SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】563 IJC国際司法裁判所は西サハラを容認
- 2024年 1月 13日
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- IJC(国際司法裁判所)ガザジェノサイド平田伊都子西サハラ
2024年1月8日、バイデン米大統領が大統領選挙に向けて、第2回目の選挙演説を黒人大学でやりました。 ガザ戦争をイスラエルと共闘しているバイデンは、アメリカのアラブ票を失いました。 そこでバイデンは黒人票を固めようと、南カロライナの黒人学生を前にトランプ対立候補を意識して、「白人があなた方の権利を潰そうとしている、、」と、ぶちました。
「お前も白人だ!」「ヒポクリット!!」と、ヤジが飛びました。
そして、「ガザ停戦」「ストップ・ジェノサイド(民族大虐殺)」のシュプレヒコールが沸き上がり、バイデンは壇上で立ち往生してしまいました。
① 国連安保理会議場前で、2024年初のアラブ大使グループ記者会見:
2024年1月8日、リヤド・マンスール・パレスチナ国連代表以下12人以上のアラブ国連大使が、国連安保理会議場前で記者会見をした。パレスチナ国連大使は、1月安保理議長国フランスが主催する1月23日の外務大臣級会議で、即時停戦とパレスチナ国家承認が論じられることを強く期待した。そして、これから開かれる様々な国際サミットに向け、3っつの提案をした。その一は<即時停戦>、その二は即時停戦、その三も即時停戦!何よりも即時停戦で、それから、パレスチナ国家の承認に取り掛かり、南アフリカが提訴しているイスラエルのジェノサイド(民族大虐殺)と戦争犯罪の糾弾を、主張した。
パレスチナ国連大使は、「今月中にIJC(国際司法裁判所)が何らかの結論を出し、一刻も早くイスラエルの虐殺に歯止めをかけることに期待している。南アフリカの素晴らしい尽力に心から感謝したい」と述べた。
ジェレミー・コービン・イギリス元労働党党首も、南アフリカのIJC(国際司法裁判所)提訴を、全面的に支持した。
エジプト国連大使は、「パレスチナ問題解決は、1967年の国連安保理決議242にあるパレスチナ国家の承認と、二国家共存が基本になる。242決議には、スペインの大統領(スペイン首相サンチェス)、アイランド、ポルトガル、ベルギーなどEU諸国が賛同している。我々は国連決議と国際法に則って活動している」と、強調した。
以外にもスペイン首相は、パレスチナ国家を承認し二国家共存を公言した!スペイン首相は、その精神を西サハラにも適応してください!!
② IJC (国際司法裁判所)と、ICC(国際刑事裁判所):
IJC(国際司法裁判所)で1月11日と12日に、南アフリカが告訴したイスラエルによるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(大量虐殺)に関する審理が行われた。今回の審理では特に、イスラエルにガザでの軍事作戦の停止を命じるなどの暫定措置を求める南アフリカの要請が扱われる。こうした措置は、裁判所が事件の全容を調べる間、紛争が悪化するのを防ぐためのものだ。審理の期間中も、イスラエルはガザ市民を爆撃しジェノサイドを止めようとしないからだ。
IJC(国際司法裁判所)の案件としては、領土問題や国境問題が多いが、南アフリカの提訴のように、他国が国連の条約義務を破ったと非難するケースが増えてきている。
IJC(国際司法裁判所)は、1945年にオランダ・ハーグに創設された常設の国連最高司法機関だ。当事者となりうるのは国家のみで、当事者たる国家により付託された国家間の紛争などについて裁判を行って判決・命令をする権限を持ち、日本は1954年に加盟した。国籍の違う15人の裁判官で構成され、所長の任期は3年で、2009年から2012年まで小和田恆が所長を務めた。
同じハーグで、常設のICC(国際刑事裁判所)は2003年3月11日に、個人の国際犯罪を裁くために新設された。IJC(国際司法裁判所)とは全く別の裁判所で国連からも独立し、世界123か国が締約している一方、批准していない国も多くある。アメリカ、中国、ロシアの三か国は未加盟だ。日本は2007年に締約した。
ICC(国際刑事裁判所)は2022年3月17日に、ウクライナ侵攻に伴う戦争犯罪や人道に対する犯罪について検察官による捜査開始の申立てで、プーチン大統領に逮捕状を出した。ICCの心ある検察官は戦争犯罪と残虐行為で、ネタニヤフ・イスラエル首相とバイデン・アメリカ大統領の捜査を開始すべきだ。もしかして、もう始まったかな?
