「#募ってはいるが募集はしてない」「答弁してはいるが答えていない」を「さくら論法」と呼ぼう。

史上、首相として敬愛される人物はまことに稀少である。多くは、警戒され、嫌われ、恐れられる人物だった。安倍晋三という現首相。これまでの歴代首相とはひと味違う。長期政権を維持しているが、こんなにも国民からバカにされている首相も珍しかろう。官僚の作文を朗読することはできるが、ルビがふられたいないと「云々」も「已まず」も読めない。圧倒的な国語の基礎能力不足をさらけ出してきた。

それに今般の、桜を見る会についての「募集ではなく募ったという認識だった」「募ってはいるが募集はしていない」という答弁である。一国の首相のこの国語能力不足の顕在化は,対内的にも対外的にも,国家機密暴露というべき大問題である。

実は、不誠実な答弁姿勢こそが真の問題点なのだが、これは一見して直ちに誰にも分かるということではない。それにくらべて、昨日(1月28日)の衆院予算委員会における,宮本徹議員質問に対する、首相答弁の国語力レベルは誰の目にも分かり易い。

首相 「私はですね、幅広く募っているという認識でございました。募集してるという認識ではなかったのであります」

宮本 「私も日本語を今まで48年間使ってまいりましたけども、募るというのは募集するのと同じですよ。募集の『募』は募るっていう字なんですよ。総理はその認識なく、募っているという言葉を使っていたんですか?」

首相 「あの、それはですね、つまり事務所、がですね、いわば今までの、ですね、今までの経緯の中において、ふさわしい方々に声をかけていると」「いわば、それにふさわしい方ということでですね、いわば募っているという認識があったわけでございまして、例えばですね、新聞等にですね、広告を出して、どうぞということではないんだろうと、こう思うわけでございます」

 ルビがふってあれば「募る」を読めても、意味までは理解できていない。官僚が書いた原稿を棒読みしているだけだから、当然、反省の気持ちもない。たまに自分の言葉で話せばこのザマだ。(日刊ゲンダイ)

この発言が報じられると、Twitterでは「#募ってはいるが募集はしてない」というハッシュタグが生まれ、大喜利が始まった。「答弁してはいるが答えていない」「太っているが肥えてはいない」といった投稿が集まり、一時トレンド入りしたという。このフレーズを「さくら論法」と呼ぶこととしたい。

思い出すのは、一昨年の流行語大賞の受賞作の一つともなった、上西充子教授の「ご飯論法」である。

Q「朝ごはんは食べなかったんですか?」
A「ご飯は食べませんでした(パンは食べましたが、それは黙っておきます)」
Q「何も食べなかったんですね?」
A「何も、と聞かれましても、どこまでを食事の範囲に入れるかは、必ずしも明確ではありませんので・・」

これを「さくら論法」流に言い換えれば、
「朝ごはん食べないとは言ったが、朝食をとらないとは言ってない」
というわけだ。

早くも、「#募ってはいるが募集はしてない」は、「今年の流行語大賞候補第一号ですな」という呼び声が高い。

安倍流「さくら論法」の大喜利フレーズがネットに並んだ。「答弁してはいるが答えていない」「太っているが肥えてはいない」を筆頭に、なんとも出来がよい。しかも、面白いだけでなく、含蓄に富むものが多い。

投票しているが支持しているわけではない。

書き換えてはいるが改竄はしていない

毎日新聞を読んでいるが 毎日新聞は読んでいない

自由民主党であるが、自由でなく民主的でもない

危ないとは認識してはいるが、危険という認識はない。

愚かだという認識はあるが、愚鈍という認識もある?

「妻は公人じゃないんです。国からボディーガードとお付きの人が付く私人なんです」

労働をしたが 働いていない

訪問をしたが 訪れてはいない

後援会の会員を、幅広く募集して、桜を見る会に招待し、税金で飲み食いさせて接待したが、背任したという自覚はない。

答弁に立つが答えない

責任は痛感するが責任取らない

隠蔽ではないと言うが黒塗り資料しか出してこない

言わばと言うが後に例えが出てこない

まさにと言うが後に確かな事柄が出てこない

圧力はかけていない。テレビが勝手に忖度するだけ。

「募る」と「募集」は違うと安倍首相。
いよいよ危険が危ない。
というか、こんな答弁をされては頭痛で頭が痛い。(山添拓)

読んでいるが 読書はしていない

強烈な眠気はあるが 睡魔は襲ってきてきない

成蹊大学法学部政治学科卒業ではあるが 勉強はしてない

っているが虚偽ではない

招待したけど、招いたわけではない、みたいな

マズい部分隠したが改竄では無い。

総理だが総裁ではない(ときもある)
総裁だが総理ではない(ときもある)

炉心溶融してるが、メルトダウンじゃない

桜を見る会の名簿、破棄はしたが棄ててはいない

殴ってはいるが殴打してはいない

「それでは、それではですね、宮本さんは、み宮本さんは、まさに、思いが募る、ではなく、思いが募集する、とか、言うんですか?言う、言うんですか?」

コピーして何人でも募れます!(募集ではない)

大喜利見てきたけど、やはり元祖に勝てる人はいまだかつて居ない。
#安倍さんしかいない

これは、他の件にも応用が利く。

逃げてはいるが逃亡ではない (ゴーン)

政府チャーターだが無料ではない (利用者に8万円請求)

安倍晋三のことだから、「募ると募集するは意味が違う」なんてアホな閣議決定をやりかねない。

(2020年1月29日・連続更新2494日)

http://article9.jp/wordpress/?p=14205

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座https://chikyuza.net/
〔opinion9404:200130〕