「『お母さん向け保育付き講座』大盛況!」など 地震と原発事故情報 その117 

4つの情報をお知らせします(7月12日)

   ★1.「お母さん向け保育付き講座」大盛況!(中村徹)
   ★2.東電よ、次こそ母親たちを鉄扉の内側に入れて文書を受け取れ
            7/7七夕東電前浴衣要請行動(続報)
   ★3.原発に未来はない―世界平和アピール
         7人委員会のアピール文を紹介
   ★4.株主総会を茶番劇に変えた東電経営陣-しかし会場の雰囲気は
         圧倒的「勝利」
         次なる手段は株主代表訴訟で勝俣会長らを裁くことになろう

★1.「お母さん向け保育付き講座」大盛況!(中村徹)

 東日本大震災から4か月目の7月11日、スペースたんぽぽで「お母さん向け保
育付き講座:食品汚染と放射能の基礎知識」が開催されました。
 たんぽぽ舎としては初の試みである「保育付き講座」を告知から開催まで3週
間弱という短期間でゼロから立ち上げたので、いろいろと準備不足がありました
が、たくさんのお母さん、お父さん、こどもたちが参加してくれて、大盛況でし
た。
 保育については、会場の後方にゴザを敷いて保育スペースを作り、こどもが中
に入って遊べる「お城」を置いて、おもちゃ、絵本、お絵かき、折り紙、紙芝居
などで、こどもたちと遊びました。
 最初から積極的に遊ぶ子もいれば、遠巻きに見ながら徐々に輪の中に入ってく
る子、最後までお母さんから離れない子など様々でしたが、みんなそれなりに楽
しめたことと思います。
中には会場を走り回ったり、大きな声を出したりする元気な子もいたので、講座
が聞き取りにくくなったりしたと思うのですが、みなさん「保育付き講座」であ
ることを理解してくださっていて特に苦情などもありませんでした。
さて、その肝心の講座については、私は保育を担当していたのでよくわかりませ
ん。
 ただ、質疑応答が予定時間を大幅に超過しても活発に続いていたので、きっと
いい内容だったのだと思います。アンケートの回収率も40%以上でした。
 たんぽぽ舎では、これからも「お母さん向け保育付き講座」を開催いたします。
今回の経験と反省点を踏まえ、よりよい講座を作っていきたいと思っております
ので、どうぞご期待ください。
最後に、おもちゃや絵本、備品などを寄付してくださった皆様、ありがとうござ
いました。
 ※次回の第2回「お母さん向け保育付き講座」は、
  8月22日(月)14:30~16:30 資料代800円
  会場:スペースたんぽぽ

★2.東電よ、次こそ母親たちを鉄扉の内側に入れて文書を受け取れ
      7/7七夕東電前浴衣要請行動(続報)

