SJJA& WPO【西サハラ最新情報】602 欧州司法裁判所は西サハラの味方
- 2024年 10月 12日
- 時代をみる
- モロッコ国連平田伊都子西サハラ
袴田巌さん、おめでとう! 2024年10月9日、検察が控訴権利を放棄し、逮捕から58年、裁判所がやっと死刑囚のレッテルを剥がしてくれました。 長かったですね!! 人生を国に奪われた袴田さん、、お金で解決できないけど、国はしっかり補償をしてあげてください。 時間がかかり過ぎる裁判制度も問題です。
パレスチナ大虐殺を巡っては、国際司法裁判所と国際刑事裁判承が問題になっています。
ヨーロッパでは、CJEU欧州連合司法裁判所が西サハラ資源搾取問題を取り上げました。
① CJEU欧州連合司法裁判所の判決:
2024年10月4日、CJEU欧州連合司法裁判所は、モロッコと欧州連合の協定が、不法占領されている西サハラを含むことを理由に、協定の解除を命じた。CJEU欧州連合司法裁判所は、EU欧州連合の最高司法機関で、国連のICJ国際司法裁判所に匹敵する。CJEU欧州連合司法裁判所は、「モロッコと欧州連合の農業・漁業協定は、西サハラを含んでいる。この協定は、西サハラの人々によって承認されていない。従って、2019年のモロッコと欧州連合の農業・漁業協定は、西サハラ住民の民族自決権を無視した、非合法なものと判断し、この協定の破棄を求める」と、EUとモロッコが西サハラを全く無視し、国際法も無視し、商売取引を当事者だけでデッチ上げたことを糾弾した。
CJEU 欧州連合司法裁判所 左にマ-クと右にその建物、ルクセンブルクにある。
アルジェリア・サハラ連帯全国委員会は、「モロッコ占領地西サハラで搾取された資源に関する欧州連合とモロッコとの間の貿易協定を無効としたCJEU欧州連合司法裁判所の決定は、西サハラの人々の民族自決権と独立を求める闘いにおいて、<歴史的かつ勝利の第一歩>だ」と、10月6日に表明した。委員会は「国際安全保障にとって主観的で危険な考慮を避けることによって、文字通り尊重され、適用されなければならない国際法の力を再認識させるものでもある」と、強調し、EU欧州連合や加盟国に対し、西サハラ人民の正義と信念を尊重し、裁判所の判決を実践するように、求めた。
西サハラ地域は、1960年の国連総会1514で未確定地域<どの国にも属さない、早期に解決されるべき植民地>と指定された。当然、その地の天然資源は、住民のもので、他国が手を付けてはいけない。しかし、モロッコは国連決議も国際法も無視して、EU所属の国々と個別に農業漁業協定を結んで西サハラの天然資源を売りさばいてきた。
CJEUはその不法取引に、裁断を下したのだ。
モロッコと漁業協定を結び西サハラ領海の魚に手を付ける日本も、同罪だ。
② CJEUに逆らうモロッコの対抗策:
モロッコはCJEU欧州連合司法裁判所の決定に反発して、「モロッコはEU欧州連合内の諸国と。個別に二国間協定を結んでいるんだから、CJEUと関係ない。ハンガリー、ベルギー、スペイン、フランス、フィンランド、ドイツ、オーストリア、チェコ、、などが、モロッコとの二国間協定を支持している」と、豪語する。「アメリカとの強い二国間関係があるからICJ国際司法裁判所など怖くない」と、嘯くイスラエルに似ている。
MAPモロッコ国営通信が、「フランスは10月4日、EU欧州連合とモロッコ間の農業・漁業協定に関する欧州司法裁判所(ECJ)の判決を受けて、モロッコとのパートナーシップに対する全面的信頼と、それをさらに深める決意を示した。フランス欧州外務省は記者発表で、欧州連合とモロッコの関係は戦略的に重要と強調」と、発表した。
さらにMAPモロッコ国営通信は、「ドイツ連邦外務省の報道官が声明で、広範で長期にわたるEUとモロッコの関係はさらに深まることが期待されている」と、述べ、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長とジョセップ・ボレルEU欧州連合上級代表が発表した共同声明を引き合いに出している。「この共同宣言は、すべての分野でモロッコとEU欧州連合との緊密な関係をさらに維持し強化していくと、謳っている」と、MAPは言及した。
