J-CASTニュース 2013/11/28 15:26から
現役キャリア官僚が原発の裏側を告発したという小説『原発ホワイトアウト』
(講談社)は発売2か月で13万部を超えるベストセラーになっているが、
「そもそも総研 たまぺディア」コーナーで、著者の若杉冽氏にテレビ朝日
ディレクターの玉川徹がインタビューした。
(全文はこちらから
http://www.j-cast.com/tv/2013/11/28190239.html?p=all)
「原発ホワイトアウト」現役キャリアが書いた再稼働告発小説!
覆面著者インタビュー
◆福島事故の原因もわかっていないのに…原子力ムラの謀略知らせたい
小説は政・官・財が三位一体となって原発再稼働を強行し、やがて再び原発事故が起きてしまうという内容だが、内容もさることながら、注目されたのは著者だ。肩書は東大法学部卒、国家公務員Ⅰ種試験合格で、現在は霞が関の省庁に勤務している。若杉冽はもちろんペンネームで、本名は明かしていない。
犯人探し始まってる
インタビューを申し込んだところ、顔、声を隠すということでOKとなった。(中略)
玉川「一番伝えたかったのは何ですか」
若杉「電力のモンスターシステムですね。われわれが払っている電気料金のなかに非常に大きな無駄があって、本来、競争的にやれば払う必要のないものが含まれています」
小説によれば、電力会社が取引先業者に相場より高めに工事や備品などを発注し、その一部をたまり金のように集めて、政治献金やパーティー券を購入したり、マスメディア対策に使ったりするシステムのことで、前提となっているのが電気料金の総括原価方式だという。
玉川「普通の民間企業はコストがかかることをいやがりますよね」
若杉「電気料金では、お金がかかればかかるほど消費者に転嫁できる仕組みが総括原価方式なわけですから、お金がかかればかかるだけ、たまり金は増えるってことですよね」
玉川「このまま再稼働に向かっていったら、どうなると思いますか」
若杉「やはり安全性の検証とか、そういうものが不徹底ですよね。日本の原発の安全性は世界最高水準ではありません」
◆政権の中枢にいつづけて、第2弾、第3弾を準備
玉川「なぜ小説というスタイルをとったのですか」
若杉「私自身が直接間接に見聞きしたことを事実として出すと、国家公務員法との関係で問題が出てくるかもしれませんし、外に流れることを前提にしないで話してくれた人もいるわけで、ノンフィクションや報道という形だと非常に限度があります」
自身の今後についは「できるだけ政権の中枢に居続けて、いろいろなことを見聞きして、許せないようなことがあったら、みなさんに伝えていくということをできるだけ長くやりたいと思っています」と語り、第2弾、3弾の可能性をうかがわせた。
(中略)(インタビュー後)
玉川「きょうのむすびとしては、心ある官僚たちよ、どんな国になっても、真実を国民のために伝えてほしい、どんな手法であってもいいいと、そう思いました」
***** 本紹介 *****
「原発ホワイトアウト」講談社 2013/09/11発売 ISBN:978-4-06-218617-9
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2186179
【内容紹介】
キャリア官僚による、リアル告発ノベル!
『三本の矢』を超える問題作、現る!!
再稼働が着々と進む原発……しかし日本の原発には、国民が知らされて
いない致命的な欠陥があった!
この事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、
脅迫……包囲網をかいくぐって国民に原発の危険性を知らせるには、
ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!
【目次】
第1章 選挙の深奥部
第2章 幹事長の予行演習
第3章 フクシマの死
第4章 落選議員回り
第5章 官僚と大衆
第6章 ハニー・トラップ
第7章 嵌められた知事
第8章 商工族のドン
第9章 盗聴
第10章 謎の新聞記事
第11章 総理と検事総長
第12章 スクープの裏側
第13章 日本電力連盟広報部
第14章 エネルギー基本計画の罠
第15章 デモ崩し
第16章 知事逮捕
第17章 再稼働
第18章 国家公務員法違反
終章 爆弾低気圧