「変革のための総合誌」『情況』(2016年4/5月)の巻頭論文「新左翼はなぜ力を亡くしたのか?」を読んだ。そこで論じられていない仮説的視角から同じ問題を考えてみたい。 数日前、ある研究会に参加した。かつて自分達の人生の相
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
昭和市民社会流産の一因――ドラマ『奇妙なり』に寄せて
著者: 岩田昌征安倍源基(昭和7年・1932年、警視庁特高初代部長)の『昭和動乱の真相』(中公文庫)によれば、昭和動乱(3月事件、血盟団事件、5.15事件、神兵隊事件、2.26事件等)の「導火線ないし誘因となったのは、昭和5年春浜口内閣
本文を読む原爆、オバマの折り鶴、プーチンの十字
著者: 岩田昌征5月27日、アメリカ大統領オバマ氏は、広島原爆資料館を訪れた際、御手製の折り鶴2羽を出迎えに出た小中学生等に手渡し、2羽を資料館に贈った。人々は、そこにパフォーマンスと言うよりも、彼の気持を感じた。 私=岩田は、このニュ
本文を読むNATO空爆、F-117とF-16の撃墜余話
著者: 岩田昌征ベオグラードの日刊紙『ポリティカ』(2016年4月28日)にアメリカ軍のある人事ニュースが載っていた。米空軍参謀長にデイヴィド・ゴルドフェイン将軍が任命された。そのニュースを知って、ユーゴスラヴィア防空軍の退役大佐ゾルタ
本文を読む獄中で右翼が見た左翼
著者: 岩田昌征ここ20年間、左翼はほとんどみんなデモクラットやリベラリストに変身してしまい、「社会主義者」の5文字が温水中に溶解して見えなくなっている。最近は水温も徐々に下がって、溶け込んでいた「社会主義者」の5文字が結晶化して姿を現
本文を読む楠木勢対足利勢――古賀報告を理解するために
著者: 岩田昌征専修大学(神田)5号館において4月23日(土)合澤氏主催現代史研究会が開かれた。論題は「北一輝」、論者は古賀暹(元『情況』編集長)。 報告者古賀氏は、従来北一輝が超国家主義者として主に論じられて来た所に不満である。とは言
本文を読む七ヶ国外相広島宣言に「人類的禍毒」を
著者: 岩田昌征今朝の『朝日新聞』(4月13日)第4面によれば主要七ヶ国外相広島宣言における英文human sufferings as a consequence of the atomic bombings の外務省訳「非人間的苦難」
本文を読むワイツゼッカー演説と安保法体制
著者: 岩田昌征平成25年8月23日の「ちきゅう座」に「安保の悪夢と九条の悪夢」なる小文を発表している。私の和戦に関する基本的な構えはそこに出ている。しかしながら、今日議論されている安保法体系や立憲主義の諸問題に関して自信をもって熟議民
本文を読む「友愛」の復権について
著者: 岩田昌征前近代社会から近代社会が分離自生するプロセスの中で交換(Ex.)、再分配(Red.)、互酬(Rec.)なる社会的統合因が離床自立して、市場、計画、協議なる経済メカニズム、経済システム、経済ネットワークに転生し機構化する。
本文を読むヘーゲル、マルクス、伊藤博文、聖徳太子――滝口清栄氏の報告に刺戟されて
著者: 岩田昌征合澤清氏主催現代史研究会が昨12日、明治大学研究棟で開かれた。293回目である。演題は「ヘーゲル法哲学研究-回顧と展望-」、論者は滝口清栄氏。 ジョン・メイナード・ケインズは、『雇用・利子および貨幣の一般理論』で次のよう
本文を読むSITUATIONか『情況』か
著者: 岩田昌征雑誌『情況』が雑誌コード発行から書籍コード発行へ切り替わったのを機に誌名(書名)を『情況』から『SITUATION』に変更したらしい。正確に言えば、『情況』を小文字化し、大文字の『SITUATION』を新しく追加している
本文を読む日本独立志士木村三浩氏と共にセルビア大使館へ弔問―アメリカのリビア空爆と大使館員の死
著者: 岩田昌征先月25日(金)の午前、日本独立運動家木村三浩氏から電話があって、セルビア大使館の前で午後何時に待合わせようとさそって来た。2月19日朝米軍の戦闘機がリビアのトリポリ西方サブラタ近郊にある「イスラム国」徴募訓練施設を空爆
本文を読む福島原発、燃料デブリ<地下>取り出し案
著者: 岩田昌征SVCF(福島原発行動隊)なる原発賛成・反対の立場を超えて1F原発事故収束を目指す公益社団法人がある。2011年(平成23年)4月に故山田恭輝氏(住友金属技師)が結成した。放射能下の収束作業を放射能障害の甚大な若者に代わ
本文を読む神道と原発――國學院大學「共存学」への期待――
著者: 岩田昌征2月20日の「意見・評論・紹介」欄、「自由・平等・友愛――政党と経済」で述べたように、國學院大學公開研究会に出席した。そこではじめて知った事だが、國學院大學の諸教授がリードする「共存学」なる知の領域が生成しつつあり、『共
本文を読む自由・平等・友愛―政党と経済
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」の「催し物案内」欄(2月3日)に伊藤誠先生が國學院大学公開研究会「資本主義はどこへ向かうのか?」への出席呼び掛けをのせていた。2月11日とのことであった。紀元節に國學院(神道学を要とする大学)で神社暦267
本文を読む対中「敗戦認識」不形成の一遠因
著者: 岩田昌征第二次世界大戦のヨーロッパ戦域においてドイツ第三帝国と最初にたたかい、かつ最も長くたたかった国はポーランドである(1939-1945年)。アジア戦域において大日本帝国と最初にたたかい、かつ最も長くたたかった国は中国である
本文を読む岩田昌征さんのコメント(1月24日付け)に応えて
著者: 柴垣和夫1)日本的経営・生産システム(会社主義)の評価について 私は、岩田さんが引用されていた鍵山整充著『企業および企業人』(白桃書房、1977年)を読んでいませんが、戦後の第一世代から1970年代頃までの経営者には、このような
本文を読む朗報 昨年も自殺者減少――アベノミクスの効果か否か――
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(夕刊)1月16日号によると、昨年1年間の自殺者数は、2万3917人で6年連続減少となった。着目すべきは、1997年以来18年ぶりに2万5000人を下回ったことである。1997年の自殺者数は2万4391人であ
本文を読む『青い山脈』と旧ソ連東欧諸国のいわゆる「有色革命」
著者: 岩田昌征去年母の妹が95歳で他界した。これで我が母の兄弟姉妹はすべてあの世である。原節子と同年に生まれ、同年に去った。別にこれが理由ではないが原節子主演の『青い山脈』を池袋の新文芸座で観た。 印象に残った所が二つある。 一つは、
本文を読む柴垣経済学の射程――会社主義と自主管理社会主義との距離は?