しかし、アニカ・クラセン・エドリス・ドイツ中東・北アフリカ事務所のスポークスパーソンは、【西サハラ占領地で搾取された資源に関するEU欧州連合とモロッコ間の貿易協定を無効にする欧州司法裁判所の判決を、ドイツがは受け入れる】と、発表した。10月9日のソーシャルメディアで、彼女は「欧州司法裁判所は最近、西サハラの人々に有利な判決を下し、2019年に欧州連合とモロッコの間で署名された農業・漁業協定はサハラの人々の承認を受けるべきだった。契約は無効」と、結論づけた。モロッコの捏造がバレた。
そして、ガザ・ジェノサイド(虐殺)を1年間も見殺しにしてきた国連事務総長が、突然、安保理に異例の前倒し西サハラ報告書を出した。「私は西サハラの進展について引き続き深く懸念している。悪化する状況の継続的な統合は、前例のない事件と相まって、憂慮すべきものであり、耐え難いものであり、さらなるエスカレーションを避けるためには、緊急の逆転が必要である。私は、すべての関係者に対し、公正で、永続的で、相互に受け入れられる政治的解決を達成するために、国連とより広範な国際社会の支援によって促進される方針転換に向け、遅滞なく努力するよう改めて呼びかける」と、総長は訴えた。
③ 第79回国連総会第4委員会が開催中:
2024年10月9日(SPS)-特別な政治問題と脱植民地化問題を担当する国連第4委員会の一般討論が火曜日にニューヨークで始った。討論会では、世界のさまざまな地域から多数の請願者が、サハラ人の自決権の正当な権利と、モロッコによる西サハラの長期にわたる占領の終焉した。アメリカ合衆国共産党、コロンビア・サハラ人友好財団、エクアドル・サハラ人友好協会、国際西サハラ法律家連盟の代表など、数人の著名人が参加した。
アルジェリア青年アカデミー、イタリア・サハラウィ連帯ネットワーク、サントトーマス大学など。発言者は、西サハラの自決権に対する正当な権利を再確認し、国連の非自治地域の一つとして依然として脱植民地化の事例として挙げられている<西サハラは植民地>という法的地位を強調した。
シディ・モハメド・オマル西サハラ難民政府国連代表は、10月4日に欧州司法裁判所(ECJ)が西サハラに関して出した最近の判決に言及し、欧州連合(EU)とモロッコ王国との間の貿易協定を無効とした。「この裁定は西サハラにとっての歴史的な勝利であり、彼らの自決と独立のための正当な闘争を支持ひている。それは、不正と権力の政治に対する正義と法の支配の勝利でもある。EU欧州連合加盟国と関係諸国は、ECJ欧州連合司法裁判所の裁定を完全に尊重し、モロッコによる西サハラの不法占拠を助長するような、いかなる行動もさし控えるように」と、強調した。
オマル代表は、「歴史の肯定的な側面を見る時が来た。ヨーロッパや他の場所で自尊心を持ち、国際法の原則を支持することに真摯に取り組んでいる国々が、モロッコによる西サハラの不法占拠の継続を決して受け入れたり、容認したりすることはできない…公正で永続的な平和を達成するために可能な限りのことをしてきた西サハラ人民は、自決と独立に対する不可侵の権利を守るため、全ての合法的な手段で解放闘争を続けていく」と結んだ。
特別な政治問題と脱植民地化問題を担当する国連第4委員会は、10月14日まで続き、その間、委員会は西サハラの脱植民地化とその議題に含まれる他の領土について請願者を聴取し続ける。
テブン・アルジェリア大統領は、10月5日の夜、アルジェリアの国営メディア代表者との定例メディア会議で、「フランスがモロッコ主権の枠組みの中で、西サハラ紛争解決の唯一の根拠として、<自治計画>を認めることは、国際法と国連安全保障理事会の精神に反する、、そもそもこの自治計画はモロッコのものではなく、フランスの考えだ」と、断言しました。
CJEU欧州連合司法裁判所のように、ICC國際刑事裁判所もさっさと裁定を下して、稀代の大量殺人鬼ネタニヤフを逮捕してください!
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2024年10月12日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13912:241012〕
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