たんぽぽ舎です。【TMM:No1637】
2012年11月2日(金) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑
Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向(中村徹)
★2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を!
被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を
(新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会)
★3.新聞・雑誌から
◇「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も(11/1毎日新聞)
◇ぼくらの3・11 絵本に 福島の小学生、震災・原発体験つづる
(10月31日 朝日新聞より)
★4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目>
規制庁の拡散シミュレーションについて~テントの徹夜談議~(K.M)
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◇Ust番組「フクロウFoEチャンネル(FFTV)」http://goo.gl/27svW
11月3日(土)21:00~22:00 第12回 福島市渡利・大波の現状と除染の限界
11月7日(水)20:00~20:30 週刊FFTV(今日の原子力規制委員会/今週
のトピック/ニュースクリップ/画伯の今日の一枚/今日のプラカード他)
21:00~22:00 第13回 どうみる大飯原発断層(破砕帯)調査
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┗■1.「原発ゼロ懐疑論」への懐疑
│ Newsweek、東洋経済などにみる、原発推進側にみる偏向
└────(中村徹(保育士))
最近、本屋さんに行くと、原発推進側の視点による本や雑誌が目につくよう
になりました。
例えば、『Newsweek』日本版・2012年10月31日号の特集『脱原発のコスト』、
『週刊東洋経済』臨時増刊号『「原発ゼロ」は正しいのか』などです。もちろ
ん、そういう類の本・雑誌は、震災直後にもあったのですが、ちょっと遠慮し
ている雰囲気もありました。原発事故から1年半以上が過ぎ、もう遠慮もなく
なったということでしょうか。いやそれ以上に、原発ゼロに対する、経済界の
不安があるのだと思います。共通するテーマは、「原発ゼロ懐疑論」のようで
す。
『Newsweek』も『週間東洋経済』も、経済界と密接に関係しているので、こ
のタイミングで同じような特集が組まれているということは、日本経済新聞も
含め、経済界の「御用マスコミ」となっている一面は否定できないと思います。
『Newsweek』は昨年『原発はいらない』という別冊を出し、『週刊東洋経
済』も昨年、4月23日号『迷走する巨大企業の正体 東京電力』、6月11日号
『暴走する国策エネルギー 原子力』など、必ずしも原発推進側だけではない
報道をしていたのですが、結局は経済界の言いなりになってしまうのでしょう
か。
私はまだ、その「原発ゼロ懐疑論」的雑誌を全て読んだわけではないのです
が、ざっと目を通した印象で言うと、いくつかの傾向があると思いました。
まず、最近の反原発・脱原発運動について、「感情的」と決めつけているこ
とです。そう決めつけることで、原発ゼロという民意は、冷静な判断によって
なされたものではないこと、一時的な感情論に過ぎないという印象を与えるこ
とができます。でも、それは事実でしょうか? 私は感情論とは別に、冷静な
判断として、原発に反対しています。いつ起きるかわからない地震や津波に対
する安全性だけではなく、そもそも被ばく労働なしには成立しないシステム、
数万年(百万年?)単位の管理が必要な高レベル放射性廃棄物、それらを全て
総合して、本当に原発が経済的と断言できる人に、私はまだ会ったことがあり
ません。冷静に考えて、原発は必要ないからゼロを求めています。感情的な部
分があるとするならば、その民意を無視して原発を再稼働することに対してな
どです。もちろん、福島で故郷・家族・仕事を失った方々は、もっと辛い思い
があると思います。
「原発ゼロ懐疑論」に見られるもう一つの傾向は、「原発をゼロにするまで
の成長戦略が描けていない」と言っている点です。これも詭弁だと思います。
では、原発があれば経済成長するのでしょうか?日本経済は、福島原発事故以
前から、ずっと低迷していました。「100年に一度の不況」みたいな言い方を
していたのも震災前のことです。それを「経済が低迷しているのは原発が止ま
っているせいだ」とすり替えようとしているのが経済界です。じゃあ、経済界
の描く成長戦略って何でしょうか?それに失敗し続けているから、今の不況が
あるのではないですか?
