本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(399)
- 2023年 2月 25日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
中国共産党のマルクス主義的中華思想
現在の中国共産党は「マルクス主義的中華思想」を抱いている状況とも思われるが、具体的には、「1917年から1991年まで、ソ連が信奉していた共産主義」と「中国古来の中華思想」が結びついた状況のことである。つまり、「資本主義の後には共産主義の時代が訪れる」という「誤った認識」と、「中華思想」、すなわち、「中国が世界の中心であり、その文化思想は神聖なものである」という理解が合わさった状況のことである。
より詳しく申し上げると、「大日本帝国の八紘一宇」と同様に、「中国が、一帯一路などの政策を実行することにより、世界の指導者になろうとする思惑」のことだが、この点については、「生産力や資本力を基にした軍事力」という「資本主義的なパワー」が推進力となっているために、思想としては、「根底からの矛盾」が存在する状況とも言えるようである。つまり、「資本主義や共産主義とは、いったい、何なのか?」という分析ができていない状況下で、「日本と同様の不動産を推進力とした経済成長」に酔いしれた結果として、「米国を排除して、次の覇権国家を目指した状況」とも想定されるのである。
しかし、実際の展開としては、「ロシアのウクライナ軍事侵攻」により「東西新冷戦が復活したよう状況」となっているために、今後の注目点は、「共産主義の完全崩壊ではないか?」とも感じている。つまり、「世紀の誤解」とでも呼ぶべき「史的唯物論」に関して、「どのような誤りがあったのか?」が世界的に認識されるとともに、「このような誤った思想が、二度と復活できなくなる可能性」のことである。
具体的には、「共同体(コミュニティー)が「共産主義(コミュニズム)」と誤解されたことにより、「資本主義の結末として発生するマネー大膨張の後に、どのような時代が訪れるのか?」が理解できていなかった状況のことである。別の言葉では、「西洋哲学が研究していた社会主義が、誤って、共産主義に移行した可能性」でもあるが、この点については、やはり、「共同体の規模とマネーの残高」、あるいは、「共同体の統合がもたらした規模の経済学」などを研究する必要性があるものと感じている。
つまり、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」以降、「世界は、どのような道筋を辿ったのか?」を研究することでもあるが、この点については、「1949年から74年目を迎える中国共産党」が参考になるものと考えており、実際には、「1917年から74年目の1991年に崩壊を迎えたソ連」と同様に、今後、「資金繰りの悪化により、国家が分裂する可能性」のことである。(2023.1.30)
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中対立の副作用
現在、世界的に問題視されていることは「米中の対立」であり、将来的には、「台湾を巡る武力衝突」までもが危惧されている状況でもあるが、この点に関して、私自身が憂慮することは「米中対立の副作用」である。別の言葉では、「2010年前後にピークを迎えたグローバル共同体が完全崩壊する可能性」のことでもあるが、実際には、「共同体の統合がもたらしてきた規模の経済学が、逆回転を始める展開」である。
より詳しく申し上げると、「1971年のニクソンショック以降に発生した、未曽有の規模でのマネー大膨張」に関しては、「グローバル共同体の形成」、すなわち、「世界全体が、お金儲けの価値観に統一された状況」だったものと考えられるのである。つまり、「世界中の人々が力を合わせたことにより、実体経済の成長のみならず、デリバティブやマネーのバブルが形成された状況」のことである。
別の言葉では、「通貨の歴史」を訪ねると、今回の「世界的なマネー大膨張」が、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」以来の出来事とも言えるために、これから想定される「世界的な金融大混乱」に関しては、予想以上の規模となる可能性も想定されるのである。つまり、現在、中国が目論んでいると言われる「サウジなどを巻き込んだ人民元による為替の決済システム」などについては、「米中の対立により、世界全体の金融システムを崩壊させる副作用が存在する可能性」も憂慮されるのである。
そして、この点については、「戦後の26年サイクル」が働いている状況とも言えるようだが、実際には、「1945年8月15日の終戦」から26年後の「1971年8月15日」に「ニクソンショック」が発生し、また、その26年後の「1997年8月13日」に「タイから信用収縮が始まった展開」のことである。そのために、これから危惧される事態は、1997年から26年後の「2023年8月15日前後」にかけて、「目に見えない金融ツインタワーの完全崩壊」が発生する可能性とも言えるのである。
より具体的には、「1997年前後から始まったデリバティブの急激な大膨張」に関して、「前半の約13年間」が「膨張の時期」であり、また、「その後の13年間」が「バブル崩壊と量的緩和がもたらした金融メルトダウンの時期」だった状況のことである。そのために、今後の展開としては、「今後の6ヶ月間に、さまざまな金融混乱が発生することにより、資本主義のみならず、西洋文明が崩壊し、新たな東洋文明の時代が始まる可能性」とも想定されるのである。(2023.1.31)
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金融ツインタワーの炎上と崩壊
現在の「世界的な金融情勢」としては、「目に見えない金融ツインタワーが炎上中であり、そして、間もなく、崩壊する段階を迎えている状況」のようにも感じている。つまり、「約600兆ドルのOTCデリバティブ」と「約330兆ドルの世界債務」に関して、「2001年の9・11事件が、スローモーションのような展開で発生している状態」のことだが、実際には、「2022年の11月9日前後に発生したFTXの破綻」と、その後、「監査法人のマザーが仮想通貨関連の全顧客向けに作業を停止した」という事実が、「ワールドトレードセンターに突入した二機のジェットの役割」を果たしたものと思われるのである。
そのために、再度、「ワールドトレードセンターへのテロ攻撃」を振り返ると、実際には、「アメリカン航空11便とユナイテッド航空175便の2機が、ワールドトレードセンターへと向かい、午前8時46分にアメリカン航空11便がノース・タワー(北棟)に、また、午前9時3分にユナイテッド航空175便がサウス・タワー(南棟)にそれぞれ突入した」という状況だったことも見て取れるのである。つまり、「南棟は突入から56分後、北棟は1時間42分後に崩壊し、破片とそれに伴う火災が、47階建てのワールドトレードセンターの崩壊に繋がった状況」のことである。
そして、この事実を、現在の「金融大混乱」に当てはめながら、「何時、本格的な国債価格の暴落やデリバティブのバブル崩壊が始まるのか?」を考えると、最近の「金利上昇」が、「国債市場の崩壊を防ぐための方策」だったようにも感じられるのである。別の言葉では、「表面上の金利を上げることにより、国債の金融商品としての魅力を高める努力」のことでもあるが、この政策の副作用としては、「今までに積み上がった国債残高に関して、今後、利払い費用が急増する可能性」が指摘できるのである。
つまり、このことが、「ビルの炎上状態」を意味するとともに、間もなく、「ビルの崩壊」を意味する「資金繰りの破綻」、すなわち、「資金繰りに窮した中央銀行が、急速に紙幣の増発を実施する展開」、あるいは、「デリバティブのバブル崩壊」が引き起こす「メガバンクの破綻」も想定されるのである。
そのために、今後の注目点としては、「株価や商品価格などの上昇が、今後、インフレ率の上昇に繋がる効果」、すなわち、「ギャロッピング・インフレ」が「ハイパーインフレ」へと移行を始める展開が挙げられるものと思われるが、タイミングとしては、「世界的なインフレ率が10%台に突入した時」のようにも感じている。(2023.2.1)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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