○東電よ、次こそ母親たちを鉄扉の内側に入れよ
東電本社前で繰り広げられた20分余のやり取りは、東京電力という巨大企業の体
質を知るには十分だった。
固く閉ざされた鉄扉の内側に立ちはだかる3人のガードマン。戸惑う母親たち。
周囲で睨みをきかせる公安警察…。それでもなお、東電側は「対応に問題は無か
った」と言う。家族や周囲の有形無形の圧力に怯えながら集まった母親たちの勇
気に敬意すら払わない。これで本当に七夕の願いは西沢社長の胸に届いたのだろ
うか。
○「3人と聞いている。他の人は駄目です」
要請文を渡そうと本社前まで近づいた横関彩子さんたちにガードマンが告げたの
が始まりだった。七夕に合わせて行われた、「いのちを守るお母さん全国ネット
ワーク」関東支部の要請行動。
 集まった母親たちは、シュプレヒコールをするわけでもなく、東電に罵声を浴
びせることもしない。もちろん、暴力行為もない。歌は歌ったけれど、なるべく
静かに想いを表現した。東電を責めるのが目的ではないからだ。母親として、子
どもの将来を案じているという想いを届けたいだけなのだ。
だから、横関さんは事前に同社広報部に電話連絡を入れ、時間の調整をしていた。
確かに人数は「3人くらい」と告げたものの、まさか人数を理由にガードマンと
押し問答をするとは思わなかった。
「3人でないと駄目ですか?」横関さんが小さな声で尋ねる。
件のガードマンは上司の指示を仰いでいるのだろうか、携帯電話を耳にあてたま
ま駄目だと言う。これだけでも十分非礼なのだが、他のお母さんや子供たちは横
断幕を持って並んでいるだけなのだ。
 どうしても、車道を渡った向こう側に行かないと要請文を受け取らないと言わ
んばかりの態度。不毛な押し問答を続けることは得策でないと判断した母親たち
が譲歩。横関さんが要請文を読み上げた時には、約束の時間を20分も過ぎていた。
○結局、男性社員が現れ、要請文と短冊のついた笹の葉を受け取った。広報部で
は、誰が受け取ったまでは把握していないと言うが、警備担当者という。その男
性は要請文の朗読を聞き、文書と笹の葉を手に足早にビル内に戻って行った。あ
れだけごねたのが嘘のように、呆気なかった。この間、鉄扉は閉ざされたままだ
った。
これだけの仕打ちを受けてまで手渡した要請文と短冊のついた笹の葉は果たして
どうなったのか。
広報部によると「広報担当部署でお預かりしている。社長の西沢にも報告したと
聞いてる」とのことだが、社長が要請文を読み、短冊に目を通したとは思いにく
い。同部は、この日の対応に関しても「社員が対応する以上、部署や立場は関係
ない」との立場。
しかし、母親たちのしなやかな要請行動に対する応対にしては、ずいぶん冷たく
はないか。
社長自ら出てくる必要はあるまい。だが、自治体(市や町、都や区)でも警備担当
者が応対するのか?
○あれだけの事故を起こしてもなお、民を愚弄する東電。恐れ入るばかりだ。

★3.原発に未来はない―世界平和アピール
   7人委員会のアピール文を紹介
 
  2011年7月11日、「原発に未来はない」アピール文が世界平和アピール7人
 委員会から出された。
  長文のため、前書き全文と6の結び全文をのせ、1~5は目次のみの紹介と
 しました。(編集部)

       世界平和アピール七人委員会 
                   武者小路公秀 土山秀夫 大石芳野
                 池田香代子 小沼通ニ 池内了 辻井喬

 2001年3月11日に発生した東日本大震災の地震と津波、東京電力福島第一原子
力発電所事故に際して、国内・国外の市民や各国政府から多大の援助、特に福島
原発事故の対策については不可欠の技術協力をいただいている。原発の過酷な故
現場では多数の人たちが日夜対応に当たっている。これらすべてのひとたちに対
して、心から感謝の意を表したい。
 世界平和アピール七人委員会は、天災のなかでおこった人災としての東京電力
福島原子力発電所事故について、われわれ日本人と全世界の人々がともに考え、
ともに対策を練るべき問題が山積していると考える。日本と世界諸国の市民、学
界、言論界そして政府関係者、特に原発はやめられないのではないかと考えてい
る人たちが真剣な検討を進めてくれることを切望する。

1、東京電力福島第一原子力発電所事故
2、恐怖と欠乏を免れた平和な生活を
3、安心と安全を破壊する原子力発電所の廃止の具体的提案
4、原発廃止は可能である
5、原子力発電所へのIAEAの関与の一層の強化を
6、結び
   日本は3・11東日本大震災における東京電力福島第一原発爆発の人災を
 経験することで、広島・長崎・ビキニにおける核の軍事利用の被災国であるこ
とに加え、平和利用の原発の被災国となった。
  世界平和アピール七人委員会は、日本の多くの市民と思いを共有して、核の
 軍事利用の廃絶とともに原子力発電所を全廃する世界に向かう道を歩むこと
 を、日本および全世界の良識ある市民とリーダーとに求めるものである。
                            以上

