「れいわ新選組」の過ちと反MM論者についてー澤藤論考を読んで

澤藤統一郎先生の『「れいわ」だけがやった「ワクワクした参院選」7月30日付』で,予期した通り,「Reiwa」について論じられいる。
>私は、「令和」を政党名につけるセンスには大きな違和感を禁じえない。「新選組」という権力側のテロ集団名も、真面目なネーミングとは受けとめられない。
イスラム歴,西暦使用が小生の原則であるので澤藤先生が元号利用(強制)に反対されることに大いに賛成であるが,新元号については意見を異にする。例えば貞観の仏を「じょうがんの仏」とし,天平の甍を「てんぴょうの甍」とやっては味がないし,直感的に何のことか分からない。そこはどうしても漢字で書くことが表意文字としての「言葉の機能」を際立たせるのではないだろうか。すなわち,山本太郎氏が「令和新選組」と名売った場合にはたとえその政策が素晴らしいものであっても,応援の文章は書かなかったであろう。
また特に反MM理論(現代貨幣理論)者に対して彼らの知的不誠実さを論難しなかったであろう。反MM論者は太郎氏の『8つの緊急政策』を批判して「その財源はどうするのか。もし新規国債発行で政策実現の財源をねん出するとすれば,ギリシアやジンバブエあるいはべネスエラのように超インフレになるか財政破綻する」と主張して,潰そうとした。しかし,「れいわ新選組」の候補者の1人が元モルガン・スタンレ-出身の大西恒樹氏と分かると表立った批判を止めた。鳴りを潜めて今日に至る。
左翼知識人の,国民の貧困状況を具体的に知らない,ひ弱さがそこに見られるわけだが,党名「れいわ新選組」もよく考えられた命名である。まず第一に新元号(漢字)と平仮名の「れいわ」とは異なる。澤藤先生は不使用宣言をしておきながら漢字で「Reiwa」とお書きになっておられる。不思議である。第二に「れいわ」は,他の新党が「新元号」新党と名乗ることを防いでいる。もし新元号新党が当選者を一人でも出した場合,新元号不使用宣言をされた先生たちは耐えられないのではないか。
また,「新選組」は「新撰組」とは異なる。前者は「新たに選ばれし者たち」という意であり,後者はご指摘の通り「権力側のテロ集団」を連想させる。したがってれいわも新選組も反権力を意味する。反権力は牛歩戦術も喪服着用(安保法制成立により日本国憲法乃至民主主義は死んだ)も何でもやるだろう。さらに牛歩・喪服姿は合法的手段であり,与党はもちろんテ-ブルの下で与党と手を握る野党第一党をも批判している。しかしそれだけではない。
第三に山本太郎は俳優である。グラビアアイドルとして芸能界に初登場(デヴュ-)した。しかし,彼は演劇的効果も知っているだろう。その効果が例えば,演説やれいわ祭りなどに現れていると思う。ゆえに人は「ドキドキ」したのである。
 さて本題に入ろう。太郎氏は地方の各都市で街宣をした。各地のボランティアが彼を支えた。その力は人並み以上。しかし着ていたTシャツが大問題。漢字で「新元号」元年云々と書いてあるのである。
 そのとき澤藤先生の新元号不使用宣言を思い出して,元号反対の識者からは賛同を得られないだろうと警告を発した。その後街宣映像はボランティアの後姿を映して表を映さなくなった。実に些細なことであるが,得票に大きな影響を与えないとは言い切れない。なぜなら,そうでなくても反MM論者は「れいわ新選組」を快く思っていない方が多いからである。 反MM論者とは反緊縮財政論者であり,デフレ20年の結果,多くの貧困層を生み出した知識人(主流経済学派またはレフレ派)であり,財務省官僚たちである。