SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】406 党派を超えてトランプ植民地主義に反対!
- 2021年 1月 16日
- 評論・紹介・意見
- アメリカサハラトランプ平田伊都子西サハラ
米ファイザー社と米連邦保健当局は、同社とドイツのビオンテック社が開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの1回目の接種を受けた医療従事者が16日後に死亡したと、発表しました。 東京都では、コロナ自宅療養者の方々がお亡くなりになっておられるそうです。 フランスでは、午後6時以降の外出を禁止しました。モロッコではコロナ感染累計者数が、2021年1月15日までに457,625人になったと、モロッコ保健省が発表しました。 ヨーロッパからモロッコへの観光客は、激減しています。 そんな中、モロッコ王室は観光客の呼び込みを活発化させています。 目的地はモロッコ本土ではなく、モロッコ占領地・西サハラです。
① アメリカ外交団のモロッコ占領地・西サハラのダハラツアー:
2021年1月10日、ダビド・シェンケル米国務省中東担当とダビド・フィシェル駐モロッコ・アメリカ大使夫妻や米経済人一行が、モロッコ占領地・西サハラのダハラを初訪問し、式典を開催した。2020年12月10日にトランプ氏が電話で<モロッコの西サハラ領有権>を承認したことを受け、モロッコ王室とトランプ一家は大急ぎでダハラ米領事館の新設や経済開発を進めている。
モロッコがダハラを売りに出したのは、漁港であることに加え、真っ白な砂と荒々しい断崖絶壁のある凄い海岸線を持っているからだ。モロッコは、世界に類のない前世紀のリゾート地を看板に、欧米の観光客を、それも早急に呼び込み、モロッコ基幹産業である観光業の壊滅を救おうと目論んでいる。アメリカのモロッコ大使に就任する以前にデトロイトで車のセールスをやっていたユダヤ人のダビド・フィシェル氏は、まさにモロッコ・アメリカ商売セールスに適役だ。アメリカのDFC(国際財政協力)トップを務めるアダム・ボーラー氏は、100,000,000ドルをモロッコ・サハラに焦点を絞り資金援助すると明かした。
アメリカは、まずは金をばら撒いた。
2月半ばから、火曜日と金曜日の週二回、パリ・ダハラ直行便を飛ばす予定だ。9時45分パリ発は午後2時25分にダハラに着く。一方、午後3時25分ダハラ発は午後7時45分にパリに着く。
目標は事実上消滅した<パリ・ダカール・ラリー>の再興だとか??
② ジョン・ボルトン元トランプ大統領補佐官がバイデン次期大統領に進言:
1月8日、アン・リンデ・スエーデン外務大臣は、「ジョン・ボルトン元米国家安全保障問題担当大統領補佐官の<モロッコ西サハラ領有権承認>反対声明に賛同し、<国連西サハラ人民投票>以外に西サハラ紛争解決策はないことを再確認する」と、スウェーデン社会主義青年組織で述べた。さらに、「スウェーデン政府は、SADR(サハラウィ・アラブ民主共和国)を早急に承認すべきだ」と、言及した。
社会主義のスウェーデン外務大臣から熱い支持を得たジョン・ボルトン元米大統領補佐官は1月12日の外国通信協会で、「トランプによるモロッコの西サハラ領有権承認は、アメリカ合衆国に対する信頼を失墜させた、大きな間違いだ。この言葉は、バイデン政権に我々が強く撤回を求めなければならない、トランプ政権の誤った言質の一番いい例だ。トランプ陣営は、何の知識も考えもないままに、煽られて<モロッコの西サハラ領有権承認>をやらかしてしまった」と、アメリカ合衆国の権威を失墜させたトランプ陣営を、強く非難した。そしてジョン・ボルトン元米大統領補佐官は「西サハラ紛争解決のため、我々がMINURSO(ミヌルソ国連西サハラ人民投票監視団)を創ったブッシュ政権の時から、私は絶えず活動を続けてきた。しかし、率直に言って、国連での何年にもわたる論争は、我々が1991年に創設したレファレンダム(国連西サハラ人民投票)を脇にやって、もっぱらモロッコの地方自治権に費やされてきた。いかにレファレンダム(国連西サハラ人民投票)に焦点を当てるのが難しかったか、、」と、ジョン・ボルトン元米大統領補佐官は自身の国連大使時代も織り込みながら、回想した。そして、「正直なところ、もしレファレンダム(国連西サハラ人民投票)をやる気がないのなら、その名を騙るMINURSO(国連西サハラ人民投票監視団)なんて廃止すべきだ」と、ジョン・ボルトン元米大統領補佐官は結論付けた。
