SJJA& WPO【西サハラ最新情報】607 アブラハムの血
- 2024年 11月 16日
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- アブラハムトランプ平田伊都子西サハラ
2025年2月2日に受賞される第67回グラミー賞(レコーディング・アカデミー)に、歌手のビヨンセなどと100才のジミー・カーター第39代米大統領がノミネートされました。
オーディオブック最近作のナレーションが評判になっています。
カーター元大統領は、1978年に<アブラハムの血>と言う本を著し、「我々はみんな血の繋がった兄弟なんだ」と、キリスト教徒のカーター大統領はイスラム教徒とユダヤ教徒を仲良くさせようとしました、、
① アブラハム。90才の妻サラに生ませたイサクを神に捧げる(旧約聖書創世記12~25):
中東和平が問題になると、アブラハムという世界三大宗教の祖が登場する。アブラハム
がいつ生まれたのか?正確には、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の啓典には明記されていない。天照大神がいつ民の前に姿を現したのかという質問と同様、昔々、としておく。
「100才になった羊飼いのアブラハムが90才の妻サラにイサクという息子を生ませ、成長したイサクを火炙りにして神に捧げようとした」という神話は、アブラハムを祖と仰ぐ<経典の民>に信じられている。因みに、ユダヤ教とキリスト教では<アブラハム>と、イスラム教では<イブラヒーム>と呼ばれている。
アブラハムはメソポタミア地方のウルで、遊牧民の息子として生まれた。75才の時に神から「私が指す地方に行け」と啓示を与えられたので、妻のサラや甥のロトを連れて神の指す地・パレスチナを目指した。が、神が約束した地方が飢餓に見舞われたので、アブラハム一行はエジプトへ避難した。美しい妻サラが原因で自分が殺されるのを恐れたアブラハムは、妻サラを自分の妹と称した(実際、アブラムの異母妹)。エジプト王はサラを妻にし、そのおかげでアブラハムは、まんまと一大財産を築き、その財産を担いだアブラハム一行は。再びパレスチナを目指した。
アブラハムはサラの奴隷だったハガルを妾にして、76歳でイシュマエルを授かり、99歳で割礼を受け、100歳の時に嫡子イサク(イツハク)を授かった。アブラハムが137歳の時に妻サラは127年の生涯を閉じた。その後アブラハムはケトラを妻に娶りジムラン、ヨクシャン、メダン、ミディアン、イシュバク、シュアという子供をもうけた。アブラハムは175歳で世を去り、ヘブロンのマクペラの洞窟にイシュマエルとイサクによって葬られた。
聖書入門に10才の少女が、「アブラハムの子孫がイエス様なら、イエス様は結婚していなかったし、子どもがいないから、 子孫はなくなったのですか?」と、質問した。日本人の聖職者が、「私たち異邦人は、肉体的に<アブラハムの子孫>になることはないですが、 霊的には、アブラハムの子孫にならう者となれます」と、答えている。
異邦人の仏教や神道の信者などは、ユダヤ人の言う<神に選ばれた民>でもなく、アブラハムの子孫でもないそうだ。
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② ネタニヤフとクシュナーの<アブラハム合意>:
2020年8月13日の<アブラハム合意>とは、当時のトランプ米大統領が、ホワイトハウス大統領執務室に座って仲介役を演じ、報道陣の前で、アブダビ皇太子のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン、イスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフに両国の国交正常化を、電話でさせたことを指す。電話劇を演出したのは、トランプ米大統領の娘婿でユダヤ人のクシュナーだった。
この合意によりUAE(アラブ首長国連邦)は、カーター元米大統領仲介のアブラハム合意による1979年のエジプト、1994年のヨルダンに次いで、イスラエルと国交正常化したアラブ世界三番目の国になった。2020年9月11日にはトランプ前米大統領がバーレーンもイスラエルと国交正常化の合意をさせた。トランプは、「<アブラハムの宗教>と全人類の平和の文化を広めるため、宗教・異文化対話の促進に努力をし続ける」と、自負した。
2020年、大統領執務室でネタニヤフ・イスラエル首相とムハンマドUAE皇太子の
電話合意をプレスの前で取り持つ、電話交換手トランプ
