阿部治平の執筆一覧

相手が互いに悪ものに見える間柄 ――八ヶ岳山麓から(498)――

著者: 阿部治平

中国の対日印象、急速に悪化  日本の民間非営利団体「言論NPO」と中国国際伝播集団は、12月2日両国で実施した共同世論調査の結果を発表した。この調査は20回目。10~11月、日本側が全国で1千人、中国側が北京や上海など1

本文を読む

なにがこの子をそうさせたか ーー八ヶ岳山麓から(497)ーー

著者: 阿部治平

 私もいつ死んでもおかしくない年齢に達したので、終活なるものをはじめた。そうしたら、今から50年余り前の生徒の作文が出てきた。私が一時期、定時制高校の教員をしていたからである。その中に、現在しばしば起こる児童虐待に通じる

本文を読む

貧しくても希望がありさえすれば、無差別殺傷事件は起こらない ――八ヶ岳山麓から(496)――

著者: 阿部治平

 信濃毎日新聞(信毎、11月24日)は社説で「締め付けで再発は防げぬーー中国の凶悪事件」として中国で続く無差別殺傷事件に関する論説を掲げた。社説はこういう。  「(連続無差別殺傷事件は)景気低迷で生活苦や閉塞感が強まり、

本文を読む

トランプ勝利の感想・・・・・「またトラ」か! ーー八ヶ岳山麓から(495)ーー

著者: 阿部治平 

 トランプが相手候補のハリスとは大差で次期アメリカ大統領の座をかちとった。びっくりしたし、暗い気持ちになった。 トランプは2020年の大統領選挙の結果をひっくり返そうとしたとか、それに関係して米議会への暴徒侵入を支援した

本文を読む

 中国は日本の政局をどう見ているか ――八ヶ岳山麓から(494)―

著者: 阿部治平

 中国人民日報傘下の環球時報(11月9日)は、総選挙後の臨時国会での首相指名を前にして、「日本政治の混迷の根源は社会の困惑にある」と題する論評を掲載した。筆者は霍建崗氏で中国現代国際関係研究院東北アジア研究所研究員、日本

本文を読む

共産党の衰退を嘆く ――八ヶ岳山麓から(493)――

著者: 阿部治平

総選挙の結果  わたしは、今回総選挙でも共産党を支援した。だが、議席半減を予想していた。それについて率直に言わしてもらう。 そもそも共産党中央の得票目標は650万、得票率は10%以上というもので、あまりの高さに党員・支持

本文を読む

石破茂の安保・対米対中政策をめぐって ――八ヶ岳山麓から(492)――

著者: 阿部治平 

  はじめに  石破茂が総理大臣になったので、わたしの友人、知人はほっとしている。だれも自民党支持者ではないが、首相が安倍晋三の後継者を自認する高市早苗でなくてよかったという。わたしは、自民党から政権を奪い取るためには、

本文を読む

中国は石破茂新首相をどうみているか? ――八ヶ岳山麓から(491)―

著者: 阿部治平 

 石破茂自民党総裁が生まれたのが9月27日。29日には中国の環球時報紙に「石破茂論」が登場した。表題は「びっくりすることか、それとも当り前のなりゆきか(原文=石破天驚還是水到渠成)」というもので、筆者は上海国際大学日本研

本文を読む

移住される側の見方 ――八ヶ岳山麓から(490)――

著者: 阿部治平 

 わたしの住む集落は、コロナ禍以後、急ににぎやかになった。道端に不動産会社の「土地売出し中」の看板が立っている。林の中では別荘か永住住宅かわからないが、家を建てる大きな物音が響いている。  不動産屋は土地の見端をよくする

本文を読む

日本人児童刺殺事件を考える(続) ――八ヶ岳山麓から(489)――

著者: 阿部治平 

 先日わたしは本ブログで、いまの中国は日本人が安心して旅行や仕事ができる状態ではないこと、また中国社会の底流には、根強くしかも扇動されやすい反日・嫌日感情があること、習近平政権は揺らぎだした「統治の正統性」を守るために、

本文を読む

日本人児童刺殺事件を考える ――八ヶ岳山麓から(488)――

著者: 阿部治平

 9月18日、中国広東省深圳で男に襲われた日本人学校の男子児童(10)が命を落とした。信濃毎日新聞の見出しは、「また凶行、中国の法人不安」「不安はけ口、外国批判を習指導部黙認」「日本人学校『愛国』の標的に」というものだっ

