西部邁氏が覚悟して、多摩川に入水した。さむらいの入水といえば平氏を想い起こさせる。かりに若くして覚悟していたとしても、三島・森田の両氏の作法(武士社会が源氏の下に統合されて以来の)にならうことはなかっただろう、と報に接
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
ゴーリキー「どん底」(1902年)と古儀式派――下斗米伸夫著『神と革命』に触発されて――
著者: 岩田昌征東京の文化センターとなった駿河台の明治大学において11月25日(土)に現代史研究会、そして12月2日(土)に村岡到氏主催の研究会において、法政大学教授下斗米伸夫氏がロシア2月革命・10月革命とロシア古儀式派=分離教徒信
本文を読む住宅再私有化をめぐる階級闘争――2010年代ワルシャワ、ヨランタ焼殺事件――
著者: 岩田昌征11月2日(木)、ワルシャワに着いた翌日であるが、有力新聞ガゼータ・ヴィボルチャ(選挙新聞)に興味深いテーマの記事「ナビエルスカ通りの再私有化は私達に何を示したか」に目が止った。マグダ・ブジェスカなる中年女性がワルシャワ
本文を読む住宅国有化をめぐる階級闘争――1920年代モスクワ、ブルガーコフの『犬の心臓』を観る――
著者: 岩田昌征11月5日(日) ワルシャワの劇場テアトル・フスプルチェスヌィ(現代劇場)にてミハイル・ブルガーコフ(ポーランド語ではブルハコフ)の小説『犬の心臓』を観た。ブルガーコフが『巨匠とマルガリータ』の作者だと言う位の知識だけ
本文を読むシステム対抗とコンフリクト-20世紀:対抗システムの追求とその失敗/21世紀:成否の彼方の対抗nonシステム-
著者: 岩田昌征以下の論稿は、2015年10月24日(土)、法政大学市ヶ谷キャンパスで催された「社会・経済システム学会」第34回大会での記念講演である。 ロシア十月革命百周年である。 ここに提示する私の記念講演は、ロシア二月革命よりも十
本文を読む平成の終わらんとするに思ふ
著者: 岩田昌征平成31年3月31日に平成が幕を閉じると昨日報道された。 そこで想い出した。平成3年(1991年)7月5日ではなかったかなと記憶するが、中央大学商学部でユーゴスラヴィア自主管理社会主義に関して講演を頼まれたことがある。そ
本文を読むベオグラード、平壌、Jアラート
著者: 岩田昌征ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2017年9月6日)の1面と3面に「北朝鮮に行ったセルビア人観光団――神々の如き領袖達」なる長い記事が載っていた。要約し紹介する。 観光代理店主のフィリプ・ミサロヴリェヴィチが率い
本文を読む市場志向計画化論へのスターリン主義者による批判
著者: 岩田昌征『ロシア革命とソ連の世紀 1 世界戦争から革命へ』所収鈴木「計画化」論文への疑問を前回の小論で提示した。それへの資料的補足を記しておきたい。 ソ連科学アカデミー経済研究所による集団著作『ソヴィエト国民経済1921-25年
本文を読む『ロシア革命とソ連』第1巻『世界戦争から革命へ』(岩波、2017)所収の鈴木義一論文「社会刷新の思想としての計画化」への疑問
著者: 岩田昌征池田嘉郎が責任編集した『ロシア革命とソ連 1 世界戦争から革命へ』を入手し一読した。池田は、本巻の「総説 ロシア革命とは何だったのか」で歴史家の常識、すなわち「結局のところ、歴史家にとっての現在の関心から過去を再発見す
本文を読む池田嘉郎著『ロシア革命』を一読する
著者: 岩田昌征平成29年・2017年は、ロシア革命百周年である。世間的には殆ど忘れられた社会的・歴史的大事件だ。何冊かの書物が出版されている。 池田嘉郎著『ロシア革命 破局の8か月』(岩波新書、2017年)を一読した。1989-1
本文を読む特攻学徒兵、零戦とピアノ
著者: 岩田昌征8月13日(日)、家から5分か6分の所にある東演パラータで劇団東演による朗読劇「月光の夏」を聴いた、観た。 出撃前夜、九州のある田舎町の小学校で特攻隊員がピアノを弾いていた。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「月光」であ
本文を読む脱連帯的『連帯』資本主義におけるモゼレフスキとクーロン
著者: 岩田昌征ポーランドの基幹的重化学工業の労働者階級が党社会主義体制を打倒するまでは、彼等の『連帯』労組を支援して来たポーランド知識人・専門家階層のすべてが、『連帯』政権の反労働者性の推進に歓喜したわけではない。オスト教授は、少数
本文を読むアンジェイ・ワイダ監督の「ワレンサ 連帯の男」と遺作「残像」を貫通する負性とは――岡崎乾二郎氏の洞察に刺戟されて――
著者: 岩田昌征アンジェイ・ワイダ監督の遺作「残像」をかなり前に観た。岩波ホール作のパンフレットにアンジェイ・ワイダのメッセージがあり、それは「『残像』は、自分の決断を信じ、芸術にすべてをささげた、ひとりの不屈の男の肖像です。映画は、ポ
本文を読む室井遥報告「宇野経済学とポランニー」へのコメント
著者: 岩田昌征7月8日(土)の立正大学で開かれた「世界資本主義フォーラム」における室井遥報告「宇野経済学とポランニー」は、私の比較経済体制論・比較社会主義システム論が1970年代後半・1980年代前半にディホトミー(二分法)からトリホ
本文を読む価値と価格の関係が意味するところ――ワスキ教授の所論に関して
著者: 岩田昌征Paradoksy ekonomii Rozmowy z polskimi ekonomistami、PWN、2016、Warszawa、『経済学のパラドクス ポーランド経済学者達との会話』を手に入れた。 著名な比較経済
