「再稼働反対・廃炉を求める署名3万5000人分、市民グループが追加」など-地震と原発事故情報

たんぽぽ舎です。【TMM:No1654】
2012年11月16日(金) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.浜岡原発の前面砂丘「防波堤」と「防波壁」
津波を防ぐどころか津波の海水を閉じ込めるだけ<上>(山崎久隆)
★2.<連載-6>『原発真近への米軍へリコプター墜落事故』
霧の中の飛行訓練(冊子『原発の来た町』から)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◇11/20(火)17時から 緊急院内集会、
「大飯原発の即時停止を ~国は安全審査の「手引き」を守るべき」
★4.新聞・雑誌から3つ
◇再稼働反対・廃炉を求める署名3万5000人分、市民グループが追加
(11月16日 茨城新聞から)
◇大飯原発周辺「3断層連動」の可能性
東洋大教授ら調査、敷地内も動いた疑い(11月16日 茨城新聞から)
◇脱原発 政策も乱立(11月16日 東京新聞「核心」より)
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◎あす17日(土)18時半から、「反原発なにかしたい人会議 11回目」
場所 スペースたんぽぽ、参加費500円。
何かしたい、でも何をしたらよいか分からない人の相談会です。参加歓迎。
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┗■1.浜岡原発の前面砂丘「防波堤」と「防波壁」
│   津波を防ぐどころか津波の海水を閉じ込めるだけ <上>
└────(山崎久隆 たんぽぽ舎)

◇崩れた砂丘

既に総工費1400億円を投じて工事が始まっている浜岡原発の耐津波性能
向上工事などの耐震・津波補強。やっているそばから、既に破綻が始まってい
た。
誰でも感じる「津波を砂丘で止められるか」という問題。もちろん今ではそ
んなことは誰も信じていない。そのため「防波壁」が作られることになった。
浜岡原発は言うまでもなく南海トラフを震源とする海洋プレート境界型地震
の震源域真上にある。そのため地震に伴って発生する巨大津波の「波源域」が
目の前にあることも事実だ。
しかし浜岡原発の前の砂丘は、台風の高潮により切り刻まれていた。
特に2009年の18号台風などでは砂丘に大きなき裂が生じ、周辺では防
波堤も崩れてしまう被害が出ている。浜岡原発周辺では補強工事が今も行われ
ていた。台風で削られる砂丘が、津波を止めるなど想定できるだろうか。
さて、福島第一原発は、地震に襲われてから津波に襲われるまで、それでも
50分近くあったので、その間、原子炉スクラム・制御棒挿入動作、原子炉冷
却系統の稼働、隔離時復水器(1号機のみ)、ECCS作動(2・3号機)が
あった。そのため、全電源喪失により冷却水が失われ燃料露出・炉心崩壊から
メルトスルーに至るまで、ある程度の冷却は出来た。熱量がある程度下がって
いたので炉心破壊も運転中の原発に比べたら、ゆっくり進行したはずだ。
では浜岡でも同様の経緯を辿るだろうか。