当時の日本政府は、「アブラハム合意は、国交正常化を含めて、地域の緊張緩和及び安定化に向けた第一歩」と、歓迎した。同時に、米国の仲介努力を評価した。パレスチナ問題については、引き続き当事者間の交渉による二国家解決を支持すると表明した。
中東和平を担当したユダヤ人のクシュナー・トランプ前米大統領上級顧問は9月10日、
記者団に対し、「アラブの盟主サウジアラビアとイスラエルとの国交正常化も不可避だ」と、希望的観測を披露し、「両国が合意すれば長年にわたる<アラブ対イスラエル>の構図が一気に塗り替わる」と、豪語した。10月23日、トランプ前米大統領はイスラエルとスーダン暫定政権の国交も正常化させた。イスラエルのメディアによると、同国のネタニヤフ首相は11月下旬にサウジを訪れて実力者のムハンマド皇太子と会談したとある。
そして12月10日、トランプはイスラエルとモロッコの国交正常化を実現した。ただ
し、トランプは国交正常化の見返りに、モロッコ占領下にある西サハラのモロッコ領有権を承認した。西サハラ難民政府は、西サハラの主権や国連を全く無視したトランプとムハンマド6世の勝手な取引に、猛反発した。国連定例記者会見でも、「Quid Pro Quoクイド・プロ・クオ(交換取引)は国連と国際法を無視した違法行為」との声が記者陣から上がり、報道官も、「国連の立場は、Quid Pro Quoクイド・プロ・クオ(交換取引)に左右されない。西サハラ紛争を解決するのは、国連安保理決議と国連総会決議と国際法だ」と、強調した。
③ 新トランプ陣営:
2024年11月6日早朝にマー・ア・ラゴの自宅で、トランプは第47代次期アメリカ大統領選挙勝利宣言をやった。その時、豊満な優しい笑顔のおばさんを次期大統領補佐官として紹介した。トランプは演説を促したが、おばさんは恥ずかし気にしり込みをした。スーザン・ワイルズ大統領補佐官誕生、おばさんではなくお姐さんと呼ばせてください。
トランプ第47代次期アメリカ大統領はマー・ア・ラゴにて、不法移民への強硬姿勢で有名なトム・ホーマンを国境管理の環境保護長官に、トランプ信奉者のエリス・ステファニクを国連大使に選んだ。
11月11日にはマー・ア・ラゴで、マイク・ルビオ上院議員を米国務長官に指名した。キューバから亡命した両親を持つマイク・ルビオは、何故か反キューバ反ヴェネズエラ反中国で、反社会主義のトランプと心情的に共鳴する部分があるようだ。さらに、ジョン・ラトクリフをCIA長官に、イスラエルの熱烈な支持者で元アーカンソー州知事のマイク・ハッカビーを、駐イスラエル大使に指名した。
11月12日にはFOXニュースの司会者ピート・ヘグセスを国防長官に、指名した。ピート・ヘグセスはイラクやアフガニスタン戦争に参戦した陸軍退役軍人でもある。
続いてトランプ次期大統領は、中国と親密な実業家のイーロン・マスク氏と共和党大統領候補者レースに出馬していた実業家のビベック・ラマスワミ氏の2人が共同で新たに設ける<政府効率化省>を率いると発表した。トランプは「彼らは官僚機構を解体し、過剰な規制を撤廃し、無駄な支出を削減し、連邦政府機関を再編する道を切り開いてくれるだろう」と表明した。 マスクはアメリカの連邦予算のおよそ3割にあたる「2兆ドルを削減できる」と発言している。
今やアメリカの政治は、ホワイトハウスではなくマール・ア・ラーゴで行われているようだ。マール・ア・ラーゴは、ワクチン懐疑論派のロバート・ケネディ・ジュニアを保健福祉長官に指名した。「ケネディなら、有害な化学物質、汚染物質、農薬、医薬品、食品添加物からアメリカ人を守ることができる」と、声明で発表した。アメリカを牛耳る薬品業界や食品業界や医療業界などとの死闘を前に、親父や叔父を暗殺されたケネデイは、「死を恐れない」と、語った。親父のロバート・ケネディ米大統領候補、叔父のジョン・ケネディは、共に銃殺された超有名なアメリカの殉教者たちだ。
ドナルド・トランプ第47代アメリカ大統領の次期政権は、極右から自由主義まで、おもちゃ箱をひっくり返したようなワクワクする楽しみがあります。 ただし、民主党は必死になって指名者たちのあら捜しをしていて、全員が任命されるとは限らないそうです。
11月13日、表向きに<協力的な政権移行>を演出するバイデンは、トランプをホワイトハウスに招待し、結構、人のいいトランプはノコノコ出かけていきました。が、メラニヤ夫人はすっぽかしました。 美しいスロべニア移民の苦労人に期待します、、
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年11月16日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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