「大間原発を止める道」など-地震と原発事故情報

たんぽぽ舎です。【TMM:No1632】
2012年10月30日(火) 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                               転送歓迎
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★1.大間原発を止める道
  一人ひとりが、原発が自分の問題になった時原発は止まる。(野村保子)
★2.リトアニア、ヴィサギナス原発計画が住民投票で反対多数(山崎久隆)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
 ◇11月10日13時から、原発イヤだ!秋のもみじデモ in 府中
★4.新聞・雑誌から
 ◇福島の子の人権守れ 「集団疎開」訴訟弁護団、きょうジュネーブで講演
  (10月30日 東京新聞「こちら特報部」より)
 ◇拡散予測、6原発で誤り 北陸電から指摘
  気象データ処理ミス 規制委が謝罪  (10月30日 東京新聞より)
 ◇次世代エネ メタンハイドレート 日本近海で広範囲発見
                    (10月30日 東京新聞より)
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┗■1.大間原発を止める道
 │ 一人ひとりが、原発が自分の問題になったとき、原発は止まる。
 └────(大間原発訴訟の会 野村保子)

 1976年、大間町商工会が町議会に原発建設要請して始まった大間原発。
日本の50数基の原発のうち地元が要請した初めての原発である。下北半島を
下に進むと、むつ市に使用済み燃料中間貯蔵施設、東北電力東通原発、六ヶ所
再処理工場、そのすぐ下には米軍三沢基地がある。地図で見る下北半島は核処
理施設の吹きだまりである。
 六ヶ所再処理工場は日本各地の原発から出てくる使用済み燃料を剪断し、プ
ルトニウムを取り出す工場である。プルトニウムを燃やしてエネルギーとプル
トニウムを取り出し、それをまた燃やす夢の核燃料サイクルは、高速増殖炉も
んじゅの事故で頓挫したままである。すでに40トン以上溜め込んだプルトニ
ウムの存在が世界から注視され、その核疑惑を消すために大間原発は作られる。
青森県の電気は東通原発1基あれば足りる。毎年6、5トンのプルトニウムを燃
やす大間原発はプルトニウム処理に不可欠なのである。
 大間原発はプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を100%装荷する。ウ
ランと比べてプルトニウムは燃焼温度が高く、使用済み燃料もまた発熱量が高
い。MOX燃料とウラン燃料の使用済み核燃料の発熱量を比較すると、ウラン燃
料の10年後よりもMOX燃料の100年後の方がまだ高い。100年経っても
減らない崩壊熱を冷やし続けなければならないのである。電気を作らない原発
の崩壊熱を冷やし続け、13ヶ月ごとの定期点検を受けるその費用は誰が負担
するのか。今生きている私たちでないことは確かである。次の世代、そのまた
次の世代に理不尽な負の遺産を押し付けてはならない。原発を作り出した私た
ちが、このつけの始末をつけなければ世界は終わる。
 原発は冷却のために必要な水(海水)を毎秒91トン取り込み、7度高くし
て海に戻す。毎秒91トンの温かい川を津軽海峡に吐き出す大間原発。7度高
くした海水は海の生態系を狂わせる。また、海水を取り込む時、海の生物、稚
貝やプランクトンを殺すために大量の化学薬品を投入するがその薬品とともに
7度高い海水を海に戻すのである。温度と薬品のダブルで海を壊すのが原発な
のである。
 大間原発の建設主体電源開発(株)は、原発は建てたことも運転したことも
ない、MOX燃料を100%装荷する、敷地内に未買収地がある、火山に近い初
めての原発、函館・道南には37万人が住む、などこれまで例のない原発であ
る。
 10月1日工事再開した大間原発は、福島原発事故以降初めて新設される原
発になる。福島原発事故が福島やその他の人たちに追わせた大きな傷を思うと、
これ以上の原発は絶対に作ってはならない。今なら止められる。燃料が入って
いない今なら戻れる。そのために出来ることを考えてみた。
 * 原告になる
 * このことを誰かに話す
 * 電源開発に電話あるいはメールする
 * お住まいの地方自治体の長、あるいは教育長に電話する
私の考えついたの以上だが、一人一人が自分で出来る原発を止める方法を
見つけてほしい。

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┗■2.リトアニア、ヴィサギナス原発計画が住民投票で反対多数
 └────(山崎久隆)

 リトアニアで10月14日、総選挙と同時に行われた原発の是非を問う国民
投票は、65%の多数が原発反対票を投じた。
 リトアニアには1980年代に建設された原発が2基ある。イグナリナ原発
は、旧ソ連時代に作られた、当時としては最新鋭のRBMK1500型炉で
チェルノブイリ原発と同型だ。出力は定格150万のところ、安全のために
136万キロワットに抑えられていた。それが2基あり、当時のリトアニアは
電力輸出国だった。
 その後チェルノブイリ原発事故が発生し、RBMK型原発に対する懸念が高
まり、安全対策を施されて稼働し続けていた。しかしリトアニアのEU加盟に
際して欧州議会がつけた条件はイグナリナ原発の閉鎖であった。2004年に
1基、2009年に2基目も廃炉になる。
 この結果電力輸出国だったリトアニアは電力の大半をロシアから輸入するこ
とになる。
 よく知られているとおり、旧ソ連が崩壊し各共和国が独立を目指していた時
期、ロシアにとって死活的重要な地域が二つあった。一つは港を有するバルト
三国、もう一つは資源の宝庫カスピ海に近いカフカス地方だ。
 バルト三国は独立が出来たが、チェチェンは出来なかった。そのため未だに
チェチェンでは独立を求める人々が武力闘争を続けている。
 リトアニアにある感情は、ロシアから名実ともに独立したいという思いだ。
しかし今は電力の8割を握られている。
 ヴィサギナス原発は閉鎖されたイグナリナ原発のすぐ側に予定地がある。電
力に関するロシアからの独立の手段として計画された。そのため福島第一原発
の事故前は6割近くが新設を支持していた。しかし福島事故を受けてリトアニ
アでは多くの人々が脱原発へと意見を変えた。
 残念ながら投票結果がそのまま脱原発を決定づけるわけではない。しかし原
発に反対の立場に立つ社会民主党が選挙で政権を得たこともあり、大きな影響
を与えることは確かだ。
 なお、これを受注したのは日立である。

