前にも触れたことがあるが、今年の夏は長く続いた酷暑に悩まされ、その炎天下の期間を、何とか我慢しながら過ごそうと思いあぐねて手に取ったのが『金瓶梅』とこの『紅楼夢』だった。この種の艶笑小説など読み上げるのは簡単だろうと高を
本文を読む評論・紹介・意見の執筆一覧
雑誌の廃刊が続く中で(3)『早稲田文学』【第十次】の休刊
著者: 内野光子なにしろ、明治24年、1891年10月、東京専門学校(現早稲田大学)の坪内逍遥が主宰となって創刊した『早稲田文学』、伝統ある文芸雑誌である。2017年末、金井美恵子特集への執筆依頼にはいささか戸惑った。金井
本文を読む服従の文化:敗戦から戦勝国の冷戦イデオロギーに従うドイツ
著者: グローガー理恵はじめに 〈2025年5月9日、NATOマルク・ルッテNATO事務総長と会うメルツ首相 (NATO / Flickr / CC BY-NC-ND 2.0)〉 ヨーロッパでもそうだが、ドイツではエリートたちが、メインストリ
本文を読むペドフィル事件をめぐる政治的攻防
著者: 盛田常夫国会本会議でのシェンミエン副首相の発言キリスト教民主人民党党首で、オルバン内閣の副首相を長年にわたって務めるシェンミエン・ジョルトは、キリスト教徒を自称しながら、北欧からアフリカまで狩猟に出かける狩猟マニアである。ハンガ
本文を読むアウンサンスーチーを救出せよ!――次男キム・アリス氏、世界世論に訴える
著者: 野上俊明アリス氏 DVB(ビルマ・民主の声) 国際通信社ロイターはじめ多くの内外の新聞社が、9月初めにアウンサンスーチー氏にかかわるトピックを久しぶりに報道した。それによれば、2021年2月のクーデタ以来拘束が続いているミャン
本文を読む共産党はいま存亡の岐路に立っている(その71)
著者: 広原盛明〝保革対決時代〟の終焉と〝多党化時代〟の幕開け、2025年参院選の結果から(番外編1) 戦後日本の政治構造を貫く太い糸は、「保守と革新の二極対決=保革対決」だった。国政においても地方においても「自民・無所属」の保守勢力と
本文を読むGlobal Headlines:欧州の福祉国家危機
著者: 野上俊明<はじめに> 今に始まったことではないのですが、OECD(経済協力開発機構)に属する先進諸国では、共通して経済成長の頭打ち、経済の構造的減速からくる税収減によって財政基盤は脆弱化しつつあります。その一方で高齢社会化などに
本文を読む雑誌の廃刊が続く中で(2)『朝日ジャーナル』・『週刊朝日』の廃刊
著者: 内野光子『朝日ジャーナル』の創刊は、調べてみると、1959年3月とある。そうだったんだ、とあらためて思い起す。私の学生生活のスタートと重なる。 時を同じくして『少年マガジン』も創刊されている。 59年3月28日には「安保改定
本文を読む激化するネット空間の争い
著者: 盛田常夫中国の対日戦勝記念式典に、欧州から参加したのは、スロヴァキアとハンガリー だけ。2国ともプーチンと習近平に忖度してのことだが、集合写真を見ると、スロヴ ァキア首相とハンガリー外相の居場所がないようだ。フィツォはこの後、帳
本文を読むトランプ旋風が吹き荒ぶラテンアメリカ
著者: 後藤政子進む米国離れ・忍び寄る軍事介入の影 「相互関税騒ぎ」は国際社会の力学のもとで、それなりの形で収拾に向かっているが、「米国の裏庭」と言われるラテンアメリカでは未だにトランプ旋風が吹き荒び、米国の軍事介入の可能性も取り沙汰さ
本文を読む雑誌の廃刊が続く中で、思い出すのは(1)『図書新聞』
著者: 内野光子今年の12月に『日本古書通信』が、来年2026年3月に、『図書新聞』が廃刊になるそうだ。小さな図書館ではあったが大学図書館勤務時代の20年間余、二つとも選書のツールであった。前者の古書店目録によって、古書を購入すること
本文を読むGDP(国内総生産)物語
著者: 小原 紘韓国通信NO778 わが国の付加価値(生産)合計を意味するGDPが振るわない。長らく続いた世界第二位の席を2010年に中国に奪われ、2013年にはドイツに抜かれ、明日にでもインドに抜かれようとしている。マラソンに例えるな
本文を読むイスラエルを解体せよ!――「ユダヤ人問題」が生み出した鬼っ子、 ヨーロッパ、米国、ロシアが責任をとれ
著者: 柏木 勉イスラエル問題をめぐっては諸々の論点がある。だがここではそれらには触れず、問題の根本だけ述べる。諸々の論点をめぐるレトリックではなく、ごくごく単純なことである。 直近の情勢は、実に悲惨きわまりなくはらだたしい。戦争犯罪人
本文を読むガブリエル・ズックマンって誰?~富裕層には、「富裕税」を!