著者: 岩田昌征柴垣和夫(東大名誉教授)氏の現代資本主義論を現代史研(合澤清氏主宰)第292回研究集会ではじめて拝聴した。 私にとって着目に値する二論点がある。第一は、日本的経営・生産システム(会社主義)に関する氏の評価である。第二は、
本文を読む「アベノミクス」経済学者の平和歌曲集
著者: 岩田昌征1月7日(木)夕刻、銀座山野楽器本店で伊藤誠(東大名誉教授)氏にばったり出会った。氏は端唄を趣味とすると聞いていたので、おもわず「端唄のCDでもさがしに?」と話しかけて、「23日 五味先生の研究会、先生の報告を楽しみにし
本文を読むポーランド『連帯』と「連帯なきポーランド資本主義」
著者: 岩田昌征2冊のポーランド語の書物を入手した。 第1冊は、『同志から資本家へ』(ヤン・チェンスキ著、2014年、ワルシャワ)で、「如何にして企業家達はポーランドをヨーロッパの最もダイナミックな経済に変えて行ったか」なる副題が付いて
本文を読むポルトガル外交官のボスニア・ヘルツェゴヴィナ多民族戦争回避努力
著者: 岩田昌征セルビアの日刊紙『ポリティカ』(2015年12月12日)に私にとって見過ごせない記事がのっていた。ポルトガルの外交官ジョゼ・クティリェロが旧ユーゴスラヴィア戦争犯罪ハーグ国際法廷でラトコ・ムラディチ裁判において最近行った
本文を読むNHKウィーンフィル・ニューイャーコンサートの隠喩
著者: 岩田昌征「ウィーンフィル・ニューイャーコンサート」は、例年NHK Eテレ目玉番組であろう。今年も解説者や司会アナウンサーが満面笑みをたたえて、ウィーンの音楽文明が如何に素晴らしいかを語り、コンサート放映を盛り立てる。私も素直に画
本文を読む朗報・自殺者減はアベノミクスの効果か?
著者: 岩田昌征私が近現代の経済社会を考えたり、観察したりする時、近代以前の経済社会的統合作用系である交換、再分配、互酬から出発する。それぞれが近代文明開化の理念である自由、平等、友愛によって牽引されて、市場メカニズム、計画システム、協
本文を読む「空爆vs.夢想」続――戦場のサッカー
著者: 岩田昌征「空爆vs.夢想」の続きを書きたい。そこで私が提案した夢想は単なる空想ではない。1999年3月下旬から連日3ヶ月続いたNATOによる対セルビア大空爆期に起こった「実」話に、ヒントを得ている。その「実」話は、私の著書『社会
本文を読む空爆 vs.夢想
著者: 岩田昌征シリア内戦とイスラム国伸長に対するヨーロッパ諸国の介入を見ていると、1840年阿片戦争以降、イギリス、フランス、ロシア、ドイツと言った欧州諸列強が老大国清国に次々と威力介入して行った様子が縮小されたスケールで再現されてい
本文を読む空爆と二重心性
著者: 岩田昌征空爆の連鎖反応である。A国が、B国が、C国が、R国が、E国が(イギリスの議会討論を見ていると、ああ、アヘン戦争の時もこういう民主的議論を経て大艦隊を送り込んだのだな)、……と言う具合に、同じ地域の、殆ど同じ敵を空爆する。
本文を読む映画『ワルシャワ蜂起』とルーズヴェルト主義
著者: 岩田昌征ポーランド映画『ワルシャワ蜂起』を二度観た。去年7月ワルシャワで、今年新宿の映画館で開催された「ポーランド映画祭2015」で。 1944年8月1日、ロンドン亡命政府のポーランド国内軍は、ソ連軍の手によってではなく、自分達
本文を読むパリにおける不幸:民衆による民衆殺し
著者: 岩田昌征無差別テロが「流行」している。不謹慎な言い方だが、そう感じる。世の識者は、自称イスラム国と関連付けて論じる。イスラム国もそう公言している。 私の実感では、あくまできちんとした分析をふまえた判断ではないが、無差別テロの「流
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