野上俊明の執筆一覧

Global Headlines :トランピズム、世界の分断/ファシズム/戦争

著者: 野上俊明

<はじめに> トランピズムとは、一部で譲歩しつつも世界の覇権的支配は維持し、かつ傘下にある諸国の安全保障のコストと責任は基本的に負わないという身勝手極まりないものである。このような極端な自己中心主義では、西側同盟国を束ね

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Global Headlines:トランプは世界を道連れにどこへゆく

著者: 野上俊明

<はじめに>  第二期目のトランプを見てなによりも驚かされたのは、アメリカ大統領の権限の大きさである。世界の多くの人々が、民主主義の手本としてきた三権分立によるチェック・アンド・バランス。ところが、次々と思うがままに大統

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Global Headlines:1968年5月の英雄「赤毛のダニー」、生涯を語る

著者: 野上俊明

<はじめに>  いまさら私ごときが総括的な言明することに意味があるのかという気もするが、過去への責任という意味で、日本型「新左翼」運動について若干回顧してみたいと思います。具体的な運動論戦術論というより、主に社会学的哲学

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ミャンマー、余りに情けない日本政府の対応

著者: 野上俊明

 3月28日、内戦による殺戮と破壊で人道的危機状態にあったミャンマーを、未曽有の大災害が追い打ちをかけた。詳しい論評は後日を期したいが、ここでは一点、日本政府の対応に警鐘を鳴らしたい。 大地震後、中国とシンガポール、ロシ

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Global Headlines:ウクライナの危機、国際社会の危機

著者: 野上俊明

<はじめに> 第二次世界大戦後の国際秩序についての構想は、ルーズベルトとチャーチルとの巨頭会談で合意された「大西洋憲章」(1941年8月)が最初であった。続いて、カイロ会談、テヘラン会談、ヤルタ会談、ポツダム会談を経てよ

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ヘーゲル「法(権利)の哲学」研究会から(1)

著者: 野上俊明

 今月で24回目を迎える「ヘーゲル研究会」は、毎月一回、月の最終土曜日の午後行われてきた。「法(権利)の哲学」研究の泰斗である滝口清栄先生にチューターをお願いして、輪読会形式で行なわれている。ドイツ古典哲学のなかでも難解

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中国・アセアンの恥部、広がる魔界のネットワーク

著者: 野上俊明

 タイと国境を接するミャンマー側のミャワディ近郊のシュエコッコという急造都市が、この2月以降国際ニュースの見出しを飾るようになった。話の発端は、中国の映画俳優王星氏が犯罪組織によってタイからシュエコッコ―にある犯罪拠点に

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Global Headlines:ミャンマー、学生師団の指導者が決意と展望を語る

著者: 野上俊明

<はじめに> トランプの再登場が引き起こす激震は、大西洋を越えてヨーロッパを直撃し、かつユーラシア大陸を縦断してアジア地域にも及びつつある。就任早々、大統領はアメリカ国内の社会政策関連だけではなく、海外援助に関わる様々な

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ミャンマー、イラワジ・デルタで奮闘する日本人の女医さん

著者: 野上俊明

 内戦が拡大し、いままで平穏だったイラワジ・デルタ地帯にも戦火が及び始めています。4年前から始まった内戦は、抵抗勢力がますます支配地域を拡大し、軍事政権を追い詰めています。なるほど抵抗勢力の前進は歓迎すべきことではありま

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【2月22日(土)】第23回 ヘーゲル研究会のお知らせ

著者: 野上俊明

 前回学んだ、国家と宗教の関係を論じている§270には、次のような文章がありました。「真なるものとは、・・・内なるものが外なるものへ、理性の構想が実在性へと踏み越えてゆく巨大な歩みである。そこにおいて全世界史は孜々として

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Global Headlines:ミャンマー内戦の現状―影の政府の課題はなにか

著者: 野上俊明

<はじめに> 昨年末までに反政府抵抗勢力は、国土の半分以上を制圧した。シャン州の北東部においては、タアン民族解放軍(TNLA)とミャンマー民族民主同盟(MNDAA)が破竹の勢いで進み、中継貿易都市ラショーと北東地域の軍司

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Global Headlines:カール・マルクスとロシア・ウクライナ

著者: 野上俊明

――独裁的なロシアに対するマルクスの批判的な見方について本を書いた、マルクスの専門家ティム・グラスマンへのインタビュー。<はじめに> 「戦争とは他の手段をもってする政治の継続である」とは有名なクラウゼヴィッツの戦争論の要

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Global Headlines:ビックテックは、ネオファシズムの先導者か

著者: 野上俊明

<はじめに> トランプ政権の始動が近づくにつれ、世界の動きが慌ただしくなってきた。特に耳目を引いたのは、メタ(旧Facebook)の動きである。第三者によるファクトチェックを廃止するという発表は、世界に衝撃をあたえた。今

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(最終回)

著者: 野上俊明

<福沢諭吉の「学問のすゝめ」> 日本の文明化の障碍になっているものについて、諭吉はなお突っ込んで論じます。これは諭吉独特の見解といっていいのですが、諭吉によれば「官」の優勢な気風―官尊民卑―が、逆にいうと民間の力の弱さ

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(5)

著者: 野上俊明

<福沢諭吉の「学問のすゝめ」> 福沢諭吉は、大分県人というより近代日本の代表的人物といえます。つまり啓蒙思想家として天賦人権論を紹介したという意味でも、また日本国の独立と国民一人ひとりの独立自尊を促したという意味でも、県

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(4)

著者: 野上俊明

<諭吉と「蘭学事始」> 杉田玄白著「蘭学事始」という書物の運命について、書誌的に興味ある事実が福沢諭吉によって明治半ばに明らかにされました。(以下、岩波文庫改訂版の解説で紹介されている諭吉の言による) 「蘭学事始」という

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近代の夜明けー大分県人(賢人)の事績に触れて(1)

著者: 野上俊明

<はじめに> 1998年3月、初めてミャンマーの地に降り立ちました。それから数か月たったころでしょうか、或る人から現地で日本語の通訳ガイドをしているチョーソーさんという青年を紹介されました。チョーソーさんは京都の大学に留

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ミャンマー、うち続く国軍の戦略的敗北――シャン州に続き、ラカイン州でも地域司令本部陥落

著者: 野上俊明

 8月にシャン州にある北東司令本部が陥落したのに続き、この12月20日、ベンガル湾に面するラカイン州にある西部司令本部が陥落した。ラカイン州で国軍が支配するのは、州都シットウェイ周辺と中国が巨額の投資をして石油や天然ガス

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Global Headlines:戦争は地球環境への最悪の負荷

著者: 野上俊明

<はじめに> ウクライナ戦争とガザ戦争は、地域紛争の枠を超えてユーラシア大陸東西にわたる地政学的な緊張を高めたという意味で、2024年の重大な政治トピックであり続けた。しかし戦争のもたらす被害は、人的物的な直接的な損耗に

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Global Headlines:トランプの再登場とウクライナ戦争

著者: 野上俊明

<はじめに>  シリアのアサド政権の崩壊は、ウクライナ戦争にほとんどの戦争資源をつぎ込んで、シリアの面倒を見切れなくなったロシアの窮状を表しているようです。ルーブル価値の暴落とインフレの悪化、さらなる金融制裁は、プーチン

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