「ちきゅう座」の「評論・紹介・意見」面に「安倍談話の正負」を書いた。日本国首相が「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」と内外に向けて語った事、私はそれを正と見た。同時にそ
本文を読む岩田昌征の執筆一覧
ブント参謀本部に感謝
著者: 岩田昌征「青木昌彦・姫岡玲治を偲ぶ会」に出席した。所は明治大学自由塔1階、時は平成27年9月14日。昭和35年(1960年)安保闘争の55年後、平成安保闘争たけなわの頃であった。私も会の話者であった。 会の主催者は、元社学同委員
本文を読むシリア人等難民問題――生命から生活へ――
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」で現在進行中のシリア人等難民大量移動事件について何人かが書いている。いずれもスペイン在住、ハンガリー在住、ドイツ旅行中の人だ。日本国内の新聞やテレビ報道だけでは、何かを述べる材料としては不十分なのかも知れな
本文を読むテント裁判と国家の品格
著者: 岩田昌征私は、経産省前テント広場裁判を地裁で2回、高裁で3回傍聴することが出来た。3回目が9月18日結審であった。くじ運が良かったらしい。 私の率直な印象は、「日本国家から品格が消えた。」である。もともと国家に品格があろうか、と
本文を読む「土と汗」か「お金」か――シリア難民に思う
著者: 岩田昌征かって四半世紀前湾岸戦争があった。1991年1月クウェートを武力征服したサダム・フセインからクウェートの主権を回復するべく、国連決議の下にアメリカ軍主導の多国籍軍がイラクを攻撃した。日本は、出兵せずに、130億ドルを戦費
本文を読む安倍談話の正負
著者: 岩田昌征安倍談話は、冒頭に19世紀における西洋諸国による圧倒的植民地支配の現実を想起する。日本もまた植民地化されるかも知れないと言う危機感の中で、「独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリ
本文を読む安倍談話における「歴史」
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(8月15日)第6面の「戦後70年の安倍談話(全文)」を読んだ。 20年前の村山談話、10年前の小泉談話とくらべて何倍も長い。近代史・現代史担当大学教授による通年講義の初回序章としてみれば、中々
本文を読む平成安保新体制を見て、高尾の山陵に詣でる
著者: 岩田昌征平成27年(2015年)安保新体制は、明治維新以来の我国軍事態勢の「革命」的大転換ではないか、と思う。 旧日本軍は、外征防衛の軍であった。時運のおもむく所、やがて外征侵略の軍に変質してしまった。しかしながら、それでも日本
本文を読む昭和維新、原発、三木清
著者: 岩田昌征私が参加する万葉集勉強会のある会員から御尊父の三著書をいただいた。 ①中村武彦著『維新は幻か わが残夢猶迷録』(いれぶん出版、平成6年) ② 〃 『私の昭和史 戦争と国家革新運動の回想』(展転社、平成1
本文を読む6.15国会前樺さん追悼式に献花して
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(6月16日、朝刊、34面)に「樺さん追悼国会前で献花」の記事がある。花を持つ参列者の写真の中に私の後姿もあった。 私は、55年前の国会南通用門内外における衝突の当事者rank-and-fileの一人でありな
本文を読むマルクス経済学に一言
著者: 岩田昌征ある研究会でマルクス経済学の宇野シューレ系列の理論家の講演を聞くチャンスがあった。 講師小幡道昭のレジュメに言う。「歴史理論としての戦後のマルクス経済学は、経済史と経済理論に挟撃され、いまや絶滅の危機に瀕している。」 自
本文を読む国立大学と「君が代」
著者: 岩田昌征『朝日新聞』(5月6日 第9面)に、国立大学における国旗掲揚・国歌斉唱が政府によって要請されると言う事件に関する読者による賛否の投稿が載せられている。 一読して、私は15年前のある経験をまざまざと想い出した。国旗国歌法が
本文を読む擬辞世
著者: 岩田昌征擬辞世 ますらをと思へど我を腹底に 耐え難てにこそ痛み覚ゆれ 年を経て病ひ痛みに臥しぬれば 逝きにし吾妹かんばせ偲ばゆ 「ヤパンカになるの!」と言ひて来し吾妹 なでしこもどき代田に咲けり 秀吉も芭蕉も共につひの夢
本文を読むホッブス、自然法、孔子――水田洋教授の見落としと経産省前テント
著者: 岩田昌征ある必要があって、ホッブズの『リヴァイアサン』(1.水田洋訳 岩波文庫)を読んでいて、思いがけない事実を発見した。一つの社会思想史的事実である。 周知のように、ホッブスは、人間の始源的状態を無制約的自由の状態、結局は、各
本文を読む原発と陶淵明
著者: 岩田昌征3月は悲哀の月になってしまった。昭和20年・1945年3月10日と平成23年・2011年3月11日。10日も11日も俳句の季語になっているかも知れない。3月10日は、民衆の大量焼殺の日であった。それでも東京下町の復活は可
本文を読む「斬首非難」の欧米的恣意性
著者: 岩田昌征イスラム国登場以来、捕虜斬首の残虐性が強調される。私の記憶が正しければ、西欧・北米・日本の市民社会によって支持されて行われた大NATOによる小セルビア空爆の時、セルビア人やコソヴォ・アルバニア人の一般民衆も亦殺害されたが
本文を読む「テントひろば」内藤意見書への感想
著者: 岩田昌征「ちきゅう座」で、内藤光博教授(専修大学法学部)による「いわゆる『経産省前テントひろば』に関する憲法学的意見書――表現の自由と『エンキャンプメントの自由』――」を一読した。 それによると、日本国民は、「公開空地」や「公開
本文を読む必見『日本と原発』
著者: 岩田昌征今年の1月21日、明大自由塔裏手の研究棟会議室で映画『日本と原発』の監督による講演「原子力ムラの復活にどう立ち向かうのか」を聴講した。 数日後、シネマート六本木で『日本と原発』を観て、はからずも監督のトークを拝聴出来た。
本文を読むアウシュヴィツ強制収容所解放70周年式典の謎
著者: 岩田昌征東京新聞夕刊(平成27年1月28日)に「アウシュビッツ70年式典」が報じられ、「ポーランドのコモロフスキ大統領、ドイツのガウク大統領、イスラエルの閣僚ら欧州を中心とする関係国が出席。日本政府からの出席者はなく、ロシアのプ
本文を読む「表現の自由」は「表現の自由」によって犯される?!
