SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】516 LGBT万歳!
- 2023年 2月 19日
- 評論・紹介・意見
- LGBTサハラ平田伊都子西サハラ
「見るのもいや!」と、元総理秘書官荒井さんが同性愛者のことを言いました。
筆者は全然いやじゃないです!! 荒井さんが嫌いでも、世の中にはそういう愛の形が存在するのです。 同性愛を認めて荒井さんを首にした岸田総理なんだから、当然、同性婚も認めるものだと期待しています。
① LGBTがお嫌いな3大宗教:
LGBT とは、レズビアン(Lesbian)、ゲイ(Gay)、バイセクシュアル(Bisexual)、トランスジェンダー(Transgender)という単語の頭文字で作った用語で、<性の多様性>とか<性的少数者>の意味合いも兼ねている。
イブラ―ヒーム(又はアブラハム)という共通の先祖を持つ、一神教のユダヤ教・キリスト教・イスラム教の3大宗教では、同性愛を<逸脱した行為>として異端視する事例が多々ある。その由来は、旧約聖書で神に滅ぼされた<ソドムとゴモラ>いう悪徳の町の人たちが男性同性愛者だったからということにあるとか?
ソドムから来た英語のソドミー(sodomy)は、法学では不自然な性行為を表現する用語で、一般には男色などを意味する。旧約聖書と新約聖書には他にも男性の同性愛を否定する箇所があるので、キリスト教徒のなかには同性愛を罪深いものとする人もいる。
イタリアの映画監督ピエル。パオロ・パゾリーニ(1922~1975)は、マルキド・サドの原作を20世紀のイタリアに置き換え、<ソドムの市>と題する映画を1975年に発表した。ナチス傀儡政権の4人の権力者たち、大統領・大司教・最高判事・公爵が、自分たちの快楽のために、市町村条例を新しく制定し、秘密の館で淫乱の限りを尽くすという設定で、ソドムとゴモラの世界が展開していく。ダンテの <神曲> に構成を借りて<地獄の門><変態地獄><糞尿地獄><血の地獄>と、4つの章からできている。作品が完成した後、パゾリーニ監督はローマのオスティア海岸で暴行を受けて車で轢殺された。「同性愛者だったパゾリーニから性的暴行を受け、正当防衛で殺した」と、<ソドムの市>に出演した17才の少年が自白した。が、2005年に彼自身が証言を否定し、事件は迷宮入りになっている。
ユダヤ教とキリスト教の後から出てきたイスラム教の聖典コーランも、聖書の話を借用している。神の手で破壊される悪徳の町ソドムから脱出する<予言者ロトと妻子>は、<予言者ルートと妻子>と呼び名を変えてコーランに登場している。ルート(ロト)の妻が神の言いつけを破り後ろを振り向いたため塩の柱になったエピソードも同じだ。
つまり、3大宗教は、LGBTがお嫌いなようだ。
② モロッコで同性愛は有罪:
2022年の夏、女性同士がキスをしているシーンがあるという理由で、UAE(アラブ首長国連邦)が子供向けアニメーション映画<バズ・ライトイヤー>を上映禁止にした。
ウォルト・ディズニ―の子会社が製作する<トイ・ストーリー>シリーズの作品で、目くじら立てるほどのシーンではないが、UAEは女同士だろうが男同士だろうが、同性愛は受け入れないそうだ。イスラム諸国では表向き同性愛を歓迎していない。「バズ・ライトイヤー」はレバノン、エジプト、クウェート、モロッコ、マレーシアなどで上映禁止になった。
イスラム教の聖典コーランで<ルートの民(ソドムとゴモラの人々)>は男色者で、<淫行にふけり、不自然な肉欲に走り天罰が下った>と、描かれている。それゆえ、男色は許されないと、諭している。預言者ムハンマドの言行録であるハディースでも、預言者が、ルートの民の行為をイスラム共同体にとって最も恐ろしいものとし、その行為をしている者を殺せと命じている。
基本的にイスラム教は、婚姻関係にある者同士以外の性行為は禁じていて、婚前交渉や姦通(かんつう)と同様、同性愛はイスラム共同体を破壊しかねない重罪としている。特に男色については死刑とする説が多い。
モロッコは、刑法489条で、同性愛行為に<半年から3年の刑期十200デイルハム(2,596円)から1,000デイルハム(12,980円)>を科すと定めている(モロッコ人の平均月収は2万5千円)。2007年にはこの刑法489により、モロッコ北部クサル・エルカビルの裁判所が、<同性婚の披露宴>に出席していた男6人に有罪判決を下した。
2014年4月、首都ラバトから南に200キロにある小さな内陸の町エキ・ベンサラーで男たちが逮捕され、第一審で同性愛行為ならびに売春扇動・公衆酩酊・飲酒運転において有罪となった。1人は3年、2人は2年半、残り4人はそれより短い刑期を科された。裁判所はまた、刑法第504条が定める「道徳」犯罪の罰として、おそらくは6人全員を当該地からの追放処分とした。控訴裁判所が7月2日、同性愛行為に対する一審の有罪判決を容認した。刑法第489条を適用されて有罪判決を受けた、罪状には「同性との猥褻または不自然な行為」が含まれている。
③ モロッコ国王は同性愛者:
ムハンマド6世モロッコ国王陛下は同性愛者だ。どこ悪い?何も悪くない!
