4つの情報をお知らせします(10月10日)
★1. 院内交渉速報 10月7日 原発の運転再開を止めよう!政府交渉
★2.原発に大甘―教科書検定の真相
文科省が安全神話を”強要”したので
原子力ムラも監視の目―出版社委縮して批判書けず
★3.メルマガ読者からの学習会・講演会のお知らせ
イ.なかはら平和セミナー「とことん原発を考えよう」 公開講座
「福島原発で何が起こったか~私たちの未来はどうなる~」
ロ.『今だからみえる、原発と日米の関係』
★4.放射能から子孫を守りたい
食品と暮らしの安全基金 小若順一氏の新刊小冊子の紹介
★1. 院内交渉速報 10月7日 原発の運転再開を止めよう!政府交渉
木村 雅夫
昨日(10月7日)の標記政府交渉に参加しました。
13時から18時過ぎまでの長丁場でしたが、一定の成果が得られた良い交渉
だったと思います。今朝(8日)の東京新聞の報告を添付しながら、得られた
(有益)回答を簡単に報告しておきます。
なお、いくつか追加の宿題を出し文書で回答をもらうことになっています。
まとめの詳細は美浜の会の方がされます。
◎政府交渉
保安院3名、経産省大臣官房1名、原子力安全委員会2名、原子力安全対策検証
委員会(?)1名を迎えての交渉で次のことが明確になった。
1 地震による配管破損の可能性について(保安院)
・1号機の地震の影響について
逃し安全弁を開いた(東電説明)証拠は無い。
地震応答解析では配管は壊れないはず(但し、老朽化を配慮していない)だ
が、津波到達前に配管破損(こちらの推測)が無かったとは断言できない。
詳細は今後調査する。事故調査委が12月26日に中間報告を出す。
・3号機について IAEAへの報告で「HPCI系統からの蒸気流出の可能性がある」
と記述したことは撤回していない。
2 耐震安全性の評価について(保安院)
・東電報告では配管等の老朽化を考慮していなかった(あとでこの言葉を撤
回)。
3 ストレステストの判断基準について(保安院)
・ストレステストはシミュレーション。種々計算して尤度(ゆうど)を求めて評
価するが、評価基準は決まっていない。
・田口談:ストレステストについては、立地現地で求められる説明はすべて行
う。
4 原子力安全委員会の権限について(安全委)
・(最初の答弁)委員会は運転再開について判断することになっていない。
・ストレステストについては、保安院の評価の妥当性を判断する。
・(泊営業再開と同じことをやるのかなどの抗議を受けて、首相の答弁どおり)
原子力安全委員会は保安院の報告を確認する。
・但し良否の判断基準は今は無い。
5 やらせ問題について(経産省大臣官房)
・浜岡、玄海、伊方、新潟などの現地の方がやらせシンポジウムの実態を訴え
た。
・(回答)第3者委員会により、8月末に中間報告、9月末に最終報告、10月
4日に再発防止に向けた取り組み方針を発表した。調査の詳細資料は公表でき
ない。
・(追加要請)報告は、シンポジウムの目的として原発安全性を理解させること
であることが問題、報告書を撤回し調査をやり直せ。経産省は信用できない、
資料を全て公表せよ。やらせの誤った評価で稼働開始した原発をすべて止める
ことを保安院も安全委員会も検討せよ。
6 その他
福島原発事故が収束せず原因究明もできていない中で、運転再開は許されない、
ということを強く訴えた。
(福島原発事故緊急会議MLより)
[参考]
国あいまい回答 市民「ストレス」
原発耐性評価「基準なし」 内容みてから検討」に怒号
原発に反対する全国各地の市民団体が連携し、ストレステスト(耐性評価)な
どに対する疑問点を原子力安全・保安院など国側にただす“政府交渉”が、七
日、参議院議員会館で催された。だが国側の説明は煮え切らず、あいまいな説明
に始終。市民団体側には“ストレス”がたまる形となった。 (鈴木秦彦)
(略)
○とりわけ、質疑が集中したのは福島原発事故の原因だ。市民団体側は福島原発
の事故では、津波の前に地震によって1号機の非常用復水器系の配管が破損して
いた疑いが濃いとみており、この点についてただした。
地震を事故原因とみる見方は、地震発生から約三時間後の午後五時五十分に原
子炉建屋内で高い放射線量が測定されており、この現象は午後六時二十分ごろに
「逃がし安全弁」から蒸気が流失し、格納容器内の圧力が高まったとする保安院
のシナリオでは説明がつかないという疑問が根拠になっている。
これに対する保安院などの回答は「主要な配管などについては地震動によって