あと、「原発ゼロ懐疑論」からはちょっと離れるかも知れませんが、原発の
必要性について、最近は「安全保障」という言葉が出てくるようになっていま
す。でも、これはフェアではないと思います。だって、日本の原子力は、「平
和利用」を前提としている筈なのだから。もし「安全保障」が関係するならば、
それは別の議論が必要だと思います。
以上のように、原発推進側の言い分は、かなり偏向していると思います。
もはや、なりふり構わずという感じです。逆に言えば、反原発運動が、
それだけの脅威を与えているということだと思います。
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┗■2.11月9日(金)、「被ばく労働者に安全と権利を!
│ 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」への参加を
└────(新孝一/被ばく労働を考えるネットワーク準備会)
【日時】2012年11月9日(金)18時20分開場/18時30分開始
【場所】江東区亀戸文化センター(カメリアプラザ)5階 第1、2会議室
東京都江東区亀戸2-19-1(JR総武線、東武亀戸線 亀戸駅 下車徒歩2分)
関電工の下請け労働者が、東電と関電工にたいする是正を富岡労基署に申し
入れました。他にも収束作業や除染作業に従事している労働者が、声を上げ
始めています。私たち「被ばく労働を考えるネットワーク準備会」は、
被ばく労働を強いられている人びと、地域の人びととの出会いを求めて、
福島現地のNGO、労働団体と協力して、11月25日にいわきで労働・健康・
生活相談会を行なう予定です。
そして、その前段集会をかねて、11月9日(金)に、「被ばく労働者に安全
と権利を! 被ばく労働を考えるネットワーク設立集会」をもちます
(開場6時20分。江東区亀戸文化センター(JR亀戸駅すぐ))
私たちはこれまで、労働運動、労働安全衛生センター、寄せ場・下層労働者
や非正規・フリーター層の運動、そして反原発運動のみならず、さまざまな社
会運動に関わってきた人びとが、少しずつ合流するかたちで、被ばく労働問題
に関する運動体を作り出すべく準備を重ねてきました。そして、現地での相談
活動の継続を一つの柱に、本格的な活動を開始したいと思います。
9日当日は、「ネットワーク」に参加しているいわき自由労組、神奈川労災
職業病センターの方の発言を受けて討論の予定です。ぜひお集まりください。
そして、「ネットワーク」への参加と賛同もよろしくお願いします。
詳細はホームページをご覧ください http://hibakurodo.net/
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┗■3.新聞・雑誌から
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◆「脱原発」で候補擁立か 宇都宮弁護士、湯浅氏の名も
(11月1日 毎日新聞より)
石原慎太郎氏(80)が31日付で辞職したことで事実上スタートした東京都知
事選(11月29日告示、12月16日投票)に、脱原発を訴えるグループの間で立候
補者を擁立する動きが出ている。支持母体をどう組織するかなど課題も多いが、
官邸前デモに発展した脱原発のうねりが都知事選の争点の一つになる可能性が
浮上している。
擁立を模索しているのは、脱原発を訴えている市民団体や労組。民主党の一
部議員にも動きがある。関係者によると、候補者としては「脱原発基本法案」
の作成に関わった前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(65)や元内閣府参与
で「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏(43)らの名前が挙がっている
という。4日に有志が候補者擁立に向けた集会を千代田区内で開く。(中略)
脱原発への賛同はツイッターなどのソーシャルメディアで広がっているが、
組織化されていない。支持をどれだけ広げられるかは未知数だ。
◆ぼくらの3・11 絵本に
福島の小学生、震災・原発体験つづる(10月31日 朝日新聞より)
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県の小学生たち
が、体験や思いをつづった作文や詩が絵本にまとまった。
『ふるさとはフクシマ 子どもたちの3・11』(文研出版)として、30日に