周知の事実だが、ご本人のカミングアウトは聞いてない。が、日本でもLGBTが議論されるようになったので、国王の同性愛情報をスペインやフランスやアルジェリアの報道から集めて紹介する。
ムハンマド6世モロッコ国王陛下が皇太子だった時、王立警備隊の将校と同性愛関係を持っていた。そのため、父の故ハサン2世は、この将校をトラック事故で暗殺した。故ハサン2世は、ムハンマド皇太子が留学先ブリュッセルのゲイバーに入り浸っているとの情報を得て、現地にスパイ網を張り巡らせた。故ハサン2世のもとに、嘘も混じったタレコミ情報が殺到した。その一つに、ラバト近くのサレにある皇太子の宮殿に、数人の男性が絶え間なく頻繁に出没しているという情報があった。その噂が一般臣民に広がり、モロッコ空軍は同性愛者の皇太子が王位を継ぐことに、異議を唱えた。が、1999年、ハサン2世は逝去し、皇太子が後を継いだ。
ムハンマド皇太子が王位を継承した時、オランダの国営テレビNOS-Journaalは王位継承を祝い、「若くて新しいモロッコの王は同性愛者」と、紹介した。このニュースは、オランダの主要な新聞De Gay Krantにも掲載された。
ベルギー首都ブリュッセルのモレンベークにはモロッコ人のコミューンがあり、ここで育ったモロッコ移民二世たちが、数々のテロ事件を起こした。2015年のパリ同時多発テロでは130人の市民を、2016年のブリュッセル連続テロでは32人の市民を殺した。実行犯で一人生き残って裁判中のサラ・アブデ・イスラム(1989生まれ)は、コミューンで兄とゲイバー<レ・レギネ>を経営するレント・ボーイ(男娼)だった。
2016年12月、モハメッド6世国王は、マラケシュの王宮で、フランスのビジネスマンでLGBTロビーの責任者でイヴ・サンローランの公私にわたるパートナーで同性愛者のピエール・ベルジェを国賓級招待した。国王とベルジュは<イヴ・サンローラン・マラケシュ美術館>を企画していたが、開館直前にピエール・ベルジュは死去した。
ムハンマド6世の同性愛をめぐる論争は2019年にも再燃した。2019年2月26日、スペインのマスコミは、「ムハンマド6世とララ・サルマ王女は数ヶ月前に別れた。理由は国王の同性愛」と、発表した。が、未だに離婚の公式発表はなく、王室による否定もない。
ララ・サルマは2002年3月21日にムハンマド6世と結婚し、ムーレイ・エルハッサン皇太子とハディージャ王女の2人の子供をもうけている。
(情報出展は、スペインのジャーナリスト、フェラン・サリス・エッグや同じくスペインのジャーナリスト、ヴィンソン・デギーノやアルジェリアの作家アリ・ラールーシなど)
国王が同性愛者で、全く不都合はありません。 が、不整合というか不条理というか手前勝手というか、全く解せない<国王同性愛>余罪があります。
国王自身の同性愛は無罪で、臣民の同性愛は有罪なのはどうして?
国王自身の同性愛を葬るため、愛する相手を葬ってしまうのはどうして?
国王自身の同性愛を育んだベルギーのモロッコ移民犯罪窟を温存するのはどうして?
親愛なるモロッコ国王陛下殿、ご自身がカミングアウトされてモロッコ刑法に従うか、
でなければ現行のモロッコ刑法を変えて、同性愛を合法化してください。 西サハラ政治囚を痛めつけているモロッコ監獄法を変えることも、お忘れなく、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年2月19日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12830:230219〕
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