著者: 岩田昌征『シャーリー・エブド』誌風刺画家大量殺人に抗議する「私はシャーリー」200万人市民デモ開始の直前、フランス大統領フランソワ・オランドは言い放った。「今日パリは世界の首都である。」ドイツ首相、イギリス首相、トルコ首相、EU
本文を読むロシア内「プーチン=ヒトラー」論とアメリカの「反ナチズム」反対外交
著者: 岩田昌征ロシアは、権力者と呼ぶにふさわしい真性の権力者を生み、同時にまた、批判者と呼ぶにふさわしい批判者を生む。 去年の4月、知人のロシア語第一人者が手紙をくれて、ロシアの主要紙『ヴェードモスチ』(2014年3月1日)に国立モス
本文を読むロシア「解体!」とプーチン「裁判!」――染谷武彦氏の書評を読んで――
著者: 岩田昌征「評論・紹介・意見」欄において染谷武彦が塩原著『ウクライナ・ゲート』を評する一文の中で、「ネオコンの究極目標はロシア連邦を解体に導き、プーチン大統領を第2のミロシェビッチとばかりに、ウクライナ戦犯として国際法廷に立たせる
本文を読む大瀧教授のケインズ経済学とユーゴスラヴィア社会主義
著者: 岩田昌征最近、紀伊国屋書店で大変に面白い一書を発見した。大瀧雅之著『動学的一般均衡のマクロ経済学 有効需要と貨幣の理論』(東京大学出版会 2005年)である。マルクス派ではない主流派現代経済学、中国流に言えば、「西方経済学」の今
本文を読む映画『ワレサ 連帯の男』に登場した労働者達の運命
著者: 岩田昌征1980年8月16日、グダンスク造船労働者レフ・ワレサを指導者とするポーランド各地の労働者は、「工場間ストライキ委員会」を結成し、いわゆる21個条要求を統一労働者党(共産党)につきつけ、その結果「独立自主管理労組<連帯>
本文を読むアンジェイ・ワイダ『ワレサ 連帯の男』によせて
著者: 岩田昌征7月下旬、ワルシャワ市中心地区のある本屋にS.ツェンツキェヴィチ著『ワレサ ファイルの男』の広告ポスターがはられてあった。 本書の写真の下に次のような広告文が記されている。 本書は、ワレサの公安との協力に関する追加の一冊
本文を読む塩沢由典著『リカード貿易問題の最終解決』の知的貢献
著者: 岩田昌征研究者なら誰しも停年退職の時に、自分の代表的新著を公刊したいものだ。そんな幸福を享受出来る者は、残念ながら数少ない。塩沢由典は、そんな少数者のひとりだ。 今年の3月末、塩沢由典著『リカード貿易問題の最終解決 国際価値論の
本文を読むゴルバチョフ 与謝野晶子 大塚楠緒子 白楽天より見たる集団的自衛権
著者: 岩田昌征平成26年7月1日、安倍内閣は、集団的自衛権を閣議決定した。明々白々に立憲政治を否定してしまった。 私は、1990年6月初のゴルバチョフ大統領発言を想い出した。ワシントンにおけるブッシュ大統領との公式会談、
本文を読むクリミア問題補論
著者: 岩田昌征『現代思想』(2014年7月)の「ロシア特集」にある有力なユーラシア研究者がロシアのクリミア編入を批判して、「なぜ欧米はコソヴォの独立を認めてクリミアの編入を認めないのか、などという問いは問題のすり替えでしかない。」と書
本文を読む対露強硬派ポーランド外相の本音
著者: 岩田昌征「親米派ポーランド外相の本音」で、ワルシャワのある高級レストランで現外相シコルスキが前財務相ロストフスキ(長年の友人)に「ポーランド・アメリカ同盟は無価値、有害、Bullshit(直訳は牛糞、間投詞として、くそ!、ばか!
本文を読む親米派ポーランド外相の本音
著者: 岩田昌征『現代思想』最新号(2014年7月号)を読んでいたら、ロシア・ポーランド文学者沼野充義氏がソヴェト史研究者塩川伸明氏に「現在のポーランド外務大臣のシコルスキは非常に親米的な対ロシア強硬派ですから、ウクライナを自分たちの陣
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