本文を読む

戦狼外交の終焉、中国の対米外交路線は変わりつつある ――八ヶ岳山麓から(487)―

著者: 阿部治平

 さきに本ブログで、前中国外交部長(外相)秦剛氏の動向について触れたが、そのおり中国共産党中央には対米外交路線をめぐって対立があったらしいと推測を書いた。  ところが、このほど、人民日報傘下の国際紙「環球時報」(2024

本文を読む

海上自衛隊再編成と中国の反応 ――八ヶ岳山麓から(485)――

著者: 阿部治平 

海自改編  防衛省は8月30日、過去最大の8兆5389億円に及ぶ2025年度防衛予算の概算要求と、これに合わせた海上自衛隊改編計画を発表した。防衛省の概算要求資料などからすると、52隻の護衛艦を運用する4つの「護衛艦隊」

本文を読む

中国の研究者はドイツ東部3州議会選挙をどう予想したか ――八ヶ岳山麓から(484)

著者: 阿部治平 

ドイツ東部3州議会選挙の結果  AfDとBSWの躍進  時事やBBCによると、9月1日に行われたドイツ東部(旧東ドイツ)のチューリンゲンとザクセン両州の州議会議員選挙では、反EU・反移民の極右政党「ドイツのための選択肢(

本文を読む

日本の高齢者介護制度に何を期待したか ――八ヶ岳山麓から(483)

著者: 阿部治平 

  不思議な論評が中国人民日報国際版の環球時報(2024・08・21)に載った。 表題は「老人介護の難題を日本は24年で解決した」というもので、日本の高齢者介護制度を紹介したものである。不思議だったのは、環球時報が資本主

本文を読む

地震予知に科学的根拠はあるか ――八ヶ岳山麓から(482)――

著者: 阿部治平 

 8月8日、日向灘を震源とした地震が発生し、気象庁は南海トラフ地震の臨時情報「巨大地震注意」を初めて発表した。それから1週間、何ごともなく「注意報」は15日に「解除」された。この間、人によっては大地震に備えて食料を買いこ

本文を読む

中国は、岸田退陣をどう見ているか ーー(八ヶ岳山麓から480)ーー

著者: 阿部治平 

 岸田文雄自民党総裁は、14日突然、9月下旬の党総裁選に出馬しない意向を党幹部らに伝えた。2021年9月から1期3年の総裁任期満了とともに退陣する。  岸田不出馬が伝えられると、中国も驚いたと見える。「環球時報」紙はさっ

本文を読む

中国の中央アジア進出とそれがもたらす課題について —―八ヶ岳山麓から(479)—―

著者: 阿部治平 

はじめに  中国の習近平国家主席は、昨年の「中国・中央アジア会議」に引き続いて、この7月2日、カザフスタンでの「上海協力機構」の首脳会議に出席した。岸田文雄首相は、中国と張り合って中央アジア訪問を計画したのに、8日の日向

本文を読む

日米軍事一体化・指揮権を失っては、独立も失われる ――八ヶ岳山麓から(478)――

著者: 阿部治平 

  7月28日、上川陽子外相・木原稔防衛相と、アメリカのブリンケン国務長官・オースティン国防長官のいわゆる日米外相・防衛相会談(2+2)に関する発表があった。  アメリカ側は在日米軍司令部(横田基地)に新組織「統合軍司令

本文を読む

共産党指導者は中国をどんな目で見ていたか ―――八ヶ岳山麓から(477)―――

著者: 阿部治平 

 松竹伸幸という人がいる。『シン・日本共産党宣言――ヒラ党員が党首公選を求め立候補する理由』(文春新書 2023)という本を出して、共産党から除名された人だ。わたしは松竹氏の安保防衛論に注目してきたので、氏のブログ「超左

本文を読む

紛争を避けるために、紛争に対処するために ーー八ヶ岳山麓から(475)ーー

著者: 阿部治平 

 フィリピンと中国が領有権を争う南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の仁愛礁(アユンギン礁・セカンド・トーマス礁)では、中国海警船が座礁軍艦へ補給しようとするフィリピン船を妨害したり、フィリピン漁船に対し体当たりしたり放水

本文を読む