小出先生、「東電は食品検査をしっかりやるべし」「除染は処分も施設もむずかしい」
- 2011年 9月 16日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」9月14日分と15日分あわせての転送です。遅くなってごめんなさい。
「たね蒔きジャーナル」から生まれた小出先生の新刊、『知りたくないけど知らないといけない原発の話』、3/11の直後からのリアルタイム・ドキュメントになっていて好評のようです。
小出先生、大阪での講演は「汚染された食品は大人が食べるべき」という持論を議論していただきたかった、と述べています。汚染物は東電に買い取らせて廃棄するという提案もあるが、農家は「捨てると分かりつつ農産物を作れない、捨てるために仕事は出来ない」のではないか、「むしろ東電は汚染食品の計測検査をしっかりやるべきだ」と語っています。
また15日では「除染」について、膨大な量になるので処分方法も難しく「中間処理施設」をどこにするかについても難しい。「川内村の帰還は無理だと思う」と、語っています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
====14日分====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会と、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。トラの連敗が止まり、久々に爽快にたね蒔きを聞けました(笑)。水野さんも近藤さんもご機嫌でありました(笑)。
原発関係のニュース、近藤さん、鉢呂氏が、「居住不能区域を死の町と言ったのなら、政府が汚染状況などを公表すべき」とコメントされました。メディアは、本当のところを知らされていないのであり、大臣が死の町と言った背景をメディアがなぜ追求しないのか、住めない町があり、住めなくしたのは誰か、なのです。単なる失言ではないのです。それを、谷垣氏が突くべき(もっとデータはないのか)なのです。
福島での協力会社(アレバの交換作業)作業の4人が内部被曝の恐れがあり、詳しい検査をします。防護マスクの内側が汚染されており、ガンマー、ベータ線が出ており、ホールボディーカウンターで検査します。
そして、小出先生のお話、昨日、大阪で小出先生の講演で、満員+パブリックビューイングなのですが、参加した人、若い人が多くなった(昔に比べて)、昨日はお年寄りが多かった模様です。
小出先生の新刊(知りたくないけど知らないといけない原発の話)、その場で完売であり、たね蒔きが小出先生に聞いた内容で、原発事故の内容を知りたいと言う人が多い、時間軸に合わせて書いてある小出先生の本は、このたね蒔きのものだけなのです。時間軸は貴重だと、近藤さんの指摘がありました。3/11の直後からのリアルタイムのドキュメントなのです。
読者の感想であり、絶句した、関西にいても、無縁ではない、危機感がなく、声にならないと言われています。関西は離れているから関係ないと思われている人もいますが、そんなことはない、もっとちゃんと汚染を見てほしい、関西の人も、ちゃんと観て欲しいと小出先生のお話で、しかし見たくない人もいるのです。
リスナーより、報道が少なくなり、国民が楽観的になっているとの指摘があり、事故の発端は原発の全所停電であり、今は電源が回復して、少しはマシになっている、その程度であり、原子炉で崩壊熱が出ており、冷却に失敗したら放射能が出る、作業員が大変な被曝で事故を収束させてくれている、下請けの人が現場で働いている、それに目を向けて欲しいのです。
放射能により汚染され、観客と議論になり、汚染された食べ物を食べるべきなのかで、放射能は本来食べてはいけない、事故は起きてしまい、放射能は日本全土、世界にも撒き散らされた、それを拒否できない、汚染食料はどんどん回ってくる、それの取り扱いで、小出先生は、仕方ない、責任の重さに応じて汚染されたものを食べる、東電、原子力委員会等には猛烈な汚染食品を食べるべき、原子力をここまで見逃してきた日本の大人は甘んじて食べるべきと小出先生言われました。
大人も責任があるということについて、汚染されたものはいやとの発言は昨日もあり、議論したくて昨日の場を持った、汚染物は東電に買い取らせて廃棄する提案もあり、廃棄する場所も大変、捨てると分かりつつ農産物を作れない、捨てるために仕事は出来ない、分配は責任に応じてやると、提案されました。責任のない子供に汚染物を与えてはいけないのです。
