今日の原発関連ニュースから
- 2011年 6月 15日
- 交流の広場
- 安東次郎
毎日、原発の話で恐縮ですが、お許しを。
さて、イタリアの国民投票の結果を伝えるNHKの報道ぶりには、おどろく。いわく「イタリアは原子力を使用していないので、電力料金が高い」、「火力発電にもどると地球温暖化が心配だ」。
しかし「原子力発電は安い」というのも、「CO2が地球温暖化の原因」というのも、まったく根拠がない話。この点は多くの方が語られていることだから省く。(たとえば、http://chikyuza.net/archives/10000 )
しかし、仮にこれが本当だとして、だから「原発が良い」ということになるのか。NHKの方々は「うちの子も被曝しちゃうけど、電気代が安いほうが大事」とおっしゃるのか。あるいは「CO2は猛毒だけど、プルトニウムは安全」と。まったく正気の沙汰ではない。
もっともNHKでは地震直後、「原発は大丈夫」と言い、「メルトダウンはあり得ない」と言い、「放射能が漏れても、100mシーベルトまでは健康に影響はない」と言っていた放送局だから、そのくらいは平気で言うのか。
今日のニュースでは、もう一つ「筑波大による土壌汚染測定の結果」があった。http://www.47news.jp/news/2011/06/post_20110614100700.html
これによると「茨城県や千葉県の一部の土壌から・・・1平方メートルあたり約4万ベクレルの放射性セシウム137が検出された。… 4万ベクレルは、国が定める「放射線管理区域」の基準と同程度」とのこと。こんな『放射線管理区域』で子どもたちが体育をしたり、遊んだり、水を飲んだり、そこで採れたものを食べたりしているわけだ。
事態がここまで到っても、政治は、自民党も民主党も原発推進・維持派が主流。もっとも「菅首相は脱原発にカジを切った、菅首相を守れ」などという宣伝も。でもいったい、いつ管首相が『脱原発』といったのかしら。
今日の与謝野氏(現内閣)、石原氏(自民党)のイタリアの原発国民投票結果に関する発言を聞くと、この人たちは、政治家という以前に、人間としての責任というものをどう思っているのか、疑ってしまう。
この人たちはこれまで、『原発は安全です』といってきたのだ。『原発は危険で、メルトダウンするかもしれないけど、それでもシカジカの理由からして原発を使いましょう』とは言わなかったのだ。
ところが現に原発が爆発・メルトダウンしても、彼らは「自分たちの認識が如何に甘かったか」について謝罪しない。
まったくの無責任。呆れ返るとは、このこと。
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