前回に「ちきゅう座」に載せた私論「NATO大空爆記念日」にドイツの『ディー・ツァイト』紙の編集長テオ・ゾンマーのコソヴォ戦争論を紹介しておいた。そこで彼は次のように語っていた。 ――当時のNATO事務総長ソ
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
NATO大空爆記念日
著者: 岩田昌征ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』の3月24日と3月25日の紙面は、主に18年前のNATOによるセルビア大空爆に関する記事で占められている。3月24日はDan sećanja「記憶の日」とされている。 私自身、1999年
本文を読むリース労働の未来は?!――『ニューヨーク・タイムス』がキリル文字版を出すことがあれば、私もリースで使ってもらえるのに。
著者: 岩田昌征私の感想。西欧・日本のリベラルと新左翼は、旧左翼・スターリン主義を打倒するのに成功した。その結果、こんな資本主義が全世界にはびこっている。 ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2017年3月5日)の第1面に「リースされる
本文を読む関根順一教授の「『資本論』大工業論の数理化」への一コメント
著者: 岩田昌征https://chikyuza.net/wp-content/uploads/2017/03/IMG.pdf 〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/ 〔study841 :1
本文を読むシベリア抑留と砂糖
著者: 岩田昌征富田武著『シベリア抑留』(中公新書)を通読した。現代日本人の円満な歴史的自我を形成する上での必読書であろう。が、ここで本書を論評しない。関心事に触れるだけにする。 本書の113ページに「日本軍捕虜の給食基準(1人1日グラ
本文を読むトランプと難民(続)ーーサルマン・ルシディと湾岸諸国
著者: 岩田昌征ホメイニ師によって死刑宣告されたサルマン・ルシディも中東難民のヨーロッパへの大量流入に関して、ペルシャ湾岸諸国の静観的姿勢を問題視・疑問視する例外的知識人の一人である。セルビア国営放送の一記者がルシディとインタビューする
本文を読むトランプと難民
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」でスペイン・バルセロナ在住の童子丸開氏による論稿「『難民引き受け』ばかり叫ぶ者は恥を知れ!トランプ:中東に“安全地帯”を作って湾岸諸国に支払わせろ!」(2月21日)を読んだ。 平成23年・2011年3月11
本文を読む2月11日に久米歌と神楽歌を聴く
著者: 岩田昌征2月11日は、「建国記念の日」と呼ばれる。戦前は紀元節である。日本書紀巻第三神武紀に「辛酉年春正月の、庚辰の朔に、天皇、橿原宮に即帝位す。」とある日を太陽暦に換算すると2月11日にあたると言う。今日、特別に政府主催の式典
本文を読むアベノミクス=アベノポリティクスの吉報と凶報――自殺者大減と経産省前「放火」高札
著者: 岩田昌征平成27年・2015年12月23日の「ちきゅう座」「評論・紹介・意見」欄に「朗報・自殺者減はアベノミクスの効果か?」を書いた。今回は「朗報」と言うより「吉報」かも知れない。 1月20日(金)の東京新聞夕刊によれば、「自殺
本文を読むサライェヴォ大学のイスラム化か?!
著者: 岩田昌征ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2017年1月3日)の「ボスニア・ヘルツェゴヴィナの世俗的システムに対するアカデミックな打撃」、同紙(1月5日)の「スルタン国家」なる記事に目が止まった。紹介しコメントしよう。 記事「
本文を読む洋学紳士の民主主義はプラスかマイナスか――『三酔人経綸問答』の現代性――
著者: 岩田昌征「評論・意見・紹介」欄 新年1月5日に「憲法第9条は明治20年に誕生した?!」を載せた。そこで依拠した中江兆民『三酔人経綸問答』(岩波文庫)について更に紹介してみたい。今日唯今の諸問題に関連付けてだ。 琉球独立論との関連
本文を読むパルチザンの歌 よみがへる!
著者: 岩田昌征最近、昔のパルチザン歌が唱われているらしい。旧ユーゴスラヴィア諸国、すなわちセルビア、クロアチア、スロヴェニア等のコンサートで、広場で、通りで。パルチザン歌を主に歌う合唱団もかなりの数が活動しているようだ。 スロヴェニア
本文を読む憲法第9条は明治20年に誕生した!?――中江兆民『三酔人経綸問答』
著者: 岩田昌征『流沙』(2016年第12号)の伊藤論文と木畑論文は、ともに日本国憲法第9条にかかわり、大変参考になった。従来の諸氏による研究成果を明確に整理してくれてあり、素人にとって有益な文献である。ここでは、思想家両氏が指摘してい
本文を読むセルビアの平和――兵士労組抗議集会と旅客機爆破テロ生き残りの葬儀
著者: 岩田昌征2016年12月12日に予告されていたセルビア軍兵士労組とセルビア警察官労組の第2回抗議集会が、政府庁舎の前で実施された。両労組のトップが演説した。彼等は、ヴゥチチ首相の発言「親方諸君、毎日でも抗議しなさい。ない袖は振れ
本文を読む福澤諭吉 対 菊末検校、杵屋勝三郎