近藤さん、受け入れないといけないなら、小出先生の言うとおりであり、しかし、こんな対応が出来るとの提案が出尽くしているのか、国の出ているデータもいい加減であり、やれることを国はやっていない、また我々が最善を尽くしたか、検査も十分ではない、東電、政府にやらせないといけないことがあると提案し、小出先生、東電に買い取らせるより、汚染の検査を東電にしっかりさせるべきと提案され、何がどれだけ汚れているかを明らかにして、それに向き合うべきと言うことなのです。
また、汚れていないものはない、汚染の少ないものはあるが、猛烈に汚れているものまで連続的にあり、上をはねても、どう分配するか、と言うことなのです。
小出先生、法律も見直さないといけないといい、缶詰、惣菜の産地表示が必要なのです。
この話、まだ続くと思いますが、今日のお話は以上です、これをお伝えいたしました。
=====15日分====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日は千葉猛さんの司会、毎日新聞大阪本社論説委員の近藤伸二さんの案内で放送されました。
原発事故関係のニュース、保安院は、東北電力などの報告(機会の寸法など)に誤りがあり、再点検が終了しないとストレステストは行わないのです。信頼度が高まらないといけないのに、近藤さん、同じことがいくつも起きており、行政と電力会社のもたれあい、癒着がなかったかはっきりして欲しいとのことでした。9箇所の原発でのミスであり、何か原因があるのです。
使用済み核燃料の高レベル廃棄物を積んだ船が六ヶ所村に来て、廃棄物は関電、四国電力らのイギリスでの処理の後であり、日本原燃で一時保管、その後は決まっていません。
岩手などで産廃焼却施設で岩手、千葉、福島で1kgあたり8000ベクレルを越すセシウムが出て、福島で14万ベクレルなのです。
そして、小出先生のお話、リスナーの質問で、放射性生成物で、様々な核種で問題になるのはセシウム、ヨウ素、ストロンチウムで、他のものが問題にならないのはなぜか、について、核分裂で200の放射性核種が生まれて、問題はセシウムとヨウ素(事故当初)が問題、これは環境にとても逃げていきやすいのです。セシウムやヨウ素より逃げやすい希ガス(キセノン、クリプトン)もあるが、完全にガス体で、全量環境に出て、人間が吸い込んでもたまらないもので、地面にも沈着せず、事故当初しか問題にならないのです。そのため、ヨウ素が当初、長期はセシウムが重要なのです。広い範囲に広がるのがセシウムなのです。ストロンチウムもあり、プルトニウムもあるが、環境に出た量はセシウムが圧倒的に多いので、注意しないといけないのです。
セシウム、ガンマー線を出すので、しかしアルファ、ベータ線は、セシウムはベータ線を出し、そしてガンマー線を出す、アルファ線は紙で防げる、ベータ線はノートとかで防げるので、外部からの被曝はガンマー線が問題、しかし、体に取り込むとアルファ、ベータ線も問題なのです。
除染する対象、毎時1マイクロシーベルト以下のところは福島県の1/7の2000平方キロになり、ここまで除染しますが、この面積、毎時1マイクロシーベルトは高すぎる、年8~9ミリシーベルト、国の限度より一桁高く、これが問題です。この区域のセシウムを除去して、東京ドーム80杯分の土が出る、処分する施設を建設する現実性はないのです。中間処理施設は、浅い土に埋めるのですが、処理例は、コンクリートの容器、プールの中に入れる案もあり、今回、こういう案を取らざるを得なくなるかも知れないのです。あくまで中間施設であり、現実には、普天間同様、政府の説明で、仮に中間施設を作れば、二度と動かせないと覚悟しないといけないのです。
環境省は除染の範囲を狭めて、土の量を減らしたいと思っているのですが、入れるのは砂漠のオアシスみたいになる、生きていくには様々な施設、お店、医療機関、上水、下水もいる、砂漠の中のオアシスでは生活が成り立たない、生活をあきらめないといけないのです。
地元は早く帰りたいと、川内村は来年3月に帰還宣言を行い、年間1ミリ以下としたら帰るのですが、これは大変言いにくいが、出来ない、全部の除染は無理、砂漠のオアシスを残す帰還は無理、帰りたい気持ちは痛いほどわかるが、国のほうが、別の土地で生きられる方策を採るべきなのです。
ひまわり、これも効果がなく、土を剥がすしかないのです。
小出先生のお話は厳しいですが、これが現実です。これを、お知らせいたしました。
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