著者: 内野光子9月28日、「富裕税入門」出版記念集会~今こそ富裕税が必要だ!資産に課税せよ!!」の集会にでかけた。日頃、夫からは、「富裕税」導入についてのミニ・レクチャー?を聞いていたもので、どんなものかと
本文を読む反動と専制の枢軸同盟に活路を見出すミャンマー軍事政権
著者: 野上俊明12月8日にミャンマー軍事政権が強行しようとしている総選挙を前に、中国は「春の革命」――2021年2月のクーデタに対する抵抗運動――を挫折させるべく、政権へのテコ入れを本格化させている。第一に、アセアンからも締め出され
本文を読む渥美文夫著『大ロシアへの開発独裁に変質』(武久出版)を読んだ (上)
著者: 大谷美芳「読もう」(2025.08.23)では結論の第13章だけにコメントした。「スターリン主義・ソ連=開発独裁」が主旨。それは「官僚制国家資本主義」&「官僚ブルジョア階級の独裁」とほぼほぼ同義、と理解し支持した。今回は(上)
本文を読む腐敗、失政の果てのネパール
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(539)―― 9月8日夜から9日にかけて、ネパールのカトマンズを中心に10代、20代のいわゆるZ世代を中心に反政府暴動が勃発した。きっかけは主に欧米系メディア・プラットホームの政府による遮断への抗議だ
本文を読む青山森人の東チモールだより…「グレーターサンライズ」ガス田の開発話はどうなっているの?
著者: 青山森人マレーシアの首相が東チモールを訪問 ASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国・マレーシアのアンワル=イブラヒム首相が9月23日~24日、東チモールを訪問しました。アンワル=イブラヒム首相のこの訪問は10月末に実現されると
本文を読む『比翼の象徴』(井上亮)を手掛かりに<平成流>を考えてみた。
著者: 内野光子知人に勧められ、雑誌『反天皇制市民1700』に『比翼の象徴』を手掛かりに、明仁・美智子夫妻による<平成流>の30年余についての拙稿をまとめてみたのが、以下である。この雑誌の由来は、表紙裏の「反天皇制市民1700ネットワ
本文を読むクチェ演説その後
著者: 盛田常夫最新の世論調査結果 オルバン首相はクチェの演説で、政府の補助金で運営されている調査機関Nézőpont Intézetの「FideszがTisza党を10ポイントリード」という忖度結果に依拠して、秋に総選挙をやれば、Fi
本文を読む学ぶたのしさ 話すよろこび
著者: 小原 紘韓国通信NO777 英語のラジオ講座を聴き始めてから3年になる。入試以来ご無無沙汰していた英語の再挑戦には訳がある。35歳から始めた韓国語の学習は低空飛行を続けているが韓国語一辺倒だった反省がある。この歳になって英語の必
本文を読む共産党はいま存亡の岐路に立っている(その70)
著者: 広原盛明〝反動ブロック〟の危険と対決する〝新しい国民的・民主的共同〟の提唱、比例得票数286万票、得票率4.8%の少数政党が、比例得票数3744万票、得票率63.2%の〝反動ブロック〟諸政党に対決するという荒唐無稽な方針、202
本文を読む感想文『金瓶梅』その3
著者: 合澤 清9月半ばになってやっとこの本の残りの巻を借りることができた。それも文庫本ではなく、平凡社版の「中国古典文学大系」の中の『金瓶梅』下巻であるが、幸いにして翻訳者は岩波文庫と同じ方々であるので、この大作の半分までを文庫で読ん
本文を読む日朝国交正常化のためには、日本人が変わらなければいけない (9月27日シンポジウム「日朝ピョンヤン宣言から23年 国交正常化を求めて」乗松聡子発言) Normalization of Japan–DPRK Relations Requires Change in Japan
著者: 「ピース・フィロソフィー」9月27日、日本教育会館にて日朝全国ネット主催シンポジウム「日朝ピョンヤン宣言から23年 国交正常化を求めて」が開催されました。会場は立ち見が出るほどの盛況でした。そこでの乗松聡子の発言内容をここに紹介します。 日朝国交
本文を読む「日本人と選挙」(NHK「歴史探偵」9月24日)を見ました。
著者: 内野光子表題の番組に、図書館時代の友人のEさんが、「市川房枝記念会女性と政治センター」の資料紹介で、出演するという知らせが入った。当初は9月17日の予定だったが、十島の地震で、1週間後に延期、
本文を読む第9回現代史研究会(ちきゅう座)討論集会報告右派ポピュリズムと対決する日本政治の正念場!
著者: ちきゅう座事務局日時:2025年9月20日(午後1時~5時)場所:明治大学駿河台校舎 研究棟2階第9会議室 (講師1)白井 聡さん(政治学者、京都精華大学准教授) 「右派ポピュリズムの台頭と資本主義社会の
本文を読む中国がインドに接近する理由
著者: 阿部治平――八ヶ岳山麓から(538)―― 中国共産党機関紙人民日報の国際版・環球時報は、この夏インドに対して異例ともいえる友好的な記事を2度にわたって掲載した。 国境地帯の共同開発?7月14日、清華大学国家戦略研究院・銭鋒研究員
本文を読むGlobal Headlines:世界同時的ファッショ攻勢に抗して
著者: 野上俊明<はじめに> ナチズムの運動にヒトラーやゲッペルスという稀代の「雄弁家」、アジテーターが不可欠であったように、今日の世界でも極右運動にはアジテーターは欠かせない。日本でも、かつて石原慎太郎は橋下徹の雄弁さをヒトラー並みと
本文を読む映画「国宝」を観る――西暦と元号、在日出身日本国首相誕生の可能性—―
著者: 岩田昌征映画「国宝」を観た。今年6月の公開上映以来今日までに観客数は一千万人を超え、興行収入額は百五十億円に達したと言う。 内容は、任侠—―これは美称であり、通称はやくざか博打ち、現代日本市民社会の思い上がった新造差別語では反
本文を読む焦るオルバン・ヴィクトル
著者: 盛田常夫クチェ演説が話題に Fidesz のクチェ集会(Fidesz picnic)7月末のルーマニア・エルデーィ地方での Fidesz 夏の大学(通称 Tusványos)に次いで、9月初旬は Fidesz 秋の陣の出発点とな
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