加わった力は許容範囲内だったと確認されており、安全機能に問題は発生してい
なかったと考えている」だった。
しかし、市民団体側が「逃がし安全弁が開いていたという証拠はあるのか」と
追及すると、政府側は「…」。(略)
○この後、各地の原発で実施中のストレステストをめぐって、市民団体側の怒り
が爆発した。
政府は設計段階の想定を超える地震や津波にどこまで耐えられるかを電力会社
に調べさせ、その結果を保安院が評価。原子力安全委員会が確認するという手順
で再稼働を探っている。
しかし、テスト結果を判断する基準について尋ねられた保安院の担当者は「明
確な基準があるわけではない」と回答。
「基準がないのにどう判断するのか」と突っ込まれても「テストはあくまでシ
ミュレーション」「事故が収束して、すべてのデータが出るまでは評価しないと
いうことではない」とあいまいな答えに始終した。
さらに原子力安全委員会の担当者も「基準はない。内容を見てからの検討にな
る」と答えたため、「えーっ」「逆だろう」「経済界の論理じゃないか」などと
会場は怒号に包まれた。
○同席した社民党の福島瑞穂党首が「問題を出した先生が答えがわからないま
ま、答案が出てきてから考えるというのと同じだ」と例えると拍手が湧き起っ
た。(略)
(東京新聞10月8日『こちら特報部』より抜粋)
★2.原発に大甘―教科書検定の真相
文科省が安全神話を”強要”したので
原子力ムラも監視の目―出版社委縮して批判書けず
○小学生になれば、あらゆる子どもが手にする教科書。そこでの記述で原子力発
電の安全性を強調し、危険性をそぎ落としていたらどうだろう。ただ、それが現
実だ。教科書執筆者の証言などから、原発を推進する政府や原子力ムラが教科書
に神経をとがらせ、”安全神話”を守ろうとしてきた実態が浮かび上がった。や
らせなど原発の「世論偽装」が焦点になる中、これも同類の問題ではないのか。
○一九八〇年九月、中学校「地理」の教科書を出していた出版社「日本書籍(す
でに倒産)」に文部省(当時)の担当者から電話が入った。「科学技術庁(同)
から原発に関する記述にクレームがついた。自主訂正してもらえないか」この教
科書は前年度に検定が終わり、各教育委員会の採択も済んでいた。修正を求める
のは検定段階が通常で、それ以降に連絡が来るのは異例中の異例だった。この部
分を執筆した東京都の元足立区立東島根中学校教諭の大谷猛夫さん(64)は「何で
こんな遅い時期に言ってくるのか、と不思議で仕方がなかった」と振り返る。結
局、「細かい部分でもめてしょうがない」(大谷さん)と考え、「放射線もれの
危険という問題があり」という記述を「放射能に対する不安があり」に直した。
「発電所建設予定地では、どこでも住民の強い反対運動がおきている」という部
分も、「住民の反対運動がおきている」という平板な表現に変えた。大谷さんは
「なぜ指摘を受けたか分からない」と話すが、この年は米スリーマイル島原発事
故が起きた翌年。検定後に記述に気付いた何者かが、無理にでも直させようとし
たと推測される。(略)大谷さんが体験した”圧力”はこの時だけではない。八
二年度検定の教科書でも」「危険」や「反対運動が」という文言が問題視され、
「不安」と「反対運動も」に書き換えざるを得なかった。(略)「原発が少ない
燃料で多くのエネルギーを生むとか、二酸化炭素(CO2)を出さないとか、そ
れはそれで事実でしょう。でも被ばく労働者が存在したり、放射性廃棄物の処理
が簡単にいかないといったことも事実。これからは、マイナス面も含めて原発の
実態がきちんと書かれた教科書が出ることを望みます」
○例えば、九三年度検定の高校「政治経済」の教科書。「チェルノブイリ原子力
発電所の事故は、放射能汚染の恐ろしさを人々にあらためて認識させた」という
部分について、「原子力発電の長所と短所の両面に配慮して記述すべきだ」とい
う検定意見が付き、「さまざまな問題を持つことも否定できない」とトーンダウ
ンさせられた。「原子炉の解体、放射性廃棄物の管理費用は膨大なもので、発電
コストはかなり高いものになる」と記述された二00五年度検定の高校「現代社
会」の教科書では、「コストについての記述が断定的に過ぎる」という検定意見
が付いた。原子力ムラも教科書に目を光らせてきた。中核の社団法人・日本原子
力学会の原子力教育・研究特別専門委員会」(二十二人)は九六年以降、小・中
学校、高校の教科書などを検討し、文科省や出版社などに提言している。(略)
○立正大の浪本勝年教授(教育政策)は「国の政策を是認し、批判的なことを書