◇浜岡を襲う地震の性質

現在の緊急対策は、いわば福島第一をなぞっている。電源喪失が怖いから電
源車を配備し、冷却水がなくなるとメルトダウンするから代替注水機能を増や
している。これらは福島第一原発と同様に「地震」により外部電源喪失、ただ
し非常用ディーゼル発電機は正常作動、数十分後に「津波」により海水ポンプ
が破損。そのために最終ヒートシンクを失うので別の方法で冷却といった想定
だ。
浜岡はそれで助かるか。答えは「否」。
まず、地震の揺れの規模がまるで違う。地面は波打つように揺れ、そのうち
本当に波打ち出す。つまり液状化だ。福島では大規模では起こらなかった、地
盤の液状化に伴い建屋が傾き出す。
柏崎刈羽原発では実際に起きた。3号機の外にあった起動変圧器の火災は地
盤沈下による冷却用の油が漏えいし、引火したために起きた。浜岡では構内に
ある重油、軽油、ガソリン等のタンクが破壊されて火災が多発する。同時に波
打つ地面に原子炉建屋もタービン建屋も翻弄され、特に両建屋が建築深度も地
面投影面積も、加重もまるで違うため別々に揺れ出し、相互の間にある蒸気系
と給水系配管を引きちぎる。福島では地震で破壊された配管は中小規模に限ら
れ、大口径の配管は再循環系を含めて原型を止めたとみられるが、浜岡は地盤
が柏崎刈羽原発と同程度に悪いので、同じように建屋の変位が起きる。柏崎刈
羽原発の建屋を「変位」させた地震はマグニチュード6.8だが、浜岡を襲う
地震は9に達すると考えられる。エネルギー量は単純に2000倍、震度7に
達する強震動は継続時間が推定180秒以上、地盤の大破壊が起こると考える
のが自然だ。ちなみに浜岡の基準地震動Ssは最大800ガル、主要動の震動
継続時間は60秒ほどだ。
原発の地下に走る断層も、地盤の変位が起きるだろうことを示唆している。
H断層系という断層群が浜岡の敷地を走っているが、1・2号機は何とかそ
れを外して建てている。しかし3~5号機は全てタービン建屋に掛かって建っ
ている。原子炉建屋とタービン建屋の間を走る3号機の例もある。1・2号機
は廃炉になって燃料の取り出しが終われば最悪の燃料溶融被害は起こらない。
問題は3~5号機だ。
まずこの断層線が大きく動く。これが地震断層であったらますます致命傷だ
が、そうでなくても地盤が変位してしまうので、上にある建物にとって致命傷
になろう。
間の配管は20cmの変位にまで耐えられるとされるが、20cm以上にな
れば建屋の壁に干渉するため持たない。例え20cm以下でも引っ張り方向に
大きくずれれば配管よりも継ぎ目のノズルやバルブの場所が破壊されよう。柏
崎刈羽は中越沖地震の際にタービン建屋と原子炉建屋の間で1.2cm変位し
た。浜岡は現時点で3号機では1.6cmまで変位すると解析している。
<次号につづく>

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┗■2.<連載-6>『原発真近への米軍へリコプター墜落事故』
│  霧の中の飛行訓練
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※この連載は著者(斉間満氏・故人)の夫人(斉間淳子さん)の承諾を得て
掲載しています。本文は、2002年5月発刊の『原発の来た町-原発はこう
して建てられた-伊方原発の30年』の一節です。
(この本はたんぽぽ舎でも扱い中。137頁、1000円)

一九八八年の伊方原発近くへの米軍ヘリ墜落事故に話を戻す。
米軍ヘリがなぜ霧の中に迷い込んだのかとの疑問だ。原発周辺の地理を知り
尽くしている米軍ヘリが、誤って霧の中に入ったとは考えられない。峰を這う
ようにして発生する三崎半島沿いの特有の霧は、標高二三〇メートルほどの山
頂から二〇メートルも高く飛べば、十分避けられた。なのに、なぜ霧の中なの
か――である。
米軍ヘリは、霧が出たのを幸いに霧の中へ飛び込んだ。山肌に沿って飛べば、
敵のレーダーから機体を消すことができる。そして霧は敵の目からもヘリを見
えなくさせる。霧の中の飛行訓練を試みたとの疑いは強くなった。
その訓練目標に使われたのは伊方原発ではないか。
戦場は晴天の時ばかりとはかぎらない。したがって、悪天の中の訓練も軍隊
にとっては重要なことであるとの考え方にたった時、濃霧の原発上空を低空飛
行し、敵のレーダーや視界から身をかくしながら飛行する訓練をこころみた
――という当初の疑いは、墜落から一〇年近くたった九九年のリムピースの高
知県沖の米軍機墜落の真相解明で、推測ではなく確信的なものとなった。
原発近くに墜落した米軍の大型ヘリコプターは、決して飛行コースを誤った
のではない。原発を攻撃目標に、敵のレーダーから身を隠すために霧の中に
突っ込み、山並みスレスレに、目視飛行を試みていた。そして誤って山頂付近
の雑木林に機体をひっかけ墜落した。
小学校や変電所、発電所が攻撃目標にされていた例からすると、原発が攻撃
目標にされていたと考えるのは、決してうがった推測ではない。

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┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆11/20 緊急院内集会
「大飯原発の即時停止を ~国は安全審査の「手引き」を守るべき」

