たんぽぽ舎です。【TMM:No1768】
2013年3月8日(金) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.地震で壊れた1号機の「証拠」
ベント前に拡散した放射性物質は何キロも先に(その2)
(山崎久隆 たんぽぽ舎)(2/26配信[TMM:No1758]の続編)
★2.反原発の風化を防ぐ「原発カルタ」(木佐敬久)
★3.3/23(土)福島県民大集会バスツアー参加のお願い
船橋<->福島 (原発さよなら千葉 永野勇)
★4.新聞・雑誌から
◇ブレーキ修理前に車を買う人いない 福島の教訓生かせ
原発安全の番人 グレゴリー・ヤツコ前NRC委員長(米国)に聞く
(朝日新聞 3月6日「東日本大震災 2年 オピニオン」より)
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3/9(土) さようなら原発大集会 明治公園
3/10(日)原発ゼロ☆大行動 日比谷公園、永田町霞が関一帯
3/11(月)東電に賠償要求を突き付けよう! 東電本店まえ
3/12(火)国会前アクション 原発事故から2年・被害者への補償/支援政策を!
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┗■1.地震で壊れた1号機の「証拠」
│ ベント前に拡散した放射性物質は何キロも先に(その2)
└────(山崎久隆 たんぽぽ舎)
(2/26配信[TMM:No1758]の続編)
◆福島第一1号機の事故はLOCAである
福島第一原発事故の本質は二つ、一つは複数号機の連鎖事故であり、もう一
つ、きっかけはLOCA・冷却材喪失事故だった。
TMI型とチェルノブイリ型のどちらかと問われればTMIである。
もちろん地震と津波はファクターとしては非常に大きいが、それは福島第二
も女川も同様で、地震と津波に遭遇し、いずれも一部の電源が失われて津波に
も被水している。しかし、これらはいずれも目に付くLOCAは起きていない
し、まして炉心損傷による連鎖事故でもなかった。福島第一も、1号機の炉心
損傷・メルトダウンが起きないか、あるいは起きていても、もっと遅い時間で
あれば何らかの回避策により3号機、そして2号機の炉心損傷を防げた可能性
は高い。これが「複数号機連鎖事故」の本質であり、17箇所の日本の原子力
発電所は東海第二(*)と東通を除けば全て、この複数号機連鎖事故の危機に
現在も直面しているのである。
◆敢えて無視されるLOCA
LOCAについてはほとんど議論がされていない。どういうわけか、1号機
の事故解析は他号機以上に迷走している。3日もたって炉心崩壊した2号機に
比べ、地震遭遇後3時間程度で燃料が露出し炉心燃料がメルトダウンを起こし
た1号機は、時間帯が11日の深夜から12日未明と、混乱のさなかに事故が
進展したことや、情報が錯綜する中で「炉に水はまだある」との誤情報が東電
や官邸にも流れ、実に2ヶ月間もメルトダウンを全否定していたことでも分か
るとおり、放出放射能の出所さえ定められない事態が続いた。これが50年以
上も原子力開発をしていた国とは到底思えないほどのレベルの低さだった。
3月11日中に、既に1号機建屋内部では放射線量が高くなっていたことか
らも、系統内のどこかで冷却材喪失事故が起きており、その場所はIC周りで
ある可能性が指摘されている。ならば真っ先にICを中心とした場所の調査が
行われてしかるべきだが、東電による調査すら行われていない。なお、ICの
タンクの映像は公表されており、それを見る限りタンク内部がかなりの高温に
なったと考ええられる。表面に貼り付けられていた耐熱パネルが禿げていると
ころがある。内部は常圧なのでカラッポにならない限り100度を超えないは
ずであるが、特にA系のタンク上部はかなりの熱を受けているようだ。その原
因は、タンク内部で配管に損傷が発生していて400度を超える高温のガス
(希ガスや水素)がタンク内部に噴出し、タンクの温度を上げたのではないだ
ろうか。
11日17時19分には、既に原子炉建屋入り口で線量不明ながら放射線量
が高いため立ち入り出来ない事態になっている。事故報告書には建屋内部がも
やがかかったようになっていたとの既述もある。蒸気の流出があったと見るの
が自然だろう。
◆原子炉からの冷却材喪失
LOCAならば基本的な対処方法がある。それはECCS・緊急炉心冷却装
置を使用して原子炉圧力容器内に注水することだ。冷却材を補充して燃料の露
出を防ぐためのものである。実際に3号機では高圧炉心注水系統(HPCI)
が起動している。ところが1号機ではこのECCSが作動した形跡がない。水
位が急激に低下をしている最中でも起動していないのは、駆動用のシステムが
電源喪失をしているからであると認識されているようだが、地震の直後から少
なくても15時37分頃までは電源はあったのだから、起動は可能だったはず
である。問題はICを起動した(これは自動起動)際に、原子炉圧力と温度と
水位が急速に下がりだしたことだ。これをどのように認識したのは定かではな
いが、運転員はICを手動で止めている。東電の説明では、基準を超えて温度