かないようにしないと合格しないのが、検定制度の現実だ。現場の教師らも加え
た第三者委員会で検定をやるなど、開かれた教科書づくりを進める必要がある」
と制度の見直しを求める。(略)
○【デスクメモ】公教育は国民国家と不可分だ。だから、時の権力の意思と離れ
られない。その分、根は「やらせ」より深い。そうした国家の思惑から自由にな
るのに近道はない。ネット世論なるものも、操作される危うさでは同じだ。少数
意見に耳をそばだたせ、自ら考えること。それも福島原発事故の教訓としたい。
(東京新聞10月7日『こちら特報部』より抜粋)
☆東京新聞『こちら特報部』田原 牧記者 スペース たんぽぽ講演
10月14日(金) 18:30~21:00 資料代1000円
ご来場お待ちしています。
★3.メルマガ読者からの学習会・講演会のお知らせ
イ.なかはら平和セミナー「とことん原発を考えよう」 公開講座
「福島原発で何が起こったか~私たちの未来はどうなる~」
講演会 なかはら平和セミナー「とことん原発を考えよう」 公開講座
「福島原発で何が起こったか~私たちの未来はどうなる~」
講 師: 原子力資料情報室・共同代表 伴 英幸氏
日 時: 10月12日(水) 18時半~20時(開場:18時)
会 場: 中原市民館 多目的ホール(2階)
(JR南武線・横須賀線、東急東横線 武蔵小杉駅より徒歩3分)
参加費: 無料
申込み: 不要、当日先着 (定員150人)
主 催: 川崎市教育委員会(実施機関:中原市民館)
中原市民館 平和・人権学習 公開講座
問い合わせ: 電話 044-433-7773
http://www.city.kawasaki.jp/88/88nakasi/home/index.htm
ロ.『今だからみえる、原発と日米の関係』
孫崎享さんの講演会をご案内します。皆さまのご来場をお待ちいたします。
【転送・転載をよろしくお願い致します】
タイトル:『今だからみえる、原発と日米の関係』
講 師:孫崎 享(まごさき うける)
/元外務省・国際情報局長、防衛大学教授など歴任
日 時:2011年10月15日(土)18時~21時
場 所:かながわ県民センター402
参加費用:500円
主 催:時をみつめる会
facebook:http://on.fb.me/qxJMZy
申し込み:tokimitukai@gmail.com
マスメディアがどうも変だ!と私たち「時を見つめる会」は過去に金平茂紀さ
ん(TBS『報道特集』キャスター)他のジャーナリストの方々をお呼びして講
演会を行って来ました。
今回10月15日の講演会では『日米同盟の正体』等の著書のある元外交官・
孫崎享さんをお呼びし、福島第一原発事故における報道の在り方や、日本の原発
政策とアメリカとの関係について、お話しして頂きます。
孫崎さんはこの間、ご自身のtwitter
( http://twitter.com/magosaki_ukeru ) 等を通じて日本の原発政策の欺瞞
と、マスメディアの報道姿勢を強く批判されて来られました。
外交官という特殊な仕事をしてきたからこそ見える、原発政策とアメリカとの
関係について多いに語って頂きます。
さらにより踏み込んで、日米の安全保障について、TPP問題についてもお話
しして頂きます。
お仲間やご友人をお誘い合わせの上、ぜひ参加ください。
皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。
★4.放射能から子孫を守りたい
食品と暮らしの安全基金 小若順一氏の新刊小冊子の紹介
食品と暮らしの安全基金(旧日本子孫基金)の小若順一代表が、福島原発事故
の放射能を心配して、『放射能から子孫を守りたい』という小冊子(本文13
頁)を出された。旧日本子孫基金の昔からずっと、遺伝とDNAを考えてみえた
団体だけに深い洞察によるやさしい文章です。主な内容は―
第一章 耳なしウサギの警告
第二章 重要な遺伝毒性
第三章 チエルノブイリ原発事故の被害
第四章 放射能を避ける
第五章 放射能を防ぐトッピングメニュー
定価200円(送料80円) たんぽぽ舎でも扱います。
NPO法人「食品と暮らしの安全基金」
TEL.048-851-1212
FAX.048ー851-1214
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[たんぽぽ舎 編集部より]
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