著者: 岩田昌征雁屋哲作・シュガー佐藤画『まさかの福澤諭吉』(遊幻舎)を一読した。本書の主旨は、表紙に記された短文「『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』に代表される福澤諭吉=民主主義者の評判。しかしその実像は、大日本帝国憲法や
本文を読むセルビア軍の兵士労働組合
著者: 岩田昌征1999年にNATO軍が新ユーゴスラヴィア軍とたたかった時、新ユーゴスラヴィア軍の主力は、セルビア軍であった。NATO軍の将校達は、セルビア軍の戦車を百数十台破壊したと戦果を誇っていたが、休戦が成立してみると、セルビア陸
本文を読む塩川喜信先達のインタビューを読みて――ポーランド「連帯」の要めに――
著者: 岩田昌征11月27日(土)、立正大学で開かれたある研究会で、参加していたある人から小冊子『インタビュー 戦争と激動の20世紀を生きて 塩川喜信』(インタビューは2007年に行われた。)をいただいた。10月29日に明治大学研究棟で
本文を読むアメリカ永久革命のジーン・シャープ博士指南書
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」で何回かアメリカ大使W.モンゴメリーの著書『歓呼が静まる時』を紹介した。 彼は、2000年中半、ユーゴスラヴィア(当時セルビアとモンテネグロの連邦国家)のセルビア大統領ミロシェヴィチの「独裁」体制を打倒する
本文を読むセルビア民衆の対独賠償請求
著者: 岩田昌征今年の9月25日、「ちきゅう座」「評論・紹介・意見」欄に「事実を照明する抽象を求む―・・・、ドイツの賠償拒否」なる小文を書いた。そこでギリシャのツィプラス首相が第二次大戦中の戦争被害に対してドイツに3000億ユーロの賠償
本文を読むあるしらせをききて詠める
著者: 岩田昌征ももとせのをと宮逝きて昭和の代 根の国へこそ移り終んぬれ 皇軍(みいくさ)のあまくにつ罪犯せしを 泣きてし宮のかむさりましぬ じきの宮かむさりましき大陸の
本文を読むある学者の志――社会主義論の一生
著者: 岩田昌征10月8日、明治大学駿河台キャンパス自由塔にて、村岡到氏等の呼び掛けで、「上島武さんを偲ぶ会」が開かれた。私は、社会主義経済学会(現比較経済体制学会)や上島氏と村岡到氏が設立された社会主義理論学会の研究集会で顔を合せ、目
本文を読む2003年対イラク戦争前夜のセルビアにおけるアメリカ外交官の暗(明)躍
著者: 岩田昌征W.モンゴメリーなるアメリカ元外交官がいる。駐ブルガリア(1993~96年)、駐クロアチア(~2000年)、駐セルビア(~2004年)のアメリカ大使であった。78日間にわたる対セルビアNATO大空爆(1999年3月24日
本文を読む「人が人を喰う」文革の意味とは――明大現代中国研究所主催シンポジウムを聴いて――
著者: 岩田昌征明治大学現代中国研究所主催で「文革とは何だったのか――文化大革命50周年シンポジウム」が10月16日(日)に明治大学駿河台校舎グローバルフロントにて開催された。 徐友漁氏、矢吹晋氏に続く第三報告者カリフォルニア大学ロサン
本文を読む現実を照明する抽象を求む――T4作戦、アダム・スミス、ドイツの賠償拒否――
著者: 岩田昌征9月24日 NHK Eテレ 深夜「ETV特集選」で「ナチス・障害者虐殺の真相、ナチスが利用した“優生思想”」を放映していた。心身障害者20万人がドイツ国内の病院で医師の判断でガス室において殺害されていた。T4作戦と言う。
本文を読む張一兵『レーニンへ帰れ』出版記念会雑感――落ちた偶像へ帰る意味は?――
著者: 岩田昌征張一兵『レーニンへ帰れ』(平成28年、世界書院)出版記念会が明治大学自由塔1076教室で開かれた。9月17日午後。大部の書を拾い読みしながら、記念講演とコメントを聞いた。 私は、抽象度の高い諸概念が飛び交う哲学的議論が苦
本文を読むポーランド国有企業私有化ビジネスに「山一」も参入
著者: 岩田昌征Witold Kieżun ヴィトルド・キェジュンなる、一言で評すれば、ポーランド愛国者なる表現がぴったりの老知識人がいる。1922年生まれ。1944年8月、反独ワルシャワ蜂起に参加した人物だ。ワルシャワ蜂起博物館が編集
本文を読む労働者大統領ワレンサの名義貸しの下で断行されたウルトラ反労働者政策―ポーランド1990-94年
著者: 岩田昌征ワルシャワのオフィス・レディ三人のワレンサ観 8月3日の夕、ワルシャワの旧市街で三人のポーランド人と話し合った。1976年以来間歇的に交流のあった女性達だ。彼女等は党社会主義ポーランドの交通省附属の2年制経済学校を相前後
本文を読む日本独立国士 木村三浩氏に送る
著者: 岩田昌征雲低き葉月三五のみやしろに 堅めて攻めじと誓ふ大和児 みいくさのくさぐさみたま集ひ来て いくさなき世を守り堅めむ 近津代にやまとみいくさとつくにを 犯せし不幸痛く忘れじ &
本文を読むワルシャワの抗議テント
著者: 岩田昌征7月下旬ポーランドの首都ワルシャワで偶然「テント村」と言うか、「テント広場」と言うか、東京の経産省脇のそれに似た光景に出会った。 ワルシャワにワジェンキ公園なるショパンにゆかりある大きな公園がある。それに平行して大通りが
本文を読むドナウ河畔の楼蘭に九条・安保レジームを思う
著者: 岩田昌征習近平中国国家主席が6月17日―19日の三日間セルビアを訪問した。 その直前、中国の大鉄鋼企業がドナウ河畔の町スメデレヴォの製鉄所を取得していた。そして小さな町の5000人の仕事が保証された。習近平は、セルビア大統領トミ
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