大飯原発の敷地内の活断層の問題に警鐘を鳴らしてきた渡辺満久・東洋大教授
を招き、緊急院内集会を行います。ぜひ、ご参加ください。

日時 2012年11月20日(火)17:00~18:30 ※16:45から通行証を配布
会場 参議院議員会館 講堂(東京メトロ 永田町駅、国会議事堂前駅)
内容(予定)
・大飯原発活断層調査について
・「手引き」の持つ法的な意味
<ゲスト>渡辺満久さん(東洋大学教授)、只野靖さん(弁護士)
資料代 500円
主催 福島老朽原発を考える会、原発を考える品川の女たち、FoE Japan
協力 グリーン・アクション、美浜・大飯・高浜原発に反対する会
問合せ FoE Japan tel 03-6907-7217、fax 03-6907-7219
満田/090-6142-1807

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┗■4.新聞・雑誌から3つ
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◆再稼働反対・廃炉を求める署名3万5000人分、市民グループが追加
(11月16日 茨城新聞から)

市民グループ「東海第2原発の再稼働阻止・廃炉を求める県民センター」の
代表者らが15日、県庁を訪れ、日本原子力発電東海第2原発の再稼働反対と廃
炉を求める県内外の3万4861人分の署名を県に追加提出した。(中略)
署名は今回と合わせて計27万1573人分となった。提出後、同センターの
田村武夫事務局長らが、県地域防災計画原子力編の策定方針や策定状況などに
ついて県側に質問。さらに子どもたちの甲状腺被ばく調査の実施を強く求めた。

◆大飯原発周辺「3断層連動」の可能性
東洋大教授ら調査、敷地内も動いた疑い(11月16日 茨城新聞から)

関西電力大飯原発(福井県)の近くにある三つの活断層がほぼつながってお
り、連動する可能性があるとの調査結果を東洋大の渡辺満久教授(変動地形
学)らが15日までにまとめた。原発周辺の地形はこれらの断層の活動で隆起し
たとみられ、原発敷地内の断層も同時に動いた疑いがあるという。
京都府宇治市で17日に開かれる日本活断層学会で発表する。(中略)

つながっている可能性があるのは、大飯原発北西沖の海域にある2断層と、東
側陸域の「熊川断層」。(中略)渡辺教授と中田高・広島大名誉教授(変動地
形学)は今年夏、大飯原発が面する小浜湾で音波探査を実施。熊川断層の延長
線上の海底で、深さ約10メートルにある1万年以降の地層が断層活動で変形し
ているのを確認した。
さらに、航空写真などによる地形の分析で、音波探査を実施した場所のすぐ
近くにある岬に断層のずれで生じた地形があることも分かった。(中略)
原子力規制委員会が活断層かどうかを調査中の敷地内にある「F-6断層」
との関連について、渡辺教授は「広域的にみて、3断層の活動によって隆起し
た地域に含まれており、連動したと考えるべきだ」と指摘している。

◆脱原発 政策も乱立
(11月16日 東京新聞「核心」より)

各党の公約、姿勢---衆院選は、東京電力福島第一原発事故を経験した国民
が、今後の日本の原発政策を選ぶ最初の国政選挙となる。原発を当面は動かす
のか、止めるのか。止めるならいつか。ほとんどの政党が表向き脱原発依存を
掲げており、違いが分かりにくい。各党公約の正式発表はこれからだが、現段
階での政策や幹部の発言などから各党の考えを中間評価する。

「民主」(原発)ゼロ確約せず、「自民」争点化回避
「維新」輸出は容認 「みんな」とズレも
「生活」10年後停止 「公明」40年後に
「太陽」稼働  「減税」とは不一致。

民主党は「原発ゼロ」方針を打ち出し、自民党との差別化を図る考え。連立
を組む国民新党も同様の姿勢だ。野田政権は9月、「2030年代に原発稼働
ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する」とした新エネルギー戦
略を決定。(中略)ただ「原発ゼロ」までを確約したわけではない。細野豪志
政調会長は、再生可能エネルギーの普及など「予測不可能なことが多い」と釈
明するが、野田佳彦首相は「きわめて困難なチャレンジだ」と腰が引けている。
(中略)政府の判断も、ゼロ方針と逆行。電源開発大間原発(青森県大間町)
と中国電力島根原発3号機(松江市)の工事再開も認めた。

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