(2022年9月13日)
きょうは、青空に白い雲がゆっくり泳いでいます。その青空を仰ぎながらの「本郷湯島九条の会」の街頭宣伝です。私は、「九条の会」の石井彰です。安倍晋三氏の「国葬」に反対しています
宣伝行動の始まる前に、中年のご婦人が私たちの用意した「安倍国葬反対」のプラスターを見て、「ほんとにそうよ。何でこんな人に敬意だの弔意だのしなけりゃなんないの。冗談じゃないよ」と言って息巻いていました。まことに、おっしゃるとおりです。国葬反対は、今や大きな世論となっています。
安倍晋三氏の「国葬」に反対する理由の核心にあるものは、「国葬」をおこなうことそれ自体が、全ての国民に安倍晋三氏に対する弔意を強制する意味をもつことになるということです。「国葬」に伴う黙祷や歌舞音曲停止という具体的な行為の強制があってはならないのはもちろんのこと、全ての国民がこぞって弔意を表明すると意味付けられた儀式の挙行は、明らかに弔意を表したくないという国民の内心を傷付けます。全ての国民が費用負担を強いられることにも納得できるはずはありません。
日本国憲法は、個人の尊厳を最高の価値としています。そのことを定める憲法13条は日本国憲法の核心部分です。この核心部分をものの見事に崩落させて、国の意思によって、特定の人物に対する弔意を強制するのが、「国葬」なのです。
安部晋三元首相が2022年7月8日に奈良市で銃撃で殺害された事件そのものが民主主義社会においてあってはならない所業であり、絶対に許されない行為であることは言うまでもありません。しかしこの事件をきっかけに、自民党が統一協会・国際勝共連合と半世紀にわたって深い癒着の関係にあったことが露呈しました。その自民党の中心に安倍三代、岸信介・安倍晋太郎・安倍晋三がいました。この三代が、韓国発祥の統一協会・国際勝共連合に「日本という国を売り渡していた」ことが明らかになったのです。
その安倍氏を「国葬」にすることは日本人の理性の欠如を世界に示すことにほかなりません。その結果、「国葬」とは、安倍氏の葬儀であるよりは、日本という沈殿した国の葬儀になっしまったのではないでしょうか。
「国葬」を実施するのかやめるのか。それはカゲロウの国になるのか、理性・民主主義国家への道を歩むのかの分水嶺です。「国葬」反対の世論を全国で圧倒的に広げようではありませんか。
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皆さま、月に一度の街頭宣伝です。「本郷湯島九条の会」の澤藤が最後にお話しをさせていただきます。もう少しの時間、耳をお貸しください。
予定されている安倍晋三の国葬、轟々たる反対世論を押し切って、まだ政府は撤回しようとしません。無理をしてでも、やってしまおうという姿勢です。
国葬反対の理由は、先程来、いくつも語られてきました。その多くは、国葬そのものが違憲であり、あるいは立憲主義に反し、あるいはこの度の国葬が手続き的に許されない、というものです。しかし、分かり易いのは、「国葬反対」論よりは「安倍国葬反対」論です。端的に言えば、「ウソつき晋三に国葬はふざけている」というフレーズ。
国葬の対象となるには、国民がこぞって敬意を表するにふさわしい人、それゆえに国民の大多数が弔意を表明したいという人でなくてはなりません。そのような人を具体的に想定することは困難ですが、少なくとも、安倍晋三が国葬にふさわしい人物でないことは明白ではありませんか。
彼は、少なくとも国会で118回のウソをついたことが明らかになっています。ウソつきを国葬にしてはいけません。
彼は政治を私物化したとして悪名高い人物です。彼は、忖度という政治文化を蔓延させました。安倍政治とは、公文書の偽造・隠匿・改竄、ウソとゴマカシで特徴付けられています。要するに、安倍晋三とは尊敬に値する人物ではなく、道義的にも政治的にも廉潔性を欠いた、薄汚い唾棄すべき人物なのです。こんな汚い人物が国葬にふさわしくないことは明らかではありませんか。
内政外交に安倍晋三が遺したのは負のレガシーばかり。アベノミクスで格差と貧困を拡げ日本経済を衰退させました。アベノマスクでは無能無策をさらけ出して国家財政に巨額な負担を負わせ、ウラディーミルのお友達としてどこまでも駆けて駆けて駆け抜けた無能な外交手腕。
何よりも、彼は改憲論者でした。日本国憲法を敵視し、とりわけその平和主義をせせら笑って攻撃し、核共有論さえ語っていた人物です。とうてい、国民こぞって敬意を表明し、その死を悼むことのできる人物ではありません。
しかも、彼は3代続いた年季のはいった統一教会との同志ではありませんか。筋金入りの反共というイデオロギーで結びついた同志。その関係が今暴かれつつあります。
無理を承知で、こんな人物の国葬を強行しようというのは、現政権に魂胆があるからです。安倍政治の悪政を国民に忘れさせ、国民からの批判のトゲを抜き、安倍政治を国民に承認させ、安倍晋三が果たせなかった改憲を実現するための安倍政治承継の魂胆。それは、改憲への道筋を付けようとするものにほかなりません。
安倍晋三の死を政治的に利用しようというたくらみを許容することはできません。どのような死に方をしようとも、安倍晋三の生前の所業をごまかしてはならない。ウソつき晋三を国葬という化粧で塗り込め、その罪を覆い隠すして、改憲策動に利用しようというたくらみを決して許してはなりません。
ですから、皆さん。国葬参加者を注視しましょう。いったい誰が、なんのために、ウソつき晋三の国葬に参加するのか。これだけ違憲・違法と評判の悪い国葬に、敢えて出席するのか。どの政党、どの政治家、どの首長、どのジャーナリスト・経済人が出席するのか見極めようではありませんか。
街頭から、もう一度「安倍国葬反対」と呼びかけて、ここ本郷三丁目交差点での本郷湯島九条の会の訴えを終わります。
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[本日のプラスター]★「国葬」反対、モリ・カケ・サクラ・クロカワイ。★国民不在「国葬」反対。★人類の理想・戦争放棄の9条。★「国葬」反対、政治の私物化許すな。★「国葬」イントク・カイザン・コウブンショ。★軍事費12兆円、アメリカの盾、捨て石ゴメンデス。★「国葬」反対ウソの答弁118回。
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.9.13より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=19939
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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