が急激に下がったために停止したとするが、運転員が国会事故調査で語ったと
ころでは、圧力の降下が早すぎるため、LOCAを疑って一端止めたとしてい
る。メルトダウンへの道は、事実上ここから始まっている。
燃料頂部が炉水から出る前に、冷却材を補充する必要があることは、原発職
員ならば常識である。1号機には他号機のようなRCIC・原子炉隔離時冷却
系統はない。ICは原子炉の圧力と温度を下げることが出来るが、冷却材を補
充することは出来ない。従って必ず冷却材を補給する系統を起動しなければな
らない。ICが有効に働いたとしても、逃がし安全弁が開けば急激に冷却材を
失い、水位が低下することは避けようのないことだ。
◆矛盾する説明
東電は「逃がし安全弁が開いたために冷却材が減った」としている。しかし
現場の運転員は逃がし安全弁が開いた音を聞いていない(国会事故調報告書)。
弁が開いていないのならば冷却材喪失にはならないはずだが、水位は確実に低
下をし、燃料損傷に至っている。冷却材が減らなければ炉心損傷は起こるはず
がないはずだ。
運転員はHPCIを起動していない。水位が下がれば自動起動するように設
計されているが、実際にその水位まで下がったときには制御用のバッテリーを
含む全電源が失われていたため、HPCIの駆動用タービンにつながる蒸気管
の弁が開かなかった。HPCIは電源がなくても一定時間は冷却材を送る能力
があったにもかかわらず、機能しなかった原因は「停電」とされている。では、
運転員はどうしてこの系統を何とか起動しようとしなかったのだろうか。これ
もまた地震で損傷していたのではないのだろうか。
運転員には「ICが動いていないのに圧力が上がらない」「隔離されている
はずの原子炉の水位が低下している」理由を何と思ったのだろう。いずれも
LOCAを疑うに十分な現象だ。<その3に続く>
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┗■2.反原発の風化を防ぐ「原発カルタ」
│ 遊びながら、会話しながら、「原発の記憶」を次世代へ
└────(東京都 木佐敬久(カシオペアの即興詩人))
原発問題はますます深刻になっているにもかかわらず、世間的には風化が進
んでいるように見えるのは残念です。そこで、原発の風化を少しでも食い止め
られるように、自作の川柳で百人一首式の「原発かるた」を編みました。
あいうえお順ですが、濁音を含め全部で66枚のA組と、濁音を省いた44枚
のB組の二組あります。A組の中から「あ行」と「ざ行」をご紹介します。
読み札には全部が書いてありますが、取り札には*以下が書かれています。
百人一首の川柳版です。
あ 原発神話 *悪魔、紳士の顔で来る
い 原発が *いつか神話に なるだろう
う 原発を *売りつけられた 被爆国
え 「地獄さ *行(え)ぐんだで!」と 廃墟の建屋へ
お アメリカの *お役に立てたSPEEDI(スピーディ)
ざ 権力の *座へ原発の 旗を振り
じ 原発は *地獄へ向かう 一里塚
ず 東電は *図々しくも 生き残り
ぜ 事故原因を *ぜんぶ津波の せいにする
ぞ 原発談義 *ゾウのしっぽを なでている
月日がたてばたつほど、これはどういう意味だろうと思う札が増えてくると
思いますが、みんなで遊びながら会話を交わすうちに、自然に原発のことが世
代を越えて伝わっていくと思います。
知り合いの方に見てもらったところ、「かるたの『え』のなまりには、心を
揺さぶられました。その他にも沢山の感動を受けました。」「どれもこれも、
うなづくような1行詩で感心しました。」「一句ごとに味わいますと、言葉に
込められたドラマが浮かんできます。」「何とも的確で素晴らしい!と思うと
ともに悲しくなります。」といった感想を頂き、中には市販化を望まれる方も
います。(市販化される場合は、それぞれに短い解説を付けるつもりです。)
市販化はすぐには間に合いませんが、お子さんに手伝ってもらって、厚紙を
切りぬいてカルタにすることも、むずかしくないと思います。
※全体をごらんになりたい方は下記へメールをください。添付でお送りします。
引用や転送は自由です。「原発カルタ」希望 kisa01@nifty.com
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┗■3.メルマガ読者からのイベント案内(お問い合わせは主催者へ)
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◆3・23福島県民大集会バスツアー参加のお願い(3/5現在のこり22席)
「原発さよなら千葉」は、福島県民と連帯し共に手を携えていくため昨年に
引続き3・23福島県民大集会へのバスツアーを企画しました。
大変お忙しい時期とは思いますが多くの方がご参加下さい。
※なお、福島は放射線量が高いため子どもや若い女性の方の参加は
ご遠慮下さい。
3月23日(土)
JR船橋駅改札出口 あさ7:15集合 7:30出発
帰りは船橋着20:30頃
内容 福島市のあずま総合体育館で開催される「原発のない福島を!