★4.株主総会を茶番劇に変えた東電経営陣-しかし会場の雰囲気は
   圧倒的「勝利」
   次なる手段は株主代表訴訟で勝俣会長らを裁くことになろう

              脱原発・東電株主運動/たんぽぽ舎 山崎久隆

○ 第87回株主総会は、一方的な質疑打ち切りと共に402名の株主提案を「反対
多数」で一蹴して終わった。しかし会場の雰囲気は圧倒的「勝利」だった。
 脱原発・東電株主運動は1991年から連続して株主提案を続けてきた。一度
90%以上の大差で否決されてしまうと同一議案を連続して提案できなくなる
制限により、単純に原発廃炉という議案ではないが、主なものでもこれまでに
耐震設計審査指針以前(78年以前)の原発廃炉(福島第一原発廃炉)議案
(2005年)、運転開始以来40年に達する原発の廃炉(福島第一の1,2,3号
機廃炉)議案(2009年)などを出してきた。
 おしなべて全ての原発が危険なのはそのとおりだが、より老朽化し、さらに
前時代の耐震設計で、もともと設計したGEの技術者すら「欠陥炉」と指摘し
てきた福島第一原発を早く止めないと大変な事態になるかもしれないという思
いは株主運動の中でも共通だった。
 ところが東電は、その切迫感とは対照的に「今まで無かったことはこれから
も無い」的な、根拠の無い自身のもとに漫然と原発を動かし続け、ついに原発
震災を引き起こした。今回の議案は、「人災」への責任の取り方として最低限
のことだったが、一部生保の大株主を含めて、そのような責任については「興
味が無い」ことが分かった。
○ 総会の会場に戻ろう。
 これまでの株主総会は、脱原発株主が質問や議案提案に立つと「もう原発の
話はたくさんだ」というヤジが飛んだ。議案提案を行う株主にも容赦ない罵声
が浴びせられた。いわく「電気を使うな」「江戸時代に戻れというのか」。
 今年はその罵声が東電の役員に向けられた。「原子炉の中に入れ」「おまえ
たちが避難所に行け」。
 会社側提案は、今回は人事案件しか無かった。その取締役に一人ずつ答えを
迫るのは私たちだけでは無かったし、監査役に対し責任を問う声も少なくな
かった。
 結局20人以上が質問や動議に立ち、その全てが原発で、原発の推進続行とい
う発言をした株主は1人だけだった。
 会場にいた株主9309人の人数で決められるものならば、おそらく脱原発
議案は成立したかもしれない。しかし実際には株式数の過半数を握る2名(2
社)の大株主が立てた代理人が反対に回ったため、否決されてしまった。
 株主提案への賛成は約8%、反対票は約89%、不明3%と報道発表されて
いる。8%とはこれまでの原発反対議案では高いが、株主運動として提案して
きた議案には取締役の個別報酬開示請求が33%という高率の支持を得ていた
ことを考えれば、時間があれば、まだまだ高くなっていただろう。城南信用金
庫や南相馬市や白河市が賛成したいきさつが報じられているとおり、脱原発の
議案は深く広く浸透し始めている。
 来年まで東電が存続し得るかどうかも分からないが、今後の展開次第では大
きな成果を得られる可能性は高い。
○ しかしその前に、紀藤正樹弁護士がツイッターに書いているとおり「今回の
株主提案は将来及び過去の取締役責任を求める際にまさに踏絵を迫る提案」で
ある。紀藤弁護士自身が反原発の意思表示のために20年前に株を買ったとい
う。
 一部の大株主の委任状を盾にとって、強引に自らの責任を回避するためだけ
に行われた株主総会。経営責任を感じていないのならば、次なる手段は法廷に
持ち込むことだ。株主代表訴訟で勝俣氏らを法廷で待つことになろう。

───────────────────────────────
◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。
◆電子メール(Eメール)送ります
 たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。
ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに
送ってください。登録できしだい発信致します(無料)。
たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net 
◆携帯のアドレスへは、1回の容量が多いためか配信されない例があります。
───────────────────────────────
  たんぽぽ舎      たんぽぽ舎は、月曜~土曜-
             13:00~20:00のオープンです。
             日曜・休日は、お休みです。
   〒101-0061
   東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
    TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
    HP http://www.tanpoposya.net/