1月11日のIJC(国際司法裁判所)法廷では、南アフリカ高等法院のテンベカ・ングクカイトビ弁護士が、「イスラエルは、その軍事攻撃の実施方法からみても、明らかにジェノサイド(民族大虐殺)の意図を持っている」と述べ、「ガザを破壊する意図は、国家最高レベルで醸成された」と主張した。同じく南アフリカの代理人アディラ・ハシム氏は、「パレスチナの人々の生命、財産、尊厳、人間性が毎日、回復不能なほど失われ、それが積み重なっている、、そうした苦しみを止められるのは、この裁判所からの停戦命令だけだ」と訴えた。南アフリカのロナルド・ラモラ法相も、「イスラエルが受けたどのような攻撃も、ジェノサイド(民族大虐殺)条約違反を正当化もしくは擁護するものではない」と訴えた
12日、イスラエルは、「ジェノサイド条約はユダヤ人の保護のために存在する。ジェノサイド条約違反は、ハマスにある。ハマスは人質を非人道的に扱い、ガザ市民も同様に、人間の盾として悪用している。我々は、<文明と野蛮の闘い>の最前線にいる。我々は自衛のために戦っている」と、イスラエルの自衛権を擁護した。
IJC(国際司法裁判所)開廷に先立つ1月8日、アメリカの国務長官ブリンケンは中東諸国の首脳と会談し、1月9日にはイスラエルに入りネタニヤフ首相やヘルツォグ大統領らに会談の結果を報告した。イスラエルでの記者会見でブリンケン氏は、南アフリカがイスラエルをIJC(国際司法裁判所)に提訴したことは「意味がない」と批判した。さらにブリンケン氏はイスラム組織ハマスやイスラム教シーア派組織のヒズボラ、イエメンの反政府武装組織フーシ、そしてこれらの組織を支持しているイランを指して、「イスラエルを攻撃しているこれらの者がイスラエルの消滅とユダヤ人の大量殺害を公然と呼びかけ続けていることを考えると、非情に腹立たしい」と、イスラエル戦争内閣の外務大臣のような発言をした。それもそのはず、ブリンケン氏の父はウクライナ系ユダヤ人、母はンガリー系ユダヤ人、継父ポーランド系ユダヤ人で、ご本人は立派なユダヤ系アメリカ人だ。
1月11日、ジュネーブのIJC(国際司法裁判所)を日本の外務大臣が訪れ、13日には訪米しブリンケン米国務長官に諸々の報告を行った。ユダヤ系アメリカ人エマヌエル駐日アメリカ大使が同席していた。
③ IJC (国際司法裁判所)は西サハラの存在を容認 :
最初の申し立てから、実際に本案の審理が行われるまでに数年を要することは珍しくない。IJC(国際司法裁判所)の判決は最終的なものであり、上訴はできないが、判決を執行する手段はない。IJC(国際司法裁判所)には国境に関する案件が多く、未解決のまま、月日ばかりが経ってしまっている。そのいい例が、西サハラ領有権問題だ。
IJC(国際司法裁判所)は、1975年10月16日に、モロッコとモーリタニア両国の西サハラ領有権をはっきりと否決した。当時の西サハラは、まだスペインの植民地だった。
<1975年10月16日のICJ 見解(意訳)>
「スペイン植民地時代、モロッコ大公に西サハラに住んでいたある部族が忠誠を誓ったということが法的な根拠になるという物証と情報がこの裁判所に提示された。同じように彼らは、モーリタニア国家も西サハラ領土と法的関係に基づくある種の権利を持っているとアピールをした。一方、裁判所は、提示された物証や情報は、西サハラ領土との間にモロッコ王国やモーリタニア国家の領有権を証明するものは全くない、という結論を下した。かくして裁判所は、国連総会の1514決議に影響を与えるような類の法的根拠を見いだせなかった。特に、この地域住民の意志は、彼ら自身が自由にありのままに表明することによって、彼らの民族自決権を行使できるというのが原則で、それを阻むことはできない」
IJC(国際司法裁判所)が判決を出してから、49年になろうとしているのに、モロッコが判決を否定し続け、未だに西サハラ領有権は解決していない、、
2024年初頭のトップをきって、バイデン自ら指名したバイデン子飼いのバイデン政権中枢人物が、「もう付き合ってらんない!自分自身の存在と尊厳を深く深く傷つけられた!!パレスチナ人の命は、他の民の命と同等の重みを持つ!!!」と、バイデンの熱烈な支持者だったパレスチナ系アメリカ人のタリク・ハバシュは、バイデン政権からの離脱を公言しました。
「たくさんのバイデン政権幹部が、バイデンのガザ戦争にウンザリしている」と、彼は付け加えました、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年1月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔eye5183:240113〕
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