルマンディーの決断」を観た。1944年6月6日連合軍ノルマンディー上陸作戦決行前の4日間、その作戦に猛反対して、連合軍最高司令官アイゼンハワーや英国王ジョージ6世に訴え続け
本文を読む紅林進著『民主制の下での社会主義的変革』を読んで――ユーゴスラヴィア社会主義の経験――
著者: 岩田昌征紅林氏から『民主制の下での社会主義的変革』(ロゴス、2017年・平成29年)を贈られた。紅旗を林立させて前進するイメージを喚起させる筆名である。 「社会主義」なる4文字が社会批判運動の諸潮流から姿を消して久しい。そん
本文を読む故西部邁『保守の遺言』への二、三の批評――辞世の不在とフラテルニテ(博愛)――
著者: 岩田昌征三月のある日、黄泉の国の著者から『保守の遺言』(平凡社新書、平成30年・2018年2月27日)が送付されて来た。それからしばらくして、3月29日(木)、都内某所、故西部邁氏と半世紀以上昔には思想・行動をともにしたことの
本文を読む所有権者の人権こそ人権か――ワルシャワの住宅所有権問題
著者: 岩田昌征イヴォナ・シパラ/マウゴジャタ・ズビク著『神聖な権利 再私有化における住民と賃貸アパートの歴史』(Iwona Szpala、Małgorzata Zubik、Święte Prawo Historie Ludzi i K
本文を読む故西部邁氏追悼擬新体詩――革消保亡――
著者: 岩田昌征西部邁自死後一ヶ月、彼の旧同志K.S氏と共に現場を訪ねて、黙祷した。やや古くなった花束が二つ。その近くの水辺に私は花束を、K.S氏はカンビールを置いて来た。 二首心に浮んだ。 かの人の荒(あら)和(にぎ)御霊(
本文を読む住居(すまゐ)をめぐる階級闘争――ブルガーコフ『犬の心臓』解説者に問ふ――
著者: 岩田昌征去年の11月20日と11月21日に「評論・紹介・意見」欄で論じたテーマをここであらためて再論したい。 ミハイル・ブルガーコフ著『犬の心臓』の訳書が手元に二種類ある。一冊は新潮文庫の増本浩子他訳、平成27年・2015年。も
本文を読むポーランドにおける再私有化の嵐――旧社会の復讐、一方的階級闘争――
著者: 岩田昌征ポーランドにおける住宅をめぐる階級闘争の実態を具体的に、生々しく描き出す書物を入手した。ベアタ・シェミェナャコ著『ポーランドを再私有化しつつ 大なる歪曲の歴史』(ポーランド語、政治批判出版、ワルシャワ、2017年)がそれ
本文を読む故西部邁を思ふ――コムニストたらんとせし者 ファシスタたらんとした者に誄(しのびごと)申すーー
著者: 岩田昌征西部邁氏が覚悟して、多摩川に入水した。さむらいの入水といえば平氏を想い起こさせる。かりに若くして覚悟していたとしても、三島・森田の両氏の作法(武士社会が源氏の下に統合されて以来の)にならうことはなかっただろう、と報に接
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