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┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆原発イヤだ!秋のもみじデモin府中
 11月10日(土)13時から 13時30分デモ出発
 京王線府中駅南口・府中市宮町中央公園集合(府中市宮町2-20)
 秋の色づく府中の街をさまざまな思いを声に出し「原発イヤだ」を
 訴えましょう。

※宮町中央公園はちょっと分かりにくい場所です。
 府中駅南東(新宿方)方向、旧甲州街道から少し南側に入ったところ。
 生活者ネット事務所と魚屋さんの近くにある小さな公園です。
 家族連れ、鳴り物自由、仮装歓迎。さまざまな表現で、原発をなくすために
 府中の街をデモしましょう。

 主催:原発イヤだ!府中
 連絡先:東 080-5428-5391 azumarv@gmail.com

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┗■4.新聞・雑誌から
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◆福島の子の人権守れ
 「集団疎開」訴訟弁護団、きょうジュネーブで講演
 (10月30日 東京新聞「こちら特報部」より)

福島原発事故を受けて、福島県郡山市の子どもや親たちが「集団疎開」を求め
て仮処分を申し立てた裁判。その原告代理人の弁護士らが三十日、スイス・
ジュネーブの国連の施設で講演する。国連人権理事会の作業部会に合わせた
非政府組織の行動で、日本政府への“外圧”を呼びかける。(林啓太)

「日本政府が公式に世界に伝えることのない、低線量被ばくにさらされている
子どもだちの『真実』を伝えていきたい」
 ジュネーブの国連施設で講演する柳原敏夫弁護士はそう語る。同弁護士は集
団疎開裁判の弁護団の一人。(中略)柳原弁護士はこの裁判への世界規模の支
援を求めて、ジュネーブで開かれている国連人権理事会の普遍的定期的審査
(UPR)の作業部会に合わせ、渡航することにした。(中略)今回の作業部会
は二十二日から、日本を含めて14カ国の人権状況を検証するために開かれて
いる。講演翌日の三十一日は、日本が審査対象になる。
 柳原弁護士は「われわれの講演をきっかけに、日本の審査でも原発事故によ
る子どもたち健康被害をぜひ取り上げてもらいたい」と意気込んでいる。
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関連情報:
◇10月30日(火)夜8時~I0時 IWJによる中継があります。
ジュネーブ市長と福島県の双葉町井戸川町長、
「ふくしま集団疎開裁判」の柳原弁護士が対談予定
http://iwj.co.jp/ または http://www.ustream.tv/channel/iwj-geneva

◇10月31日(水)日本時間、夜10時30分から11月1日の午前2時まで
国連のジュネーブ事務局(通称、国連欧州本部)で、『日本政府が日本で
行なっている人権侵害問題』について世界中の国から審査を受ける人権理事会
のUPR(普遍的定期的審査)が行なわる。当日は国連によるネット中継は
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/ の中の「ネット中継」をクリック

◆拡散予測、6原発で誤り 北陸電から指摘
 気象データ処理ミス 規制委が謝罪
(10月30日 東京新聞より)

原子力規制委員会は二十九日、原発で重大事故が起きた際にどのように放射性
物質が拡散するか二十四日に公表した予測マップのうち、日本原子力発電東海
第二(茨城県)や同社敦賀(福井県)、東京電力柏崎刈羽(新潟県)、北陸電
力志賀(石川県)、九州電力玄海(佐賀県)と同社川内(鹿児島県)の六原発
で誤りがあったと発表した。

 予測マップは、地形が全く考慮されていないなど精度の問題が指摘されてい
たが、マップの方位という基本を誤っており、信頼性に傷が付いた。訂正を発
表した際、配布した関連資料でも、自治体名などの誤りがいくつも見つかり
チェック体制に不安ものぞかせた。(中略)
 規制委の事務局を務める規制庁の森本英香次長は「緊張感を持った取り組み
ができていなかった。関心が高く、自治体が防災計画の参考にする資料。ミス
をおわびしたい」と謝罪した。各自治体に誤りを連絡するとともに、謝罪を始
めた。

◆次世代エネルギー「メタンハイドレート」日本近海で広範囲発見
 (10月30日 東京新聞より)

 次世代のエネルギー源として注目される「メタンハイドレート」が日本近海
の広い範囲で、海底下数メートルの浅い場所に存在する可能性があることが新
たに分かったと、北見工大と明治大などのチームが二十九日発表した。オホー
クツ海や日本海で発見し、回収にも成功。メタンハイドレートの資源化を前進
させることも期待される。(中略)
 チームが発見したのは、北海道網走市沖のオホーツク海、秋田、山形、新潟
各県沖合の日本海の海底。いずれも沖合三十~五十キロ程度の場所で、日本の
排他的経済水域(EEZ)の範囲内だった。(中略)
 メタンハイドレートは天然ガスの主成分メタンと水が結合した個体で、
うまく採掘ができれば、輸入に頼る天然ガスに代わる資源として期待される。

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