ジョン・ボルトン元米大統領補佐官は、子ブッシュ政権のイラク戦争を加担し、イラク戦争犯罪を認めず、ICC(国際刑事裁判所)の戦争犯罪判決を否定するアメリカ国家第一主義者だ。が、イラク戦争を牽引したネオコン(ネオコンサーバテイブ)と一緒にされるのを忌み嫌う。ネオコンはベトナム反戦運動で立ち上がったユダヤ人社会主義有識者たちが転向した、保守主義集団を言う。ジョン・ボルトン自身は高校時代から生粋の保守派で、反共主義者だと自負している。ジョン・ボルトン元米大統領補佐官とネオコンの接点は反共で、ネオコン・ユダヤ人の多くはロシアの迫害を経験しているため、共産主義を生理的に嫌う。
しかし、アメリカでは革新派、保守派を問わず西サハラ人民を支持してきた。中でもジョン・ボルトン元米大統領補佐官は、自らMINURSO(国連西サハラ人民投票)創設に貢献し、その人民投票実現を目指しただけに、思い入れが強い。西サハラの人々は、信念を曲げない頑固なジョン・ボルトン元米大統領補佐官に、もっと真摯にアプローチすべきだと思う。主義主張が一致しなくても、彼ほど国連と国連の裏事情に詳しい人はいないのだから、、
③ アルジェリア外務大臣が南アフリカ訪問:
1月11日と12日に、サブリ・ブカドム・アルジェリア外務大臣が南アフリカを訪問した。アルジェリアも南アフリカも立派な社会主義国だ。ナルディ・パンドール南アフリカ外務大臣とサブリ・アルジェリア外務大臣は共同記者会見で、「我々は、空席になっている国連事務総長西サハラ個人特使を、国連事務総長が速やかに指名することを、強く要請する。我々は、占領地で日々高まっている軍事的緊張に強い懸念を抱いている。我々は、1991年の安全保障理事会決議690に基づき、自由で公正なレファレンダム(国連西サハラ人民投票)の実現を目指す。我々は、持続可能で両当事者(モロッコと西サハラ)が納得できる政治的解決を望んでいる。その行動こそ、西サハラ民族自決権の行使になってくる」と、声明を出した。元アルジェリア国連大使のサブリ外務大臣は、「国連での南アフリカの働きぶりは誠に頭が下がる。UN国連やAUアフリカ連合での南アフリカは、アフリカ大陸のみならず全世界のお手本となる。シリル・ラマポーザ大統領の心強い指導力の下、これからも南アフリカが国際社会を引っ張っていくことを期待している」と、南アフリカの外交力を絶賛した。
2021年1月11日から13日にかけて、ポリサリオ戦線第3回通常執行委員会が開催された。「アルジェリア同志の、西サハラ大義に対する高潔でゆるぎない姿勢と西サハラ人民へのたゆまない支援に、心から深謝の念を捧げる」と、ポリサリオ戦線事務総長兼西サハラ大統領のブラヒム・ガリ氏は委員会総括の席で、アルジェリアへの謝辞を述べた。
西サハラ難民の人々は、食料から教育から武器弾薬まで、大家アルジェリアの世話になりっぱなしだ、、問題ありです!
イラク戦争の主犯ネオコンが鳴りを潜めているように思われます。 が、ドッコイ脈々と生き永らえて、アメリカ政界に巣食っています。主要な政治家として、マイク・ペンス(共和党、宗教右派、副大統領)、ジェブ・ブッシュ(共和党、子ブッシュ大統領の弟)、故ジョン・マケイン(共和党、元上院議員)、ディック・チェイニー(共和党、元下院議員、元副大統領)、ヒラリー・クリントン(民主党、元上院議員、ビル・クリントンの妻)、ミット・ロムニー(共和党、上院議員)(出典:リベラルアーツガイド)などなど、、
もし、ほかに見つけたら、付け足してください。
左にサブリ・アルジェリア外務大臣、右にナルディ・南アフリカ外務大臣
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年1月16日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion10472:210116〕
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