日本のキューバ友好団体が声明
「トランプ政権がキューバの主権と自決権を厳に尊重するようよう強く求める」。こんな内容を盛り込んだ声明が、2月10日に東京・東麻布の駐日キューバ大使館の2階ホールで開かれていた集会で採択された。集会参加者は日本でキューバとの友好運動を推進している団体の代表ら約50人。米国のトランプ政権が今年1月3日にキューバと友好関係にある南米のベネズエラを攻撃して以来、日本における対キューバ友好団体がまとまって行動したのは初めてだ。
この日、駐日キューバ大使館に集まったのは、キューバとの友好団体8団体(キューバ友好円卓会議、活動家集団思想運動、キューバの主権を擁護する有志の会、全日本民主医療機関連合会、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、日本キューバ友好協会、CUBAPON日本キューバ連帯委員会、日本キューバ科学技術交流委員会)の代表や関係者ら。
まずハリケーン被害支援募金を贈呈
これらの団体代表関係者がこの日、駐日キューバ大使館に集うたのには、それなりの理由があった。これらの団体が中心となって、昨年暮れから取り組んできたキューバ支援募金を大使館に贈呈するため、大使館を訪れる必要があったのだ。キューバは昨年10月、ハリケーンの襲来で甚大な被害を被ったため、友好団体は共同して募金を展開し、256万円を集めていたのである。
そういうことがあったから、この日、大使館2階ホールでは、募金贈呈式か開かれ、友好団体側からヒセラ・ガルシア大使に募金の目録が手渡された。

ところが、贈呈式はこれで終わらなかった。たちどころ、米国のトランプ政権を糾弾し、キューバ国民との連帯を表明する集会に変わった。トランプ政権のベネズエラ攻撃の直後から、友好団体関係者の間には「ベネズエラの次にトランプ政権が狙っているのはキューバだ」との疑念が浸透しつつあったが、その後、トランプ大統領が「キューバは崩壊寸前」「キューバに侵入して破壊することもある」「手遅れになる前にとりひきすることを勧告する」「キューバへの石油供給はゼロだ」などと語ったと報じられたことから、友好団体関係者の間では「米国の国際法違反行為には、何らかの機会をとらえて日本の友好団体として声を挙げねば」との意見が高まりつつあったからだと思われる。
米国政府糾弾・キューバとの連帯強化の声続々
だから、贈呈式後、友好団体の代表や個人が次々と登壇し、キューバ国民との連帯を訴える発言をおこなった。贈呈式は、オンラインによる参加もOKだったから、地方在住者からの発言もあった。発言の中には、こんなのもあった。
「トランプ政権がやっていることは帝国主義的力の支配だ。人類への敵対だ」
「米国がやっていることは犯罪的行為である」
「米国の行為は非人道的だ」
「トランプ政権はキューバに対する一方的な制裁を直ちにやめよ。時代錯誤の植民地支配をやめよ。支私たちはキューバの国民に心から連帯する」
「本日の集まりをキューバとの連帯強化の機会としたい」
「キューバは決して独りではない」
「私たちは何時もキューバの国民とともにあることを強調したい」
「キューバの主権を守るために立ち上がろう」
集いが採択した声明の全文
この後、集会は出席者一同の名で「トランプ政権はキューバの主権と自決権を尊重せよ」と題する声明を拍手で採択した。声明の全文は次の通り。
「アメリカのトランプ政権は、昨年1月に就任するや、再びキューバをテロ支援国家リストに掲載紙、キューバ経済を一層悪化させるように図った。その後もキューバへの敵視政策をさらに強化し、昨年の国連総会にやけるアメリカの対キューバ経済封鎖解除決議の採択にあたっては、キューバがウクライナに軍隊を派遣しているというデマを数十カ国に伝え、封鎖解除決議案に賛成しないように策略を行った。また、キューバ駐在の米国臨時代理大使は、キューバ国内の様々な政治的反対反対派と会談するという内政干渉を行っている。
さらに12月にはベネズエラからキューバ向けの石油タンカーを捕獲して、キューバに石油が届かないようにした。1月3日のベネズエラ侵攻以降は、ベネズエラからのキューバ向け石油輸出を完全に停止した。その上、ベネズエラと並んで重要な石油供給国のメキシコにも石油供給を行わないよう圧力を掛けている。
そして、トランプ大統領は、キューバの経済困難に乗じて『キューバは崩壊寸前だ』、『キューバに侵入して破壊することもある』、『手遅れになる前に取引することを勧告する』、『キューバへの石油の供給は、ゼロだ!』」などと、恐喝を重ねている。
遂には、1月29日、トランプ大統領は、大統領令を発表し、キューバに石油を供給する国々に追加関税を科すと発表するとともに、キューバに関する国家安全保障上の緊急事態を宣言した。この決定は、第三国にもアメリカの政策を適用するという点で、国際法、国連憲章に違反する行為である。そうした無法な行為によって、キューバ経済の息の根を止めて体制転換を図ろうとするものである。その根底には、社会主義をめざすキューバ革命政府の存在自体を絶対に許せないという価値観がある。
キューバの在り方、未来を決めるのは、キューバ国民であり、アメリカ政府の価値観ではない。ここに集まったキューバ国民との友好・連帯を進める私たちは、トランプ政権が、キューバの主権と自決権を厳に尊重するよう強く求めるものである」。
「キューバは決して屈服することはない」と大使
最後にガルシア大使が登壇し、「本日はいろいろな方から話をうかがうことが出来て心から御礼申し上げる。本日、話し合われたことを多くの方に知らせてください。キューバは極めて厳しい状況にあるが、私たちは力を持っている。米国は私たちに対話でなく、ひざを折って屈服せよ、と仕掛けてくるが、私たちは決して屈服することはない。きょうは私たちへの励ましをいただき、ありがとう」と挨拶した。
「リベラル21」2026.02.13より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座https://chikyuza.net/
〔opinion14685:260213〕









