本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(210)
- 2018年 12月 1日
- 評論・紹介・意見
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グローバリズムの終焉
トランプ大統領の言動からも明らかなように、現在では、すでに、グローバリズムが終焉した状況とも言えるようだが、この点に関して、正しい結論を出すためには、やはり、「グローバリズムの正体」を理解する必要性があるものと考えている。つまり、1800年前後から始まった「資本主義」の最終段階で、「グローバリズム」という考え方が出現したものと思われるが、この点については、ウィキペディアで、次のように紹介されている。
グローバリズムとは、地球を一つの共同体と見なして、世界の一体化(グローバリゼーション)を進める思想である。字義通り訳すと地球主義であるが、通例では、多国籍企業が国境を越えて地球規模で経済活動を展開する行為や、自由貿易および市場主義経済を全地球上に拡大させる思想などを表す。
ただし、私自身としては、この点に関して、「実体経済」と「マネー経済」の区別が必要だと感じているが、その理由としては、「1980年代のアメリカ」で、すでに、「保護貿易の動き」が出始めていたからである。つまり、「競争力のある商品」を持った国々が、基本的には、他国の市場開放を望み、結果として、「グローバリズム」が進展していったものと想定されるのである。
そして、このことは、最初に「実体経済」、そして、その後に「マネー経済」という順番で進展していったわけだが、最も重要な点は、「2008年のリーマン・ショック」により、「マネー経済のグローバル化」までもが終焉した可能性でもあるようだ。つまり、その後に実施された「量的緩和(QE)」や「出口戦略」については、基本的に、「マネー経済のローカル(地域)化」が進展した状況だったものと想定されるからである。
別の言葉では、「金融のメルトダウン」が、世界的に進行した結果として、「マネー経済」の内部で、きわめて重要な変化が発生したものと思われるが、実際には、現在の通貨制度とも言える「信用本位制」において、最も基本的な通貨である「コンピューターマネー」が枯渇した可能性である。
つまり、「マネー経済のグローバル化」において、最も重要な要因は、「コンピューターネットワークの中で、コンピューターマネーが、自由自在に動き回れること」だったが、現在では、トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争により、「通貨制度」の根本である「信用」が、世界的に消滅しようとしているものと思われるのである。(2018.11.1)
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末那識と阿頼耶識
現在は、「文明法則史学」が教えるとおりに、「800年に一度」の「西洋と東洋の文明交代」が発生しており、また、この要因となるのが、人々の「価値観の変化」とも考えている。具体的には、「物質文明から精神文明」、あるいは、「唯物論から唯心論」への「志向の変化」のことでもあるが、この変化については、「800年サイクル」という状況のために、「村山節氏」が発見するまで、誰も認識できなかったようである。
しかし、「理論」の面白い点は、「現状説明」が可能になることであり、実際のところ、「正しい理論」というのは、「これから、どのような変化が起こるのか?」について正確な予想が可能であり、その結果として、「この理論を駆使する人が、有利な立場に位置する状況」も予想されるのである。別の言葉では、「この理論を理解し、有効活用しない場合には、いろいろな競争において、不利な立場となる状況」が想定されるのだが、この点については、現在、「唯心論」に対する理解が、最も重要な点の一つとも考えている。
具体的には、「唯識」という思想に、「末那識(まなしき)」と「阿頼耶識(あらやしき)」という考え方が存在しているが、私自身としては、「阿頼耶識」が「天や神の智慧」、そして、「末那識」が「人知」に相当するものと感じている。つまり、「地球全体」を「一つの円」として考え、この時に、「円周に存在する人々の心が、どこへ向かうのか?」が重要だと考えているが、中心に存在する「神の智慧」に向かう時には、さまざまな苦労を経て「阿頼耶識」に到達が可能なようにも思われるのである。
しかし、多くの人々は、「他人との比較」、すなわち、「円周に存在する、数多くの人々」と「自分」との関係性にこだわる結果、いろいろな「雑念」、あるいは、「悩み」や「苦しみ」などが発生する状況も想定されるのである。別の言葉では、「自分が心から望むこと」に対して「全身全霊で努力する」という態度が、「阿頼耶識」に繋がるものと考えているが、この点については、「今後の数年間で、明らかになるのではないか?」とも感じている。
つまり、「西洋の時代」においては、「物質を代表するマネー」が最も重要なものであり、この結果として発生したのが、「マネーの大膨張」や「超低金利状態」、あるいは、「デフレ」といわれる現象でもあった。しかし、今後は、今までの反動として、「マネーの縮小」や「金利の急騰」、そして、「インフレ」が発生するものと予想されるために、「価値観の変化」が重要なポイントになり、「このことに成功した人々が、これからの時代を作り上げるのではないか?」とも考えている。(2018.11.1)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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