県民大集会」に参加
料金3,000円/1人(当日集金します)
(食事は各自ご用意のうえ車中での召し上がりとなります)
◎申込は、氏名(読みがな必要)、電話番号、FAX番号を明記のうえ、
FAXかメールでお願い致します。
あて先:永野 勇(原発さよなら千葉) 宛あて
FAX 0436-98-5858 メール:i_nagano@dreamcar.co.jp
携帯 090-2553-2587
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┗■4.新聞・雑誌から
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◆ブレーキ修理前に車を買う人いない 福島の教訓生かせ
原発安全の番人 グレゴリー・ヤツコ前NRC委員長(米国)に聞く
(朝日新聞 3月6日「東日本大震災 2年 オピニオン」より)
厳しい規制方針を打ち出す日本の原子力規制委員会に対し、原発再稼働が難
しくなるという声が出始めている。米原子力規制委員会(NRC)のグレゴ
リー・ヤツコ前委員長は昨年、米国で1979年のスリーマイル島原発事故以
来初めての原発建設が認められた際、5人いる委員のうち唯一反対した。判断
理由や規制当局のあり方を聞いた。
――日本の原子力規制委員会は、NRCをモデルにして原発を推進する省庁と
切り離しましたが、電力業界から不満や批判もあるようです。
「業界の人たちが不満を持っているのなら、たぶんいいことです。規制当局に
とって最も大切なのは、許認可の意思決定の際、独立して判断が下せる能力で
す。日本には今、それがあると信じます」(中略)
――米国での原発認可で、委員長1人が反対するのは異例では?
「簡単なことです。福島原発事故の教訓としてどんな対策をとるべきかをまだ
検討している最中でしたから。車を買うとき『いまブレーキを修理しようとし
ている』と言われて買う人がいるでしょうか」
「でも不幸なことに、NRCに対して認可を早く出すよう圧力がありました。
私は運転開始までに、事故の教訓を反映させることを条件にして認可を出すこ
とを他の委員に提案しましたが、拒否されました。結果として反対票を投じる
以外、手段はなかったのです」
――米国では2001年の同時多発テロの後、原発の安全対策が強化されてい
ますが。
「テロでも自然災害でも、原子炉の冷却を維持し続ける点では同じです。福島
の事故が起こった当時、私を含め多くの人が米国のようなテロ対策をとってい
れば防げたはずだと言いました」
「でも今は米国の原発について、そこまでの自信はありません。事故後の米国
内の視察では、対策が十分にとられていない原発がたくさん見つかりました。
テロ対策では非常用発電機などの機器を被害の想定場所から離れたところに設
置することを求めています。でもテロリストからは守れても台風や地震ではど
うか。その意味で改善の余地はあります」
――その後、NRCは自然災害への備えの強化など安全対策の第1弾を打ち出
しました。仮にいま投票があるとしても新設に反対ですか。
「同じです。大事なことは対策がすべて実行されることです。私は福島の事故
後、浪江町に入って、避難を強いられている人にも話を聞きました。生まれ育
った家や故郷だけでなく、家族や友人とも離ればなれになる。二度と起こして
はならないとの思いを強く持ちました。すべての対策が実行されていない以上、
もう事故が起きないとは、まだ誰も断言できないはずです」
――委員長になる前からNRCに対してはいくぶん批判的だったと聞いていま
す。何が問題ですか?
「最大の問題は委員の人選における原子力業界の影響力です。業界のお墨付き
なしで委員になった人はほとんどいません。私は数少ない1人で、いまの委員
長もそうです」
「技術的にも人格的にも優れた委員はいますが、規制当局で最も大切なのは、
業界の影響力に左右されない独立した気風です。今は多少なりとも原発に懐疑
的な人は委員にはなれません。根本的におかしいです」
「米国にはトラブルを抱えた原発がいくつかあり、いい状況とは言えません。
ところが近年、規制に関してNRCの関与を弱め、より事業者の裁量に任せる
やり方が強まっています。私は委員長として流れを変えようとしましたが、他
の委員の賛同は得られませんでした」(後略)
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【編集部より】
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