本文を読む補論:商人資本 対 産業資本
著者: 岩田昌征(下掲ウィンドウ右上隅をクリックすると文書全体がポップアウトします) https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/07/54a76a9e9b24d18915d99040c71
本文を読む数理計画法の双対定理、産業資本と商人資本の対抗――小山昭雄教授の所論に関連させて――
著者: 岩田昌征二つの経済学がある。M(マルクス)経済学とM・M(ミクロ・マクロ)経済学である。最近はM・M経済学が圧倒的に優勢であるが、どうもその社会経済の実生活における知的領導性が急速に失われつつあるようだ。M経済学の方は、その存在
本文を読むワルシャワ首相府前座り込みと東京経産省前座り込み
著者: 岩田昌征6月6日夕暮れ時、ワルシャワのアレイェ・ウヤズドフスキエ大通り、ポーランド首相府前の「テント村」跡に立ち寄った。ワジェンカ公園と首相府とにはさまれた大通りの公園寄りの広い歩道に三つのテントが去年は立っていた。今年はもうな
本文を読む日米新安保・共謀法体制の脅威
著者: 岩田昌征平成29年6月15日、こともあろうにこの日に共謀罪法が正々堂々とは180度対極のやり方で参院において可決された。6月15日は、昭和35年・1960年安保闘争において故樺美智子が国会南通用門で悲劇的に闘死された日付だ。闘争
本文を読む再論:「戦争のできる国」と「戦争をしない国」
著者: 岩田昌征私は、今年になって、中江兆民『三酔人経綸問答』(明治20年、1887年)を引用して、憲法第九条の原型が兆民の洋学紳士にあり、また旧軍部の大陸侵略策の原型が兆民の豪傑君にある、と「ちきゅう座」において論じた。矢沢国光氏より
本文を読む矢沢国光氏「・・・9条改憲阻止の理論的深化を」への所感
著者: 岩田昌征矢沢国光氏が私の「日米安保・九条体制のワンセット撤廃」論を批判して下さった。有難いことだ。半月留守をしていて、6月8日に帰宅。返事が遅れたこと了解されたし。私の論は基本線・方向について述べたのであって、矢沢氏が指摘してい
本文を読む現代史研第300回――合澤氏に感謝――
著者: 岩田昌征6月10日(土)午後、明治大学自由塔6階1065教室にて現代史研究会第300回目の研究集会が開催された。 清水学氏が中東政治を活写し、矢吹晋氏が準超大国中国を中心に現時の国際関係を分析し、加藤哲郎氏が現代文明方向論的に前
本文を読む共謀罪とハーグ国際戦犯法廷のJCE
著者: 岩田昌征5月20日(土)明治大学自由塔にて澤藤藤一郎弁護士による講演「共謀罪――その危険な本質と狙い――」を聴いた。 「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案が採決されるようだ。私=岩田は、澤藤弁護士の危機意識にあふれた話
本文を読む「戦争のできる国」と「戦争をしない国」
著者: 岩田昌征明治大学自由塔において「ちきゅう座」の総会が開かれた。その後に澤藤弁護士による共謀罪に関する講演があった。5月20日の昼下がりのことだ。 会員の一人である私が会場で言いもらした事を若干ここに記す。 第一号議案に「戦争ので
本文を読む『現代中国と市民社会』(勉誠出版)シンポジウムに関する若干のコメント(3)――外国NGOの法的規制――
著者: 岩田昌征鈴木賢教授(明治大学現代中国研究所所長)は、中国の「党天下体制」、岩田流に言えば、党資本主義中国における各種の否定的法現象を警告的に報告された。説得力のある報告であった。特に、外国NGOに関する法規制強化が中国社会の市民
本文を読む『現代中国と市民社会』(勉誠出版)シンポジウムに関する若干のコメント(2)――B.C81年、前漢始元6年の「人権」――
著者: 岩田昌征今井弘道教授(北大名誉、浙江大学特聘)は、報告「非キリスト教起源で市場社会起源の『人格の尊厳』――拙論への補充的報告――」を読み上げられた。 市民社会と人権概念の発展に関して西欧の思想的蓄積に依拠して本質論的考察をしてお
本文を読む『現代中国と市民社会』(勉誠出版)シンポジウムに関する若干のコメント(1)――論語とホッブス自然法――
著者: 岩田昌征『現代中国と市民社会:普遍的《近代》の可能性』(石井知章・緒形康・鈴木賢――編 勉誠出版)出版記念シンポジウムが明治大学駿河台校舎グローバルフロントにて4月22日に開催された。会場で本書を7500円の2割引きで購入した。
本文を読む警官労組、兵士労組、市民、常民の共同抗議
著者: 岩田昌征4月2日(日)のセルビア大統領選挙で現首相セルビア前進党の、そしてセルビア社会党が支持するアレクサンデル・ヴゥチチが大勝した。EUからもロシアからも期待されていた人物である。市民主義諸派や民族主義諸派は勿論反発していた。
本文を読むハルビン学院記念碑祭のこと
著者: 岩田昌征4月15日(土)は有意義な1日であった。 午前11時から午後1時過ぎまで、高尾山近くの高尾霊園で行われた「第18回ハルビン学院記念碑祭」に参列した。ハルビン学院第21期故内村剛介先生との縁で出席するようになった。高尾霊園
本文を読む経産省前座り込みと森友学園
著者: 岩田昌征4月3日(月)夕方、数週間ぶりに経産省前の反原発座り込みの現場を訪ねた。冷気が増しはじめる頃、老女、壮女、前期高齢者の男性の三人が小椅子に座っていた。M氏は歯医者に行っていて留守であったが、私が小椅子に腰かけて経産省の門
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