出版された。
福島市のNPO「元気になろう福島」が、大熊町や、南相馬市、いわき市など
7つの小学校の協力を得て120人の子どもたちの作品を収集。15人分にプロの
絵本作家が挿絵をつけた。
その時もうみんなとバラバラになるとは思ってもいませんでした。夜になり
お父さんが仕事から帰ってきて「原発が爆発したから逃げるぞ」と言いました。
(南相馬市の石神第2小6年だった菅野莉奈さん)(中略)
絵本は売り上げの3割を、被災した子どもたちの活動を支える基金に充てる。
問い合わせは同NPOへ
電話(024-563-7166)かメール(honda@genkifukushima.jp)で。
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┗■4.<テント日誌10/28(日)―経産前省テントひろば414日目>
│ 規制庁の拡散シミュレーションについて ~テントの徹夜談議~
└────(K.M)
10月28日(日) 晴のち雨 雨降りしきる夜長の徹夜談義
しっとりと雨が降る夜、テントの中では飛び込んできた渕上村長を交えて熱
い会話が夜を徹して続いた。
テントの当番制についての討論に続いて、私は平和のピアニスト池邊さんと
クラシック音楽談義、同じ時期に大阪の直ぐ隣街に住んでいられたことや共通
の知合いが居たことなど、大阪の音大ローカルな話がはずんだ、原発に反対す
る運動のあり方も議論した。大声のために仮眠していた人も起こされて合流し
更に話が進む。
規制庁の拡散シミュレーションや防災訓練、テントの秩序、ルールとマナー、
在宅親ケア、親のおくり方、などなどと。ルールについては、人に迷惑をかけ
るから守るべきでルールがあるから守るべきなのではない、人権を守るべきな
のも憲法があるからではない、などなどと議論が尽きなかった。
規制庁の拡散シミュレーションについて
規制庁が10月24日に発表した各原発からの拡散シミュレーション結果の
図がテレビでも新聞でも大々的に報道された。
http://www.nsr.go.jp/committee/kisei/20121024.html
(5、6番目のファイル)
が、これは信用できない。年間で捉えて季節別・月別・日変化などを考慮しな
いのでは到達距離を過小評価する。このことを確認したくて、規制庁の防災課
に電話してみてそればかりでは無いことが分かった。地形を考慮していないプ
ルーム式を使うことに目をつぶるとしても、風向風速のデータの使い方がおか
しい。
特定の方向への到達距離を求めるために、毎時の気象データ(風向、風速、
大気安定度、降雨量)を使用するが、風向をその特定方向に一定としておきな
がら、風速と大気安定度と降雨量のみ毎時の値を使用して計算している。風
向・風速のベクトルを分離してしまってとても説得力がない架空の計算を基本
にして推定しているのだ。
案の定という訳ではないが、29日には6原発の拡散予測の誤りを規制庁が
発表した。規制されるべき北陸電力からの指摘で判明したそうだ。
http://www.nsr.go.jp/kaiken/20121029haihusiryo.html
各原発で事故が起こった場合にどれだけの地域に影響するかを推定するため
の計算であるが、次のことをきっちり確認する必要がある。
1 原発からの放射性物質の発生量をどれだけと仮定するか
2 どのようなモデルで拡散(と到達)をシミュレートするか
3 その結果をどう評価するか、どれだけの量がどれだけの頻度で到達したら
到達したと見なすか
以上の観点から、今回の拡散予測結果は全く信用できない。どうも、防災指
針で30km圏まで考慮すれば良いと決めつけたいがためのシミュレーション
のようだ。枝野経産相が本年4月2日に参院予算委員会で述べた「日本全国に
福島(原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では
『日本全国』が地元だ」を忘れてはいけない。
拡散シミュレーションの専門家の追及を期待したい。
なお、原子力災害対策指針に関する緊急署名が集められ、個人署名3227筆、
呼びかけ・賛同団体:182団体で、30日に提出され、今も追加署名を募集
している、是非ご協力を(締切11月12日)。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1030-6668.html
(K.M)
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